東洋英和女学院中学部 入試対策
2018年度「東洋英和女学院中学部の算数」
攻略のための学習方法
はじめに
本校は幅広い分野から出題されているので、各分野とも標準的な問題に対応できるようにしておく必要がある。そのうえで、重要単元を中心に学習していくとよいだろう。
【大問3】対策
本校では、毎年【大問3】で面積を求める問題が出題されている。
ユニークな図であるものが多く、本校の特徴的な問題となっている。難しい知識は不要であるが、図をうまく分割したり、等積移動するなど、工夫しながら解いていく必要がある問題である。
独創的な問題のため、類題に触れる機会が少ないだろう。過去問に多く取り組むことで、このタイプの問題に少しでも慣れるようにしたい。
さて、このタイプの問題は、非常に多くの別解が考えられる。このため、同じ問題を何度か繰り返してみると、取り組む度に解き方が変わることも考えられる。解き方が一定にならないことは心配無用である。
しかし、解けた問題に再挑戦してみると、意外と正解を求められないことも多くなる。したがって、正解・不正解に関係なく、くりかえし問題に取り組むようにしたい。
ただし、短期間に同じ問題に取り組むと、解き方を暗記してしまう可能性があるので、ある程度期間を空けて取り組むようにしたい。
速さの対策
本校では終盤で速さに関する問題がよく出題されている。
グラフが与えられており、それを利用しながら考えるタイプが多く、高い分析力が必要な問題が出題される場合もある。通常のダイヤグラムだけでなく、2人の間の距離を表すグラフなども見られるので、十分に練習を重ねておきたい。
算数が得意な人にとっては、差をつけやすい分野なので、やや難しい問題まで取り組んでおく必要がある。
算数が苦手であれば、標準レベルの問題を数多くこなせばよいだろう。
水入れ問題の対策
水そうグラフに関する問題、水中に物体を入れる問題は、本校では頻出である。
標準的な問題からやや難しい問題まで出題されている。少なくとも標準的な問題は解けるようにしておく必要があるだろう。
この分野は、正解・不正解だけでなく、解答を求めるまでの時間も差が出やすいという特徴がある。したがって、答えを求めるまでの過程にも注意して学習したいところ。
信頼できる指導者に解法をチェックしてもらうとよいが、自分でも楽に解く方法を考える習慣を身につけておきたい。
記述式問題の対策
本校の算数では解答用紙がなく、問題用紙の問題文の下に考え方と解答を書き込む形式になっている。
この考え方を書く部分がかなり狭いので、実物大の問題用紙を使って練習しておくとよい(実物大の問題用紙は学校説明会でも入手できる)。
普段の学習においても、途中式や考え方を書いて問題を解くべきであるが、過去問演習時と入試直前期以外は、書く分量をさほど気にしなくてよいだろう。
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2018年度「東洋英和女学院中学部の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
例年通り、前半は基本~標準レベルの問題が中心、後半は標準~やや難レベルの問題が中心に出題されている。
今年度は、問題の質、量を考えると、45分で解くには試験時間はやや短い。終盤にも解きやすい問題があるので、時間配分と問題の取捨選択に注意しながら取り組みたい。
【大問1】計算問題
- 難度:易
- 時間配分:2分
計算問題が3問出題されている。確実に正解したい。
【大問2】一行問題
- 難度:易
- 時間配分:4分
いずれも基本的な問題なので、短時間で終わらせたい。
(1)は易しいのでコメント不要であろう。
(2)は平均に関する問題。
(3)は速さの基本問題。
(4)は食塩水の問題。
(5)は場合の数の問題。樹形図を使って調べるとよい。
【大問3】平面図形
- 難度:標準
- 時間配分:6分
本校定番の面積を求める問題で、今年度は象の絵になっている。象の鼻の部分は、特にまちがえやすいので、注意深く処理したい。例年の【大問3】より正答率は低かったのではないだろうか。
【大問4】割合と比
- 難度:易
- 時間配分:30秒
割合と比に関する基本的な問題である。
【大問5】つるかめ算
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- ★必答問題
(1)は、つるかめ算の基本問題。
(2)は3種類のつるかめ算。類題は十分に経験しているはずなので、定石通りに解いていけばよい。
【大問6】推理
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
虫食い算(覆面算)の問題である。うまく作られた問題で、見た目よりは考えにくいかもしれない。時間がかかりそうであれば、一旦後回しにするとよい。
【大問7】立体図形
- 難度:標準
- 時間配分:2分
立方体の展開図に関する問題で、後半の大問の中では最も解きやすい。
(1)は、見取り図に書かれている文字を、展開図に書き入れる問題。各頂点に名前を付けて考えていけばよい。
(2)は、展開図で示された2つの面の和を答える問題。易しい問題である。
【大問8】速さ
- 難度:標準
- 時間配分:7分
終盤の大問でおなじみのグラフに関する問題。今年度は、2人の間の距離のグラフから考える問題である。通常のダイヤグラムを正しく書くことができれば、4問完答できるだろう。少なくとも(1)(2)は正解しておく必要がある。
【大問9】立体図形
- 難度:標準
- 時間配分:7分
体積に関する問題である。
(1)は容器の体積を求める問題。つまらないミスをしなければ正解できるはず。
(2)では、容器内に角柱を入れた状態での水の体積を求める。角柱の体積を求めるときは、注意深く処理しないと思わぬミスを起こす可能性がある。残り時間が気になるところではあるが、慎重に取り組みたい。
【大問10】場合の数、数の性質
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
3桁の整数の各位の積に関する問題。
(1)は非常に易しい問題。時間切れで取り組めなかったということがないようにしたい。
(2)は、各位の積が20になる整数がいくつあるかを考える問題。まずは、各位の数字の組み合わせを調べることになるが、「1」を使う場合を考え忘れないように注意が必要である。
(3)は、空欄Eにあてはまる最大の数を求める問題で、9を含む整数に着目すればよい。9を含むための条件を考えて調べ上げることになるが、空欄Eだけでなく空欄Dにあてはまる数についても考察する必要がある。残された時間と難易度を考えると、正解者は少ないだろう。
攻略のポイント
前半の【大問1】~【大問5】について
【大問3】以外は、全体的に例年より取り組みやすい。【大問3】以外は、かなりハイペースで解いていかないと、後半で試験時間が不足する可能性がある。
後半の【大問6】~【大問10】について
全ての問題を解くには時間的にやや厳しいが、どの問題にも目を通す必要がある。さもないと、最終問題の【大問10】にも易しい問題があることに気づかない可能性がある。【大問6】は考え込んでしまうと、意外と時間を費やしてしまうことがあるので要注意。【大問8】は正解・不正解だけでなく、時間的な差も生まれやすい。この【大問8】を短時間で正解できると、高得点が期待できるだろう。
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