渋谷教育学園幕張高校 入試対策
2018年度「渋谷教育学園幕張高校の英語」
攻略のための学習方法
全体的には標準的な問題であるが、特に習得して欲しい文法事項を何点か指摘しておきたい。
第一に、完了形である。
完了形には現在完了と過去完了についてしっかり学習しておいて欲しい。特に現在完了については、完了(結果)、継続、経験の用法があるのでそれぞれ例文を参照して特徴を理解しておいてほしい。また、経験の完了形の疑問文とその答え方、否定文の作り方につい十分な理解をしておくこと。
第二に、接続詞としてのasについての用法をよく覚えておいて欲しい。
意味としては①~なので(理由)、②~のとき(時)、③~だけれども(譲歩)、④~のように(様態)、⑤~につれて(時の経過)などが主要な意味である。Asについては、接続詞の他に前置詞の使い方がある。
ここで、接続詞と前置詞の違いを確認しておきたい。接続詞は文章が続くが、前置詞の場合は後に名詞が来るということである。意味を考えないと前置詞か接続詞化の見分けがつかないということではなく、文章か名詞かの区別を見ればよいのである。その上で、前置詞であればasは①~として、という意味であることをしっかり覚えておいて貰いたい。
第三に、関係代名詞である。
先行詞が人物であるか物であるかで使用する関係代名詞が異なること、そして主格(主語の位置で使う形)、目的格(目的語の位置で使う形)、所有格(所有の位置で使う形)で各々使用する関係代名詞が決まってくるということも理解していて欲しい。
さらに、目的格は省略されることもあるというルールを含めて、関係代名詞については最重要項目としてしっかり参考書や問題集を使用して確認を怠らないように。
受験生は英文が長くなれば長くなるほど、内容把握が難しくなる実感を持っているかもしれない。では、英文は何故『長く』なるのか。その主要な原因が『関係代名詞』である。先行詞にどんどん関係代名詞をつなげていくことによって英文は長くなる。したがって、長い英文を正確に読むことができるかどうかは、関係代名詞をいかにマスターすることができるかどうかにかかっているということになる。
第四に、強調構文である。
基本的な形は『It is ~ that …』である。『~』の部分を強調するための構文である。何を強調できるかというと、動詞以外は何でも強調できる。
主語、目的語はもちろんのこと、前置詞句も強調できる。
主語を強調する場合は、『It is you that did such a thing.(あなたがまさにそんなことをやったのだ)』となる。
また、前置詞句(場所など)を強調する場合は、『It is at the station that you did such a thing.(まさに駅であなたはそんなことをやったのだ)』となる。
さらに、強調するものが時間ならば『when』、人物ならば『who』、場所ならば『where』、理由ならば『why』とそれぞれthatと置き換えて使用することができる。こうすることにより、強調するものがより鮮明に確実に読み手に理解して貰うことでできるのである。
受験英語にとって上記事項だけが全てではないが、この事項を参考にしながら、基本的文法事項をしっかり習得して欲しい。
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2018年度「渋谷教育学園幕張高校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、誤箇所訂正問題である<5分>。基本的文法知識で対応可能な問題。
大問2は、長文読解と整序の融合問題<7分>。基本的文法知識をもとに文脈の流れに沿って英文内容を理解する。
大問3は、長文読解と条件英作の融合問題である<4分>。文脈の中で整合性の取れた英文を考える。
大問4は、長文(説明文)読解である<16分>。内容、ボリュームともに難解というレベルではない。
大問5は、エッセーの長文読解である<18分>。単に英文読解力があるというのではなく、真に筆者が言いたいことが何かを考えること。
【大問1】誤文訂正問題
- 時間配分:5分
内容的には、基本的な文法事項に関する問題。
1.日付に付く前置詞はinでいいかを考える。
