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サレジオ学院中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「サレジオ学院中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題の構成

大問1と2に漢字の読み書き、大問3と4に説明的文章と文学的文章の読解がそれぞれ割り当てられている。ことばの知識はほぼ出題が無く、接続詞が出るくらいである。総解答数は30~35問程度。
素材文は計10000字ほどになり、読むスピードが必要である。設問は選択肢と記述問題が主で、書き抜き問題はあまり見られない。選択肢は5択だが、内容の違いがはっきりしているので微妙な差異に悩むような選択肢にはなっていない。

説明的文章の読解

自然科学・社会科学分野の論説文がよく用いられている。字数は3500字ほど。文章は平易だが、分野によってはやや専門的な内容になり難しい場合もある。
要点・要旨に関わる部分が解答となることが多いので、論説文の読解の技術を高めておこう。

・段落の整理                                            
形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。

・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。

・要旨                                               
要点をまとめれば全体の要約ができる。その中で筆者の最も言いたいことが要旨である。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。

文学的文章の読解

小説が多く使われている。字数は6500~7500字程度。
受験生と年齢の近い人物を主人公にした話が多く、その舞台や状況も馴染みのあるものなので、理解しやすいだろう。問われるのはやはり、人物の心情が中心になる。小説の読解の基本をしっかり身に付けておこう。

・人物の整理
人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。

・場面の変化
時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。

・心情の把握
人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。

・主題の理解
作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。

記述問題

文中の適切な部分をまとめたり、手がかりをもとに考えて答えられる問題が多い。「自分の意見を述べなさい」といった論述タイプの問題にはなっていない。字数は30~60字程度でまとめるようになっている。
論説文・小説ともに読解がしっかりできていれば答えられる問題になっているので、まずは読解力を着実につけ、同じくらいの字数の記述問題をこなしてうまくまとめる感覚をつかんでおこう。

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2018年度「サレジオ学院中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

総解答数は30~35問ほど。本文が長く、選択肢も5択なので読む分量は多くなる。本文を素早く読み終えて、問題を解く時間をなるべく多く確保したい。
記述問題は自分で意見を考えて書く論説タイプではないので、本文を読み取れていれば規定の字数を埋められるだろう。

【大問1・2】漢字の読み書き

  • 難度:標準
  • 時間配分:4分

【大問1】漢字の書きとり

1.終始――はじめから終わりまで・すべて。「始終」には「すべて」と「いつでも」の意味がある。

2.散財――不必要なこと・いろいろなことにお金を使うこと。

3.破竹の勢い――竹の最初の一節を割るとあとは勢いよく割れることから。

【大問2】漢字の読み

2.すじょう――生まれ育ち。「そせい」とも読めて、その場合は「本来の性質」という意味で使う。

3.一目置く――囲碁の用語から。最初に自分が一目先に置いて、相手の方が実力が上であることを認めて敬意をはらう。

<時間配分目安:大問1・大問2 合わせて4分>

【大問3】論説文の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:21分

「経済/交換」と「非経済/贈与」との違いで、人と人と関係の距離や質が作り出されていると述べている。

問一 直後で相手にすぐにお返しをした場合は「交換」で、一か月後に返した場合は「贈答」であると説明されている。「交換と贈与を分けているものは時間だけではない」も手掛かりになる。

問三 「ほんの表面的な『印』の違い」とは、「きれいな包装・リボン・メッセージカード」のことである。それによって、ただの商品ではなく心のこもった贈り物だと認識されるのである。

問四 「思い」や「感情」があるかどうかが分かれ目である。ウは単なる貸し借りなので、経済行為になる。

問五 直前に「光と闇」のような性質の反する2つのものが書かれているはずである。光=思いや感情が込められた「贈り物」、闇=ただの「交換」というたとえである。それは「思いや感情を付加したり除去したり」することで区別されると書いてあるので、【1】に入れるとつながる。

問六 「交換」に「感情や思い」という「差」を付加したり除去したりすることで、大事な関係なのか店に来たただの客なのかが区別されているのである。

問七 お金を払ってしまったらそれはただの「交換=経済行為」になってしまい、相手がチョコレートに込めた「好きだという感情・思い」をないがしろにしてしまうことになる。

【大問4】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:25分
  • ★必答問題

施設の中で自分だけが孤独であると思い込んでしまった主人公に、佐緒里たちは施設の仲間は家族と同じなんだと示して元気づける。

問一 佐緒里と蛍祭りに行くことがとても楽しみだっただけに、約束を破られた辛さが際立ち、関連するものを目にするだけでも辛い状況である。

問二 「弟、いるんだ」という言葉から、佐緒里に弟がいることを教えてもらえなかったことにショックを受けていることがわかる。選択肢アの「弟の代わりとして利用し」たかは判断できないから×。

問三 直前で、朝食の時も昼食の時もほとんど会話が無い様子が描かれている。その理由は後半に書かれているが、この時点では主人公は孤独を感じていたはずである。

問四 理由も行先もわからず麻利に急がされて走っているので、戸惑っている。

問五 蛍祭りの夜に自分だけ家族がいないことを気にしていた主人公の様子に、佐緒里は気づいていた。佐緒里自身も約束をやぶってしまった、また自分の勝手な理由で主人公を可愛がっていた、そのことを悪く思っている。そこで、主人公が一人ではないと伝えるために、ままごとのような舞台を作り、施設のみんなは家族のような存在なんだと示して「願いとばし」をやり直そうとしているのである。

問六 直前の佐緒里自身の言葉でわかる。主人公をかわいがっていたのは「自分の寂しさを紛らわす」ため、という身勝手な理由だったことが述べられている。

攻略のポイント

本文を速く読み終えれば考える時間に余裕ができ、記述問題にも落ち着いて取り組める。1分700字くらいを目標に文を読めるようになっておきたい。
ここ数年はことばの知識はほぼ出題が無いが、語彙の多さは長文読解の基礎を支える部分でもあるので、問題に出ないからとおろそかにしてはいけない。漢字も配点が大きいので、おざなりの練習で済まさないでがっちり取り組んでほしい。
記述問題は、要旨・要約をまとめてみたり、人物の気持ちや物語のテーマを書き出してみたりといった練習が役にたつだろう。

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