立教池袋中学校 入試対策
2018年度「立教池袋中学校の社会」
攻略のための学習方法
分析
例年、大問3つにそれぞれ地理・歴史・政治分野が割り当てられ、3分野がほぼ等分に出題されている。
総解答数25~30で試験時間は30分なので、問題量とのバランスは良いが、2~3行ほどの短文記述が4~5問出されるので、そこで多少、時間を必要とする。それ以外は、記号選択と用語記述の問題ばかりである。
内容は幅広い分野から万遍なく出題され、中学入試の基本的な事項が問われる問題がほとんどである。
また、例えば前年度が水産業と武家政治の問題だったら、今年度は伝統工芸品と平安時代について・・・というように、年度ごとに別の分野から出題されることが多くなっている。
地理分野
地形図の読み取り・気候・地勢・産業など、各単元から広く出題されている。
あるテーマに沿って関連した事項を訊くスタイルが多い。地図や統計グラフを使った問題も毎年、見られる。
この分野で、記述問題が1問出されるのが通例である。伝統工芸品産業の抱える問題点(平成23年度)・伊勢志摩サミットが賢島で開かれた理由(平成29年度)・外来種回収箱の設置の目的(平成30年度)など、さまざまな内容・形式の記述問題となっている。
全体としては基本事項を問う問題がほとんどなので、テキストと地図・資料集で基礎をしっかりと固めておく。
歴史分野
各時代から、政治・文化・外国との関係など、幅広く出題されている。
3世紀~5世紀の日本について(平成24年度)や戦後~高度経済成長の時代(平成29年度)というように、ある時代に範囲を絞った問題が多い。
文章による説明資料がよく使われるが、資料集でよく見るような図版が使われた年度もあるので、要注意。
時代順の並べ替えの問題もあるので、年表による整理が有効である。
歴史分野でも、あまりに細かい難解な知識は問われないので、人物・出来事・年代などの基本的事項を丁寧に学習しておく。
また、この分野で記述問題が出される年度(平成24年度など)もある。平成29年度でも出題されている。
政治分野
日本国憲法・政治の仕組み・国際関係などの問題が出されている。
同時に、環境その他の社会的な問題・時事問題も合わせて出題される。
そして本校の特徴である、記述問題が2~3問、最後に出されるという形式が近年は続いている。
記述問題の内容としては、
①.グラフや統計から読み取れる事実を指摘する
②.前問①で答えた内容をふまえて、その解決策やそれに対する意見を述べさせる
というパターンが多く見られる。
社会科の学習のしかたとして、時事問題に関心を持ち、その背景や影響・結果を考えてみるということがよく言われるが、まさにそのような練習が生きる問題であろう。
統計のデータに素早く目を通し特徴をつかまえるスピードと、解答を字数にまとめる構成力も必要となる。
幸い、字数はそれほど多くないので、一般的な記述対策問題集で練習するのも有効であろう。
さいごに
選択問題や用語記入の問題は、中学受験の基本的な事項を問われるものが多いので、まずは基礎力の充実に努めるべきである。
さらに副教材で知識を補っていけばよい。難問集などに時間を割く必要はない。
そして、やはり差がつくポイントであろう記述問題は、用語や出来事を説明させる単純なもの、資料の特徴を読み取らせるもの、自分で考えさせる論述問題…といったパターンで出題されるので、それぞれに慣れておかなければならない。
記述対策問題集・資料集で多くの問題やデータに触れる。
ニュースや新聞で社会的な問題についてよく考えてみる。
50~60字程度で考えを文章にしてみる。
そのような練習を繰り返して、本校の記述問題のパターンに対応できるようにしておくことが大切である。
また、全体として言葉で書かせる問題が多く、記入する分量が多くなってしまうので、書くスピードをつけ、誤字・脱字をしないように意識して練習しておくことも忘れないようにしていただきたい。
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2018年度「立教池袋中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問3つがそれぞれ地理・歴史・現代社会に割り当てられ、総解答数は27問と、例年通りの構成である。
今年度は3分野がほぼ均等に出題されているが、政治経済分野で記述問題が多めなのでやや難しい。その他の問題も言葉で答える問題が多くなっている。
