国際基督教大学高等学校 入試対策
2018年度「国際基督教大学高等学校の英語」
攻略のための学習方法
基本的なイディオムや文法事項はしっかり押さえること。文法事項について押さえておいて欲しい項目を挙げておく。不定詞についてである。不定詞は高校入試だけではなく次の大学入試においても重要な事項となるので、今の時点でしっかり基本を身に付けて欲しい。
第一に『不定詞』である。不定詞は①名詞用法、②形容詞用法、③副詞用法があることは既に承知しているだろう。中でも副詞用法が一番重要であり大学入試でも明確に理解しているかどうかが問われてくる。
副詞用法について重要な事項を述べる。副詞用法はさらに4つのジャンルに分類される。目的、結果、原因、判断基準である。名詞用法と形容詞用法にはこれほどの多様性はないのでしっかり文法書を見て確認しておいて欲しい。
第二に『比較』である。比較は基本的には現時点での異なる2事象間における違いを比べる(比較)のである。つまり、今この時にA君とB君を比べて、「A君の方がB君より背が高い」ということになる。
したがって、この場合には比較する際の基準となる「データ(この事例ではB君のデータ)」が必要となり、それが『than』以下の内容となるのである。比較に関しては更に、「A君がA’君になった」という比較もある。
つまり、A君に対して時間の経過の中で『身長が伸びた』、『体重が増えた』などの変化が生じA’君になったということである。
第3に『関係詞』である。先行詞が人、物によって、さらに主格、目的格、所有格によってどのような関係代名詞を使うのかをしっかり理解すること。また、目的格は省略可能なので文章中でそれを見抜く練習もしっかり行なうこと。
特に、関係詞の中でも「what」は特殊な関係詞(先行詞を含んでいる)なので、ぜひ一度、文法書で確認しておいて欲しい。また、英文が長くなる主たる原因が『関係詞』である。
受験生は関係詞が出てくるとどこまでをカッコで括って前に戻って先行詞を修飾させる(~した…)という手法を取るのではないだろうか。前に戻る、つまり前に帰って先行詞を修飾する(返り読み)をしてしまう。しかし、このような返り読みをしていては試験時間を有効に活用できない。
なぜならば、一つの英文を返り読みしてしまうと時間が掛かってしまうからである。特に、国際基督教大学高校のような問題量の多い場合に、返り読みをしていては最後の問題までにたどり着けなくなってしまうかもしれない。したがって、関係詞が入った英文の読み方は返り読みをしないということを心掛けて欲しい。
つまり、関係詞の前で英文を切って、訳を考えるということである。例えば「Yesterday, I met him whom I had given my book ten years ago.」を一緒に考えてみよう。返り読みをしない訳は「昨日、私は彼にあった。そして、その彼に私は10年前に本を与えたのであった」となる。
この英文は単純であるのでこのような訳出方法の有用性は実感できないかもしれないが、複雑な英文になればなるほど役立つ度合いは高まるであろう。自身でも、一度研究してもらいたい。
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2018年度「国際基督教大学高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、説明文の長文読解である<10分>。
大問2は、説明文の長文読解総合問題である<15分>。
大問1・2とも中学レベルを超えた英語読解力と理解力が必要。
大問3は、説明文の長文読解である<14分>。
大問4は、物語文の長文読解問題である<15分>。
大問5は、イラストを参照しながら適文を考える問題である<16分>。イラストの流れをつかむこと。
【大問1】適語・句選択の長文読解問題(説明文)
- 時間配分:10分
全部で20問。一つ一つは基本的な文法知識がしっかり定着していれば完答も可。
内容としては、日本でもおなじみの「スターバックスコーヒー」に関する発祥についての文章である。具体的には、
