お茶の水女子大附属高等学校 入試対策
2018年度「お茶の水女子大附属高等学校の英語」
攻略のための学習方法
しっかりとした読解能力を高めて欲しい。沢山の英語長文を読んでほしいがジャンル的には、小説ではなく論説文や評論文である。単語数としては800字前後。全国的進学上位校の英語の入試問題中、長文総合問題を必ず一日1題は演習して欲しい。論理的で少し抽象的な話の展開の方が入学試験問題の英文を読みこなすには最適である。
本番入試では、かなりの英文を読まされる。時間も50分と決して十分とは言えない。
したがって、受験生に求められる能力は、読了のスピードである。早ければ良いという訳ではないが、じっくり考えながら読む(精読)とは趣が異なる。では、受験生も一番知りたいことは、「どうすれば、英文を少しでも早く読めるようになるのか」ということであろう。
英文を早く読めるようになるためのポイントを一緒に考えてみよう。
単語・イディオム力を高める
英単語が分からなければ英文を読めないことは明白である。それでは、いかにしたら英単語力はつくのであろうか。一つの具体的方法を提案しよう。
手元に市販されている英単語集があると思う。掲載単語数は2,500単語位だろうか。まず始めて欲しいのがその単語集にある英単語を「完璧に理解している単語」と「完璧に理解していない単語」に仕分けること。
そして、後者の単語数を日割り計算(30日で攻略しようと思ったら30で割る)して、一日に覚える単語数を算出し覚えるのである。1週間に1日(日曜日が望ましい)、それまで6日間で覚えた英単語の定着度を確認する。その中で、忘れてしまった英単語数を6で割って翌週の日々の覚えなければならない単語に上乗せして覚えていくのである。その作業を繰り返してゆく中で、単語は確実に定着してゆく。
イディオムの学習方法も全く同じである。知識が曖昧なイディオムを抽出し、それを徹底的に覚えるのである。
文法事項を押さえる
文法は読み手が誰であっても同じように書いてある内容を理解するための「約束事=ルール」である。したがって、これを知らなければ筆者が何を読み手に伝えようとしているのかが理解できなくなってくる。これは上述した「速読」に対する「精読」・「熟読」といえよう。
具体的には、文型、不定詞、関係代名詞、比較、現在完了形、過去完了形、受動態。時制はしっかり押さえておきたい。
少しでも早く英文を読む
ではどうしたら早く英文を読むことができるのであろうか。結論から言えば『返り読み』はしない、ということである。関係代名詞を考えて欲しい。関係代名詞の前には先行詞がある。
関係代名詞の支配範囲をカッコでくくりそれを後ろから先行詞へ修飾させる。これを後ろから前(先行詞)へ返ってくるので『返り読み』と称する。皆さんも分かるように、このような読み方を行うと時間が掛かることは理解できるだろう。限られた試験時間の中で、1分1秒でも惜しい状況を考えると『返り読み』を行うのは得策でないことは明確である。では、どうすれば良いのか。
次の英文を参考に考えてみる。
I should do the work which makes the best use of my abilities.
