洗足学園中学校 入試対策
2018年度「洗足学園中学校の理科」
攻略のための学習方法
理科計算問題
洗足学園の理科では、まず数問必ず存在する計算問題というのがとても気になる。これらの問題をどこまでできるかが合否を分ける一つのポイントとなると思われる。
理科には知識分野と計算分野があるとして、計算問題は難しい感覚があるかもしれない。特に算数が苦手な女子にはありがちな感覚である。しかし、理科の計算問題は算数とは違う。応用力や思考力を問うようなものではなくたいていの問題はこれまでにどこかでやったことのある問題がそのまま出されると考えてよい。
本年度においては、大問1の後半の計算問題のように初出のものもあったものの、ほかの問題はどこかでいつかやったことがある典型的な問題であり、普段の勉強をどこまでしっかりやっているかという力が問われているのだ。
また、入試においてはじめてみるような問題は他の生徒たちもまず出来ないと見てよい。つまり合否の差を分ける問題となる可能性は低いということだ。したがって、そのような問題が出来ないからといってあまり気にせず、まずは典型的な計算問題の解き方に力を注ごう。計算問題の全ての分野を終わらせるのにさほど時間はかからない。1ヵ月も集中してやれば終わってしまうものだ。苦手としている受験生は是非対策をしてほしい。
理科知識問題
計算問題が合否を分けるポイントとしたが、それは理科の知識問題がしっかりと合格基準まで頭に入っていることが前提となっているのだ。
見たところ、洗足学園の理科の知識は半端な暗記量ではとてもかなわないところがある。だからこその難関校なのだが、逆に言えば、努力次第では十分合格ラインに届くということでもある。
理科の知識は、怠ることなくしっかりと追求しておいてほしいのだ。知識量が膨大にある社会のように、理科も憶えておかないといけない、という認識はあるだろうか。
はじめから食わず嫌いはやめて、時間をかけて念入りに覚えていってほしいということだ。
そのように認識してほしい。
まとめ
そして、しっかりと頭に入れた知識の勉強の仕方であるが、受験まで使える一問一答式の問題集を使用してほしい。
繰り返すことがポイントなので、受験まで使えるものが一冊ほしい。それを何度も繰り返して、まさしく100%まで正解できるようにもっていってほしい。
理科の知識は、どこまでという出題範囲はない。そのような問題集に載っている問題は、最低限の知識といってもよいのだ。そこまではできないといけない。
ただ、この一問一答式の問題集は、使用するときには注意が必要だ。
受験生本人にこれを一人でさせると、意味もわからずにやみくもに丸暗記している場合があるのだ。何度も同じ問題集をやっていると条件反射的に答えをくり返すだけである。
天体の問題など、「月がなぜその時間に、その方向に、その形で見えるのか?」などは暗記ではだめだ。理解が必要だ。でないと、別の角度から問われた場合にもう正解が出てこなくなる。洗足学園の場合、特にそういう特徴が顕著で、当たり前のことを当たり前の方角から聞いてこないことが間々ある。だから、答えを見ると「なあんだ」ということでも、その場では答えられなかったりする。これでは合格はおぼつかない。
本年度の問題でいえば、【大問3】(5)などは、問題の意味を捉え、本当の意味で理解をしていないと正しい選択は出来ないだろう。
厳密に言うと、小学生の家での一人での効果的な勉強は期待できない。サポートが必要になる。理解できる誰かがついていないといけない。
一 問一答式の問題集は、答えが言えればいいというものではない。もちろん、セミの鳴き声など覚えれば済むものもあるが、上記のように理解が必要となるものがある。そのようなときは、答えが言えれば終わりではだめだ。逆に、その語句の意味を生徒自身の言葉で説明させたり、なぜその答えになるかを説明できないといけない。でないと入試に耐えうる力とはならないのだ。
まとめると、洗足学園の問題は、知識と計算の力があった上で、オールラウンドな学力を試されるといって言い。それは手ごわいことではあるけれども、成し遂げたときの達成感も半端なものではない。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2018年度「洗足学園中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