①現在完了形(完了用法)を表す形を作る。
③call に関する第五文型の英文を考える。
④AのみでなくBも~、という相関語は常識であろう。
⑧~として、の意味は前置詞としてのasである。
⑨関係代名詞を考えよう。
⑭~するために、という用法の不定詞(副詞的用法)である。
⑳those who ~とは「~の人々」という意味であり、those の後にpeople が省略されているのである。
【大問2】説明文の長文読解総合問題
- 時間配分:15分
問1は、単語の意味を問う問題である。中学では見慣れない英単語も散見される。英検準2級以上の英単語力が求められる。
問1は単語の意味に関する問題<7分>。
[ア]繁殖力が強い。
[ウ]「不動産」に損害があるとどうなるか。
[オ]send a report を言い換え。
[ケ]soil「土」という英単語から考えること。
[コ]土を広げてはならないのは、なぜなのかを考えると答えはおのずから判明する。
問2は語句解釈に関する問題<8分>。
[A]soilは「土」である。
[D]多額の寄付金が集まったのであるから、一般の関心を大いに引き起こしたのである。
[F]地下で急速に広がるのは「根」である。
[H]注入すると植物が枯れてしまうものは何か。
【大問3】説明文の長文読解問題
- 時間配分:14分
Aは適語・句選択問題<1分>。直後の文のFor example が手掛かり。
Bは適語・句問題<1分>。
Cは文脈把握問題<1分>。
Dは英文英答問題である<2分>。英文の質問は、「先生たちはどうしてそのプログラムが失敗に終わるのではないかと思ったのか」である。
Fは指示語把握問題<1分>。下線部にあるthis は何をあらわすのか。
Hは内容正誤問題である<4分>。本文をしっかり読み込み(ただし、時間をかけずに!)、選択肢の正誤を判断する。
【大問4】長文読解問題(物語)
- 時間配分:16分
【大問4】物語の長文読解総合問題である<15分>。それほどの長文でもない。出典は、イギリスの作家であるジョナサン・スウィフト著の『ガリバー旅行記』である。
Aは適語・句問題である<1分>。
Bは文脈選択問題である<1分>。第8段落から手掛かりを探す。
Cは適語・句選択問題である<1分>。文脈をしっかり捉えること。
Hは適語・句選択問題である<2分>。比較の原級構文につての知識も必要である。
Iは内容正誤問題である<3分>。本文の脈絡を丁寧に追いかけ、かつ選択肢の紛らわしい表現の置換に留意し、決してひっかけ問題に足をすくわれないように。
【大問5】イラストを参照しながら適文を考える問題
- 時間配分:15分
【大問5】イラストを見ながら場面状況を理解して英文を作文するライティングの力を問われる問題<16分>。
A.は整序結合問題<3分>。Ifは、仮定法ではなく「条件・場合」を表す。
B.は完全記述の和文英訳問題<4分>。与えられた日本文を英訳しやすいように、置き換えるコツを掴むこと。例えば、「~にしか見えない」を文脈から考えて「~しかしないと思うかもしれない」とする。
C.は整序問題<4分>。アリがキリギリスに仕事であるバイオリンを弾かせる分を考えること。
D.は条件英作問題<5分>。まずは、キリギリスはアリとアリーのためにバイオリンを弾き、アリにバイオリンを教えているのである。このことを手掛かりに英文をまとめる。
攻略ポイント
相当な英語力を求められている。中学校では学習しないような英単語も極めて多くみられる。毎年、長文が出題されるが、事前の準備をしっかりしないと試験本番では時間切れになってしまう。
したがって、最大の得点源である長文において高得点を確実にするためには、難関校の入試問題、特に長文読解問題を集中的に演習することが重要である。
また、長文(500~600単語)をただ漫然と読むのではなく、緩急をつけて読む手法も必要であろう。入試英文を読む際に「緩急」をつけるとは、必要であると思われる個所はじっくり読む(精読)、あまりテーマとは関係なさそうな個所はさっと読む(速読)という具合に、本文通読にメリハリをつけるということである。