立教池袋中学校 入試対策
2018年度「立教池袋中学校の理科」
攻略のための学習方法
立教池袋の理科においては、身近な理科的な話題を取り上げた大問が多く見られる。いつもの勉強では、あまり触れることがない内容だ。
2016年の「大地震の周期」「石油」、2014年の「カレーライス」、2012年の「コケ」、2010年の「ヤマネ」や「LED電球」、2009年の「膨張宇宙」。このうち、「LED電球は塾でも教わったよ」という生徒がいるかもしれないが、それは立教などの学校で出題されたからテキストに取り入れられたのであって、来年にはまた新しい話題が出題されるかもしれない。
もともと小学生の理科の原点は、「身近なものへのなぜ?なに?」であったことを考えると立教池袋の理科の方に正当性があるのだが、中学受験の理科も整理され体系立てまとめられていくと無理・無駄が省かれ、入試に出されやすいものをわかりやすい形で受験生に提供することになる。
それはそれでよいことだし、ほとんどの学校ではその内容の中から出され合格点も取れる仕組みになっている。
立教池袋の場合そのあたり少し異質なところがあるので、過去問を対策する時期になったときには少し注意して問題にあたってみよう。
その点を除くと、大問の文章はていねいでわかりやすく、1つの大問に対して設問も少ないので集中が切れることなく、また苦手な単元が出ても痛手が少ない。どちらかというとやりやすい、解きやすい理科のテストと言えよう。
しかし受験は甘くないのは、だからこそ受験生の多くは取り組みやすく、比較的平均点が高くなっている。簡単でできた、と思うのは誰もが同じこと。問題は、合格点を上回る正答率が出せたかと言うことであり、主観に過ぎない感想ではない。
やりやすい問題であるけれど、70%前後の得点を要求されるとなるとやはり厳しいレベルであることは間違いない。
合格点を取るための秘訣は?
まずは教材などで学ぶ、受験理科の基本的知識は穴のない形で頭に入れてしまおう。男子にありがちだが、計算分野ばかり得意とせず、植物・動物などの暗記物に時間をかけてもらいたい。
聞かれている知識は基本的とはいってもやはり上位校なので細かいことがらまで出来るだけ頭につめ込んで欲しい。柔軟な頭のうちに暗記力を高めておくことは大切で、長い目で見ても役立つ能力となる。
難易度としてはそう高くないレベルの設問が多いものの、典型的質問にとらわれずいろいろな視点で聞かれるので、同校の過去問や併願校のそれを演習しながら、入試問題ならではの出題を楽しむつもりで取り組んでもらいたい。
分野の克服が終ったら次は時間配分に余裕が持てるよう、早く解けるように自らを改革しよう。普段行う教材も、制限時間を定めてそれ以内に解くという練習を積めば、解くのにかかる時間はだんだんと短くなるはずだ。自分のペースでやるのは模試でよい。普段は自覚的にスピードを上げて解き、しかも正解できるように体と頭を改造していくこと。スピードが上がればいわゆるマイペースでも十分に間に合うようになる。
30分という短い間にいろいろな問題に会えるのが立教池袋の理科である。過去問を解いているうちは、その設問のユニークさを感じながら、面白いなと思って問題にあたって欲しい。そのゆとりある気持ちの向こうに合格が待っているはずだ。
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2018年度「立教池袋中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
30分で大問は6、小問は25で、1問2点の50点満点。
テストの特色も本年度は変化が見られ、大問が8から6に減ったものの1つの大問に対する設問数が増えどの分野からもまんべんなく出されると言うよりは1つのテーマにそってじっくり考えさせる傾向が強くなった。
また、近年薄れつつあった出題内容のユニークさも復活しており、受験生にとってはやりがいのあるテストに戻ったと言える。
時間に余裕はなく、てきぱきと設問をこなしていかなくてはならない。
【大問1】植物(ポップコーン)
- 難度:標準
- 時間配分:3分
トウモロコシの問題なら耳にたこだがそれを加熱して出来るポップコーンの問題となると話は別で【大問1】から全問正解とは行かない流れになっている。
(1)(2)はつながった設問でトウモロコシがポップコーンになると体積が増えるので誤答もありえる。
