巣鴨中学校 入試対策
2018年度「巣鴨中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
3つの大問に漢字と長文読解2問が割り当てられるという構成が定形となっている。 読解問題の素材文は論説文や随筆文(説明的内容)が多く物語などはほぼ見られないという、説明的文章に重点を置いた試験となっている。ここ数年は論説文・説明的随筆文・文学的随筆文のうちから2種類が出題されるパターンになっているようである。
文量は2問合わせて6000字程度。同じレベルの学校で8000~9000字ほどの問題も多い中、比較的少なめである。その分、記号選択問題は少なく、記述や書き抜きなどの言葉で書く問題が多くなっている。
知識問題では、読解問題と合わせて接続詞・品詞・語句の意味などが出題されている。
長文読解
毎年2題出題されるが、論説文と説明文が頻出である。随筆文も出されるが、社会や文化に関する説明的な内容のものが多い。算数の力を重視する方針にも関係しているのか、国語も論理的思考力を測る試験となっている。
そうした特徴を考えると、説明的文章読解の対策が主となるだろう。
・段落の整理 形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。
・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。
・要旨 要点をまとめれば全体の要旨がわかる。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。
以上のような、説明的文章の読解問題を説く際の基本的な作業をしつこく練習しておく。
また、本校の特徴として書き抜きや記述など、言葉で書く問題が多いことが挙げられる。すべて字数指定があるので、答えを探す目安の一つにはなる。
記述問題も、「文中の言葉を用いて」という指定が多く、全て自分の言葉で考えるような重い記述問題ではない。必ず文中に適切な部分があるので、そこから抜き出して答えをまとめられる。ここでも、前述のようなキーワード・要点・別の言葉で言い換えた部分などをすぐに探せるような工夫が生きてくるわけである。
選択肢問題は4択だが、やはり最後に2つ選択に迷うものが残りやすい。要点や要旨に合致するか反しているか、文中に有ることか無いことか、一語や細部も見落とさない注意深さが必要とされる。
漢字・その他
漢字の書き取りが毎年10問出題されている。標準レベルの漢字が多いので、中級程度の漢字教材をしっかり仕上げれば不安はないだろう。
言語事項などは長文読解に合わせて、接続詞・品詞・語句の意味などの問題が出されており、特に接続詞はよく出題されているので注意しておくこと。
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2018年度「巣鴨中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
今年度は説明的随筆文と文学的随筆文の2題で計5700字ほど、総解答数は36問であった。
読解に関連する選択肢問題は7問で残りは書き抜き・記述など言葉で書く問題だが、問題数は多くないので時間は足りるだろう。文中からヒントや答えを特定するスピードを養って、一通りすべての問題に答えられれば理想的である。
【大問1】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:3分
1 痛む・傷む・悼むの3つを書き分けられるようにしておこう。
2 表す・現す・著すの3つはよく訊かれる。
5 同じ意味でも貸借(タイシャク)と貸し借り(かしかり)という2つの言い方がある。
<時間配分目安:3分>
【大問2】説明的随筆文
- 難度:やや難
- 時間配分:29分
- ★必答問題
「科学する」ということの定義を論じている。
問1 傍線のあとしばらく説明が続き、3段落後で「科学とはこのように」とまとめている。
問2 空欄Aを言い換えたものが「検証」である。
問3 否定の助動詞「ない(ぬ)」、形容詞「(ある・ない、の)ない」、「はしたない」などことばの一部の「な
い」。3つを見分けられるように。
問5 直前の2つの段落の内容をまとめればよい。「再現性(同じ条件・同じ手順で誰が行っても同じ結果が得
られる)」があることが大事なのである。
問6 たまたま「リンゴ」だっただけで、学問としての注目点は「物が落ちる」という運動の法則である。色や
形などはその法則の本質とは無関係である。
問7 このエピソードが本人の姪の知り合いからの情報という、「又聞きの又聞き」という信憑性の薄い情報で
あることを説明した段落がある。
問8 文中でどちらの意味で使用されているのかを答えればよい。Xは、この結果から「朝食を食べると学力が
上がる」と因果関係を主張する人が出てきたという事例で出された言葉なので、因果関係を示している。
問10 「朝食を食べること」以外の要因に「因果関係」があるかもしれないという可能性を考慮しなければい
けないのである。
問11 まず「科学の営み」は「限られた認識の手段を使って、少しずつ真理に近づいていこうとする営み」だ
と、前半で定義している。さらに設問の「真理は絶対的なものではない」の文言は、アインシュタインの
エピソードの部分にある「誰もが正しいと思っていた法則を疑うことで科学をさらに前進させた」と関連
付けられる。この2点をつなげれば、前半・後半の筆者の意見をうまくまとめられそうである。
<時間配分目安:29分>
【大問3】文学的随筆文
- 難度:標準
- 時間配分:18分
他界した後でも周囲に強い影響を与える父親を、主人公は心の拠り所として生きていく。
問1 A.けろっと――何事もなかったかのような様子。
B.まんまと――物事が計画通りに進むさま。「うまうまと」からの変形。
問2 「狡猾さ」があると言っているので、はっきり言えば「ズルをしていた」と主人公は思っている。気づか
れないように良いカードを自分の手札に持ってきたということ。
問4 「死んだ後まで残った人に影響を与える(母が父と同じ部位の同じ病気になったこと)」と周囲に思わせる
くらい、父の際立った性分が人々の記憶に残っていたという驚きである。
問5 自分と同じ病気で自分のもと(あの世)に妻を呼び寄せようとしていると、周囲の人には感じられている。
問6 選択肢イ・ウはそれぞれ「嫌がらせ説」・「自分の存在アピール説」に当たる。アは主人公が感じている
ことである。エには当てはまるものが無い。
問7 「あの世で」の尽力なので、非現実的な内容でもおかしくない。ここは、本当は死に至る病だったのに、
父親があの世で神様・仏さまに働きかけて母を助けてくれたのだろうといった想像であろう。
問8 (1)主人公は「チチがそう思うならこれでいい」と、いわば父の言いなりでよしとするような気持でい
る。前半に「うちには神様がいる」という唐突な一文があるが、これは死んだ父親のことを言っていたの
だと、ここまで読んでくるとわかる。
(2)「諦める」は「溜息を吐きたくなるような出来事に見舞われたとき」、現実には昨年の病気で苦しん
だ時のことを指している。主人公はその時、「こんな苦しみを与えるのにも、なにかチチなりの意味があ
るのだろう」とまで考えている。
<時間配分目安:18分>
攻略のポイント
素材文に論説文・説明的随筆文・文学的随筆文のうち2つが用いられる形がここ数年のパターンとなっている。この3パターンの文章の類似問題を多くこなしておこう。
論理的な文章の読解力を重視している本校の試験だが、去年・今年と文学寄りの随筆文が出されている。今後の傾向を示している可能性もあるので、このタイプの随筆にも慣れておく必要がある。
字数指定のある書き抜き・記述問題が多いという特徴も意識して、過去問・類似問題でまとめ方の訓練を。
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