「私は、私の能力を最大限に利用してくれる仕事をするべきである」と訳すのは『返り読み』である。
これを「私は仕事をするべきであり、その仕事とは私の能力を最大限に利用するのである」と読む。
関係代名詞の前でいったん区切り、「そして~」と訳していけば本文読了時間は大幅に軽減されるはずである。
英作文の練習
自由作文を徹底的に練習して欲しい。実際の作文においては、難しい英単語・構文を使わなくともよい。試験は減点主義なので、単純なスペルミスがあればどんどん減点されていく。平易な英単語で構わない。読み手にしっかり内容が伝わるような作文を心掛けよう。
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2018年度「お茶の水女子大附属高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1・2はリスニング。
大問3は説明文の長文要約文問題である。
<時間配分目安:8分>
大問4は物語の英語総合問題である。文脈を丁寧に捉え、内容をしっかり把握すること。
<時間配分目安:8分>
大問5は、物語文の適文選択英文長文読解問題である。
<時間配分目安:8分>
大問6は物語文の長文読解問題(条件作文)である。内容的には整序問題である。
<時間配分目安:8分>
大問7はテーマ作文。日本的「おもてなし」を40字以上の英文を書く。
<時間配分目安:8分>
【大問3】説明文の長文総合読解問題
- 時間配分:8分
オーストラリアに最初に住んだアボリジニーに関するエッセイである。初見の英単語は結構あるかもしれないが、文末のアスタリスクを参照しながら手際よく本文を読むこと。
(1)第1段落にfor at least 45,000 years とあり、これは45,000年以上を表す。
(2)オーストラリアに入植したのは英国人である。
(3)第2段落第1文を参照すること。
(4)と(5)初めてオーストラリアを発見したのはどこの国の人物だったのか。
(6)第7段落第2文より、囚人たちは働きたくなかったのである。
(7)農場を始めたのは誰かを考えること。
(8)第7段落最終文のexpandedをどのように違う表現にするか。
(10)金を求めてたくさんの人々がオーストラリアにやってきたことを何というか。
(12)第12段落第3文よりによれば、アボリジニー以外の人たちが完全な投票権を持っていたのは1850
年から1905年の間である。
【大問4】物語の長文読解総合問題
- 時間配分:8分
物語の長文読解問題である。8分で解答を済ませたい。文脈を丁寧に追い、会話文や人物の描写など文章で表記されていない部分について読み取ること。
(1)下線部の前にその理由が書かれている。その前文を理由として要約すればよい。
(2)クマが農夫にだまされたと思ったわけは、前文を参照すれば理解できるだろう。
(3)農夫がクマに殺されなかった理由は、その後の文章に書かれている。その文章をまとめればよい。
【大問5】説明文の長文読解問題・適文選択問題
- 時間配分:8分
物語の長文読解問題であり、適文選択問題である。この出題形式は、例年通りである。解答時間は8分を目標にしてほしい。
(1)話してくれた中で一番驚愕した話を考えること。
(2)亡くなった祖父がジョンに残したものは何か。
(3)残した箱の中には、コンパス、紙、黄金が入っていた。紙を開いてジョンは驚くのである 。
(4)ジョンは紙に書いてある通りに従ったのである。
(5)ジョンは小さな島々を発見したが、そのうちで一番美しかったのが黄金の国である。
(6)大きな金塊を持ち帰ったジョンは、幸せな人生を送れたのである。
【大問6】条件作文(整序)問題
- 時間配分:8分
条件作文(整序)問題である。解答時間は8分。必要な単語を最低限加えて考えなければならない。何語必要かは自分で考えなければならない。
(1)「面白い考えを思いつく」という表現として、think of an interesting と考える。ここですでに、of ,
an が必要になる。
(2)前の文章から、「数週間後」とするためにa few weeks laterを使用する。a , later が必要になる。
(3)過去分詞の形容詞的用法を用いて考える。
(4)主語を多くの男性とする。つまり、a lot of men と考え、a , of を必要な単語として補充する。
(5)「人に物をくれと頼む」という表現は、“ask 人 for 物”という慣用句を用いること。
【大問7】テーマ自由英作問題
- 時間配分:8分
テーマ自由英作問題である。解答時間は8分。日本的「おもてなし」について40字以上の英文を考える。具体的な事項を考えなければならないので、日本的おもてなしの例を具体的に考えてみる。
攻略のポイント
英文を読む速度が合格へのポイント。1分間で英語100~110単語を読みこなす速読力が必要であろう。リスニングも本番一発勝負では歯が立たない。リスニングは「耳を慣らす」ことが大事である。市販のリスニング教材を手に入れて寝る前とか、学校に行く前の15分程度を利用して「耳」を訓練して欲しい。また、読解力は相当高いレベルの力を求められている。そのためには、「沢山の英文を徹底的に読む」ことに尽きる。それも毎日行なうのである。語学の上達に欠かせない要素は「1分1秒でも多く英語に触れる(目に触れる)」ということである。入試本番まで、どれだけ多くの長文に挑戦できたかが合否の分かれ目であろう。