(3)もまた自信のもてない選択をすることになろう。
(4)はその発想の突飛さにやはり平常心ではいられない。
このテストは一筋縄ではいかない、と思わせるに十分な冒頭問題になっている。
【大問2】水の体積と重さ
- 難度:標準
- 時間配分:5分
「同体積で比べると、氷は水よりも軽い」という前提を知らない受験生はいないと思われるもののやはり平易な設問ばかりではなく手を焼く。
(3)の並べ替えの問題は大変勉強になる。また(4)はほとんど目にしたことがない計算問題なので正解できたかどうか。1cm3あたりの重さの変化を出すことと、質問にある「温度差」に引っかからないことだ。
【大問3】水星の軌道について
- 難度:標準
- 時間配分:4分
これも珍しい水星の軌道についての問題だが、普段やり慣れている月の軌道と同じように図をとらえて設問に答えていきたい。
それでも(2)からやっかいになる。水星の公転が87日と書いてあるので①から③まで約44日かかる。自転は58日だからその間に約4分の3周まわる、このことから正解を見つける。
これが(3)にもつながり答えにたどり着くことが出来る。わずか3つの設問ながらこれも楽には通れぬ問題であった。
【大問4】食塩の取り出し方
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
食塩水の温度を下げてから濾過して食塩をとりだす、という本年度ではもっとも標準的な問題になっている。落とすことは出来ない。
(1)(ア)(イ)は比例の関係から求められる。
問題は(ウ)で、「溶けている重さ」と「溶け残った重さ」を加えれば良い。これが解ければ全問正解も十分に果たせるだろう。
【大問5】水溶液と気体の性質
- 難度:易
- 時間配分:3分
- ★必答問題
この問題も比較的入試問題の王道を行く問題なのでしっかり正解しておきたい。
(1)で、C・Dは反応しないのであとはA・Bの比較となる。
(2)は発生した気体が水素とわかれば問題ない。
(3)(4)も基礎的な問いなので安直に正解が出せる。
【大問4】【大問5】でなんとか一息つけるテスト構成になっている。最後の大問はどうか…
【大問6】ばね
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
昨年にひき続き「ばねはかり」の問題が出されたが本年度もユニークな出題で、三種類のばねを使った実験結果が表にまとめてあり1回目から10回目の結果を3種類に分けないといけない。しかもそのうち1つだけは数値を間違えて記録してあるという細かさだ。
結局すべての回の結果からおもり1個分(重さはまだわからない)ののびを出し、3つに分ける作業に時間を費やすことになる。その結果、ばねののびは、1.2、1.5、0.8のいずれかとなり、そのどれにも入らない7回目(2.0)が間違えて記録した回とわかる。
またそれと平行して(実験2)からA・Bののびがわかるので3種類のばねの判別も可能になる(この作業も容易ではない)。
ただ判別できなくても(2)は求められるのでここまでは正解しておこう。
(3)は(実験2)の結果を踏まえて求めることが出来る。ここまでわかっていれば(4)は容易である。
(5)もまたここまで正解を続けてきた生徒であれば答えを導き出すことは出来るが全般として難問であることは間違いない。
攻略のポイント
テスト時間は30分で50点満点。
受験者平均点は25.8点で、合格するには30点~35点は欲しいところ。
出題内容のユニークさがその個性を醸し出している理科にもかかわらず近年その傾向が弱まっており…と昨年度のテスト評には書いたものの本年度は特に前半の問題にかつての個性が復活しており平均点もそれを受けてか近年ではもっとも低くなっている。
理科が得意な生徒はまだしもあまり得意ではない生徒にとってはいい知らせではなく、以前と同じように立教池袋の理科に対する耐性をつけておかなくてはいけない。
そこでポイントとなるのは立教池袋中の過去問対策に時間をかけることで、特に古めの年度の問題を解くと徐々に慣れていけるものと思われる。
また、計算問題は必須なので物理の問題だけでなく折に触れて難しめの計算問題にもチャレンジする精神が必要だ。
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