社会とあわせて60分で75点満点で,理科の問題を解いている時間は30~35分と考えた場合、大問4、小問は30問で、やや分量は多めになっている。
ただここ数年の問題は、多くが基本的な設問でしめられているので、極端に時間が足りなかったり理解する時間がない、ということはなかろう。
苦手な分野を作らず、どこから出されても基本的な問いには答えられるようにしておきたい。
【大問1】物理分野…金属の膨張
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1)では「熱のやりとり」から計算問題が出されているが実はここが一番てごわい。てごわいと言ってもせいぜい②のカロリーの計算程度である。しっかり正解しておきたい。
(2)から(6)はスーパー基本問題で、5年生を飛び越えて4年生で勉強するような内容になっている。ここも全問正解しておきたいところ。
【大問2】物理分野…蒸し焼きの実験
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1)~(4)は蒸し焼きの実験に関する基本的な知識の確認。間違えた生徒は要復習だ。
(5)~(7)は与えられた表の数値を用いて計算する問題になっているが(7)をのぞきどれも比例の関係で解けてしまうのでなにも問題はなかろう。(7)にはその必要すらない。
唯一(8)のみ間違える可能性があるかもしれない。「磁石」いがいはどれも答えてしまいそうだがよく「消臭剤」として売っているので自宅で使用している生徒は有利だったかもしれない。
【大問3】生物分野…帰化生物
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
(1)は帰化植物も含め植物に関する基本的な問い。②の計算問題がまたも比例だけで解けてしまうのはつまらない。
(2)はよく問題文を読んで答えること。「人間が意図せずに侵入した生物」なので、食用として入ってきたものや大型の生物はのぞけることと思う。正解の「セアカゴケグモ」は一昔前にずいぶん話題になった有毒グモである。
(3)は常識と照らし合わせて帰化生物の不利益な点を書いておきたい。
(4)は理科を習い始めた頃を思わせてくれる懐かしい設問だ。
(5)は最新型の侵入生物について。アリの生態はどの種類もそう変わらないのでおそらく答えられたことと思う。
【大問4】地学分野…気圧と天気の関係
- 難度:標準
- 時間配分:8分
気圧と天気、どちらもおなじみの言葉だがこの2つを組み合わせた問題は多くない。ようやく多少やりがいのある問題に遭遇することとなった。
(1)では、「1気圧=1013ヘクトパスカル」を覚えていると簡単だった。
(2)(3)は気圧を計算する問題で、表1における、気圧と水位の和が一定になっていることを使えると正解が出せる。しかし本年度の計算問題ではいちばんレアなものだった。
(5)(6)は気圧の細かい数値とグラフの読み取りが欠かせない。
(7)はおまけ。
攻略ポイント
テスト時間は社会理科あわせて60分で理科の配点は75点。
受験者平均点は「55.0点」と今までに比べてぐんと上がっている。問題全体の水準を考えれば妥当だろう。しかしこのテストをもって洗足学園の理科が易しくなった、と判断するのは早計で、この問題は第1回の問題だが、第2回・第3回の理科は例年と同じくらいの平均を保っているのでたまたま第1回のみ解きやすい問題がそろったといえるだろう。
このテストに関しては、合格ラインは60点(80%)以上と想定されるが受験勉強を普通に積んできた生徒にとっては多くが基本問題で間違える方が難しく、また計算問題が全体に平易だったのでこれくらいの点数はとっておきたい。言い方を変えると、とれていないと困る。
本校に関して対策を述べておくと、まずは理科の基本的知識を身につけ、誰でも解けそうな問題は絶対に落とさないこと。その上で細かい知識まで手を伸ばし,たくさんの問題に触れることで経験値を上げ、角度の変わった問われ方をされてもうろたえることなく正しい答えを選択すること。また、難度の高い計算問題も予想されるので、理科で点数を稼ぎたい生徒はそらちの対策も怠りなく。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
洗足学園中学校の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。