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2018年度「立教新座高等学校の英語」
攻略のための学習方法

ここで、受験英語における文法事項と同じ位に比重が高い単語の用法について何点か挙げてみる。

第1に「so~that…」及び「such~that…」である。
言うまでもなくsoは副詞であるので後ろ(修飾される語)には形容詞又は副詞がくる。一方、suchは形容詞であるので後ろ(修飾される語)には名詞がくる。意味は、「とても~なので…である」というのが原則である。

注意したいのは「not so~that…」という具合に、soの前に否定がある場合である。具体的には、以下のような英文を考えてみる。

He is not so busy that he can’t go for walk.

この英文を「とても~でないので…」という手法で訳出してみると変な訳文になってしまう。「彼はとても忙しくないので散歩に行くことはできない」では変である。上記の英文は正しくは「彼は散歩に行けないほど忙しい訳ではない」という具合に、「程度」を表すのである。

また、「such~that…」については、It was such a beautiful flower that I can’t forget it. (それは綺麗な花なので私は忘れることができなかった)となる。

「…,for~」にも気を付けよう。
このforは、前の文章を受けて理由を表す。したがって、このforの訳は「というのは~だからだ」となる。受験生になじみのあるforは『前置詞』である。ここで述べているのは『接続詞』としてのforである。

前置詞と接続詞との見分け方についていえば、前置詞は後に『名詞(単語)』がくるが、接続詞の場合には文章がくるのである。したがって、理由を表す『接続詞』としてのforであるか否かを見極めるには、後ろに文章が来ているか否かで決定するのである。

第2に、as(接続詞)である。
これには、いくつもの意味があるので混同しないようにしっかり覚えておくように。
代表的な意味と例文を以下に列挙する。

①「~のとき」(時を表す)
He came in just as I was going out of my house.
(私がちょうど家を出ようとしたとき、彼が入ってきた)
②「~につれ」(時の経過)
As we grow older, our memory becomes less active.
(私たちは年を取るにつれ、記憶力が徐々に鈍くなるのである)
③「~なので」(理由)
As the elevator was not working, we walked up the stairs.(
エレベーターが動いていなかったので階段を歩いて上がった
)④「~のように」(態様)
You should see things as they are.
(あなたは物事をありのままのように見るべきである)
⑤「~だけれども」(譲歩)
Child as he is, he can think clearly. 
(彼は子供だけれども、はっきりと考えることができる)。

という具合に、asについては代表的な用法を挙げただけでも上記のような複数の紛らわしい用法がある。明確な見分け方をしっかり習得しておくべきである。

asと同じ位に紛らわしい単語にbutがあるので、ここで幾つか例を挙げておく。
①「しかし、~が」(等位接続詞)
I got up early this morning but I could not catch the first train.
(私は今朝早く起きた。しかし、始発電車に乗ることはできなかった)。次に、相関語句と一緒に使う例文を挙げる。
②not A but B「AではなくB」He is not a teacher, but a student.
(彼は先生ではなく生徒である)
③not only A but (also) B―しばしばalsoは省略される場合あり―「AのみではなくBも」
A pet would be not only expensive but also troublesome.
(ペットは金がかかるだけではなく、手もかかる)。
そのほかにも、but(=except)「~を除いて」、nothing but(=only)「~しか(しかない)」。
④it is true ~ but「なるほど~であるが」
It is true that road travel those days was difficult, but it was safe.
(当時、陸路の旅は困難であったが、安全であった)。

以上、気になる単語の用法について見てきた。
ともかく、大量に英文を読みこなすことで英文を右から左へ流れるように黙読できるようになって欲しい。英文を読みこなすためには、上記以外にも沢山覚えなければならない事項や知識が山ほどある。少しずつ、焦らずに覚えてゆき英語の力を付けて行ってもらいたい。

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2018年度「立教新座高等学校の英語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問1・2のリスニングは15分程度。