記述問題を含む最後の大問はやや時間がかかるので、その他の問題はテンポよく進めて記述問題に時間を残しておきたい。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
湖や沼を題材に、各地の地形や産業、気候などについて訊かれている。
問1 (1)曲がった部分が取り残されて三日月のような形の湖ができるので三日月湖という。
(3)カスピ海は世界最大の湖で、内陸で塩分が凝縮された塩湖となっている。浜名湖のような海水が入り込んだものは汽水湖である。
問2 (1)洞爺湖は支笏洞爺国立公園の中心ともいえる名所。支笏湖もカルデラ湖である。
(2)猪苗代湖は第4位の面積を持つ湖。火砕流の堆積物によってせき止められて湖が形成された。
問3 雨の少ない瀬戸内海の気候で(か)。(う)も近いが冬の気温が0度を下回るという特徴から、中央高地とわかる。(あ)は北海道、(い)は日本海側の東北・北陸地方、(え)は沖縄、(お)は太平洋側・関東地方が当てはまる。
問4 (1)シジミの養殖で有名な島根県・宍道湖。
(2)ホタテの養殖で北海道・サロマ湖。
(3)ウナギと言えば静岡県・浜名湖。養殖は周囲の養殖施設で行われ、浜名湖で育てているわけではない。
問5 ブラックバスなどの獰猛な外来種が日本固有の在来種を捕食してしまうので、駆除が行われている。
【大問2】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
- ★必答問題
農業・商業などを話題に、歴史や社会の流れを訊かれている。
問1 (1)同じ作物を2回作るのは二期作。別の作物を作るのは二毛作。
(2)稲の場合は耕した後に田に水を張り苗を植えるという流れになる。
問2 正長の土一揆について述べた文である。加賀の一向一揆、山城の国一揆と合わせて覚えておこう。
問3 (2)商業の発達が見て取れる。農業生産が高まり商品が増えて、それを取引する業者や市が増えていった。また、取引に便利な貨幣の流通も広まった。
(3)1.鎌倉時代。室町時代になると定期市は6回になる。
2.安土桃山時代、織田信長や豊臣秀吉らによって出された、市の規制を緩める決まり。
3・5・6・7.室町時代。
4.戦国時代。
(4)資料Dから、金銭による売買というシステムには人々からの「信用」が必要であることがわかる。貨幣を発行しその流通を統制するのは「政権・政府」である。中世は幕府と朝廷の間で権力が分散したりなど、江戸幕府のように集中していなかったので、広く通用する貨幣は作られなかったのであろう。
【大問3】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:13分
人口をめぐる様々な問題について、統計などをもとに考える問題が出されている。
問1 (2)図表1では、ヨーロッパ諸国と比べて日本の労働時間が長いことがわかる。図表2には、それらの国と比べて日本の生産性が低いようすが示されている。
問2 (1)図表3は、いわゆる人口ピラミッドを傍線グラフにしたもので、少子高齢化の進むようすが示されている。問題なのは、生産年齢人口とされる働いて経済を支える層(B)が減少することである。
問3 (2)働く人にとっては時間や場所の自由度が増すことで、自分の生活スタイルに合った働き方ができることが大きいだろう。一方、会社にとっては社外でできることは社外でしてもらうことで施設利用の効率化やコンパクト化が図れたり、時差のある地域との仕事がやりやすくなったりなどの変化が考えられる。
(3)この問題とは主に出生率の低下・人口減のことを指していると思われる。女性が働きながら育児ができる仕組みが整えば、少子化にも歯止めがかかり、生産年齢人口の増加にもつながるだろう。
攻略のポイント
用語記入・記号選択は基礎的な問題が多いので、ここを取りこぼすようだと厳しい戦いになる。まずは基本事項の徹底を図る。
記述問題は統計や文書資料を読み取り、そこから考えられることを答えさせるというパターンが多いので、資料が示している先を推理できる思考力が身につくよう、訓練を積んでおきたい。
また、今回は記述問題が5問出題されているが、時間との兼ね合いも考え、自分の苦手な分野や特に難しいと感じる1~2問を諦めるというのも、現実的な選択かもしれない。
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