2.この文は、Two months ago という過去の事実を述べているだけなので、現在完了は不適切である。単に過去形にすればよい。
3.did notではなく、were not である。
4.「話しかけられた」という表現は、be spoken to である。
5.one of ~は単数扱いなので、wereではなくwasである。
6.teachは、人+物となるかまたは、物+to人となる。
【大問2】長文読解と整序問題の融合問題
- 時間配分:7分
設問は全部で5題。各設問は1題につき1分で解答し、見直しで2分程度としたい。
1.現在完了形(継続用法)を考えること。
2.It is ~ for … to -、という形式主語に関する構文の知識が必要である。
3.内容的には、「今では、筆者もケーキを作っている」ということである。
4.語群の中から、look like ~ 「~に似ている」という表現を手掛かりに英文を考える。
5.英作する英文の構成を、go to ~「~に行く」として考える。
【大問3】長文読解と英作文の融合問題
- 時間配分:4分
単純に与えられた日本語から英作文を考えるという典型的な英作文問題ではない。本文の内容をしっかり把握したうえで、文脈に沿った英文を作成する。
【大問4】説明文の長文読解
- 時間配分:16分
物事を後回しにしてしまう傾向についてのエッセーである。英単語・イディオム・構文とそれほど難解なものはないので、速読し内容を把握したうえで各設問に的確にこたえること。
問1は、語句解釈問題である<2分>。求められている単語の意味は、「成し遂げる、達成する」というものである。
問2は、適所補充問題である<4分>。挿入文の意味は、「あなたは計画を立て優先順位をつけることに気が付いていないかもしれない」となる。
問3は、内容一致問題である<5分>。
1は人々が先延ばす理由を考えること。
3は上手なやり方で先延ばしをやるとき、あなたが考えることは?
問4は、内容正誤問題である<5分>。
2.「締め切りに間に合わせるために先延ばしをする人もいる」、これは正しい。そのほか2つを選択する。本文を理解して正しい選択をする。
【大問5】エッセーの長文読解
- 時間配分:18分
問1は適語補充問題<2分>。本文の流れをしっかり把握すれば、病室内での出来事とわかる。
問2は指示語内容把握問題<2分>。母親から何を告げられた日であるかを考えること。
問3は適文選択問題<1分>。母から医者にみてもらったと話された筆者が何を考えたのか。
問4は適文選択問題<3分>。
1は、母親の妊娠を告げられた筆者が何を考えたのか。
2は、筆者は喜びが体の外にあふれ出たと述べている。
4は、母が無事赤ちゃんを産んだということが書かれている。
問5は適語選択問題<2分>。Aは「赤ちゃんの世話で忙しくなる母親から筆者が受け取れなくなる感情」のことだから「愛情=love」ということになる。これが理解できれば、選択肢は2つに絞り込めるだろう。
問6は適語句選択問題<2分>。( )の前のquestionは動詞で「~を尋ねる」という意味である。
問7は適語句選択問題<1分>。本文をしっかり読み、状況の変化を的確に読み取ること。
問8は適語句選択問題<1分>。筆者の怒り(赤ちゃんが自分から様々なものを奪うだろうという怒り)を覚えたあと、この怒りは消え、むしろ多くのことをもたらしてくれたのである。
問9は内容正誤問題<4分>。本文を正確に読み取ることが重要である。また、細かな部分までしっかり把握することである。例えば、アは「筆者は病室にいたことを知って驚いた」とあるが、驚いたという記載はないのである。
攻略ポイント
全体的にみると、すべての分野から出題されている。
合格点を取るための知識としては、基本的な文法事項、イディオム、長文読解力(速読力と精読力)が求められ、かつ聴く力が必要である。受験生の中には、相当量の文法知識を蓄積している場合もあるだろう。
しかし、大事なことは、知識として蓄積している様々な知識を適切にかつ迅速に設問に当てはめられるかである。言い換えれば、一つの問題にその正解へとつながるヒントが詰まっている「記憶の中の知識の引出し」を自力で正確に開けられるかどうかである。
そのためにも、いろいろなレベルの問題に慣れておくことが必要であるし、長文読解も数多くの英文を読む習慣が不可欠である。