大問3は長文読解総合問題(物語)<13分>。

大問4は長文読解総合問題(説明文)<13分>。子供との関わり方に関するエッセイ。

大問5は会話文完成問題<5分>。口語表現などに注意すること。

大問6対話文完成問題<6分>。基本的な文法知識をしっかり押さえる。

大問7は書き換え問題<2分>。

大問8は整序問題<6分>。全体的には8割の得点率を目指したい。

【大問3】長文読解総合問題(物語)

  • 時間配分:13分

友人2人が中国で暮らしている。その2人についての英語長文読解総合問題(物語)である。2人がお互いを思いやる心情が描かれている。

(問1)英文解釈選択問題<1分>。
ここで使われているcrossの意味を考える。

(問2)語句解釈選択問題<1分>。
2人は森の中を長時間歩いていたのである。

(問3)語句解釈選択問題<1分>。
turn ―‘s back on ~は「―が~に背を向ける」という意味のイディオムである。ここでは、何に背を向けているのかを考える。

(問4)語句解釈問題<3分>。
本文で使われている「金のリンゴ」とは何を指しているのか。『金塊』である。

(問5)適語補充問題<2分>。
2人は男から金塊のある場所に『何』がいるといわれたか。

(問6)適性語句選択問題<1分>。
妖精は金塊を2人に渡すことができるようにするために、何を行ったかを考える。

(問7)英文英答問題<2分>。
選択肢が英文になっている。選択肢で使用されている単語と本文中の英単語との違いについて精査すること。

(問8)内容真偽問題<2分>。
本文内容をしっかり把握し、かつ選択肢の英文を正確に読み込むこと。

【大問4】長文読解総合問題(説明文)

  • 時間配分:13分

子供にいつの段階でスマートフォンを持たせるかについてのエッセイである。

(問1)英文英答問題<5分>。
本文の流れと設問の意味をしっかり把握し、適切な英文を選択すること。

(問2)適文選択問題<2分>。
第5段落は子供がスマートフォンを持つ適切な年齢について論じている。

(問3)適語選択問題<2分>。
(1)子供が自分自身で自分を自制できない理由を示すので「それは~である」という文章につなげるため、thet’s why が適切である。これが決まれば、ほかの選択肢を考えなくとも正解は自明である。

(問4)適文選択問題<1分>。
最終段落には、親の役目について述べられている。子供に厳しいことを言って嫌がられてもthat’s OK なのである。

(問5)字数指定自由英作問題<3分>。
字数40字以内という制限付き自由英作問題である。与えられた日本文を英訳しやすいように置き換えることがポイントである。

【大問5】会話文完成適文選択問題

  • 時間配分:5分

AとBの会話からそれぞれがどのような「物」であるかを考える。
ポイントは、rub out my mistake や lose a part of you また get smaller and smaller などを手掛かりに考えること。

【大問6】対話完成適正選択文問題

  • 時間配分:6分

対話の流れをしっかり把握し、適切な選択肢を考える。

【大問7】書き換え適語補充問題

  • 時間配分:2分

本問も基礎的文法事項がしっかり理解されていれば完答も可能である。不定詞や基本イディオムの知識は確実にしておくこと。

【大問8】整序問題

  • 時間配分:6分

どの問題も基本的な文法知識があれば、完答も可能である。

攻略ポイント

全体的に見れば、標準的な問題であろう。長文もそれほど難解ではなく、読みやすい内容である。

設問についても基本的な文法知識を十分に押さえ、個別の文法問題を万遍なく演習していれば、それほど手こずることはないであろう。その他の設問についても、会話文や、整序問題、適語補充問題など標準的設問が多い。

したがって、事前準備としては、標準的問題集を何度も演習することが大事であろう。また、長文に関しては、500~700単語の英文総合問題を月に20題のペースで取り組んで欲しい。英語の最大の得点源は長文であるので、長文を読めないと英語における安定的な得点は望めないであろう。

また、そのような長文読解を通じて、習得している文法事項が適切かつ迅速に知識の引出しから取り出せるようになる訓練にもなることは間違いない。そのような長文読解を経て、英語を目で追う速度で読み進めることが可能になってくるのである。1分間で90単語程度読めればベストであろう。

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