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立教池袋中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「立教池袋中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

大問5つで問題数は33問。長文読解・詩(短歌・俳句)・漢字という組合せがここ数年のだいたいの定形となっている。

読解問題

物語文・論説(説明)文・随筆文、あるいはこのうちの2種類で3問ほど出題されるのが通例である。
物語文4000~5000字・その他2000~2500字と、全体の文字数は8000~10000字にもなる。読解のスピードをつける練習が必要である。

形式は選択問題と書き抜き問題が主で、自分で考えて書く問題も数問含まれる。
書き抜き問題は注意が必要である。通常、書き抜きの答えを探す範囲を指定する(~行目より後から・・・など)試験も多いのだが、本校ではそうした指示は無い。漫然と探すと本文全体を読み返すはめになる。特に物語文は文量が多めなので、探すのに手間取ると大きく時間を失う。設問と傍線部を最初に確認しておき、読み進めながら使えそうな箇所をチェックしておくという進め方で過去問に慣れておきたい。

自分の言葉で書く問題は、テーマとも関係する部分が多いので、素材文全体をよく考えて傍線部周辺だけにとらわれないように気をつける。

また、第二回試験では、長文の記述問題が出題される場合がある。第二回での受験を考えている人は、長文記述の練習にも取り組んでおくことが肝要である。

漢字・言語事項

大問1つに漢字が割り当てられるのが通例である。合わせて慣用句などの言語事項が出される年度もある。
それほどの難問は見られない。一般的な漢字練習帳やことわざ・慣用句問題集を丁寧に覚えてあれば足りるだろう。問題数は少ないが、あまり差がつかない分野なので確実に得点したい。

詩・短歌・俳句

韻文については生徒の作による詩や俳句を用いた問題が多く見られる。年齢が近い分、内容が理解しやすいものが多い。普段の学習でも、中高生くらいの作者による詩・短歌などに多く触れておくとよい対策になるだろう。

《まとめ》

男子校の国語の問題としてはやりごたえのある試験である。文字数も多く、言葉で記述する問題も多い。50分で終えるには、速さが必要である。
ただ、合格者平均点はさほど高くなさそうでもある(60~65点?)ので、書き抜き問題で答えを探すのに時間がかかりそうなものは諦めるのも一つの方法である。

文字数が多いので読むスピードをつける。
書き抜き問題で時間をロスしないように試験の解き進め方を工夫する。
詩・短歌・俳句などの問題を多くこなし、韻文に対する感覚を磨く。

例年、試験問題の形がほぼ一定なので、できるだけ多くの過去問をこなして慣れておくことが特に有効な試験である。

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2018年度「立教池袋中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

例年の傾向通り、解答数は33問。大問5つは論説的随筆文・物語文・随筆文と詩と漢字という構成になっている。今年度の素材文は合わせて7800字ほどになっている。
抜き出し問題と文中の内容を自分でまとめるような問題が多く探すのに手間取ると時間が足りなくなるので、まず傍線と設問を確認して読みながら抜き出せる部分の目星をつけるなど、手際よく解き進む必要がある。

【大問一】論説的随筆文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:14分
  • ★必答問題

教科書には評価が定まっていない研究成果も含まれているので、すべてが真実とは限らないと評している。

(一) 小学校の教科書には数百年も前から確認されている基本的事実ばかりが記されている、とある。「ピタゴ
   ラスの定理」が例として挙げられている。

(二) 大学における例として、「まだ評価が定まっていない」研究成果は、先生によって見方が異なる場合があ
   ると述べている。

(三) まったくの嘘や間違い、まではいかない。場合によっては100%を教えない方がよい、くらいの意味であ
   る。

(四) その先生はその研究分野については自分の確固たる見解があるのだろう。文中では「自分自身の意見なり
   仮説」と表現している。

(六) 「ダーウィンやニュートン」と比べているので、それらが載っていると書かれていた「中学校の教科書」
   だとわかる。

(七) 長い時間をかけて評価が定まったもの、子供にも教えるべき重要なもの、の2点が条件となることが最後
   の段落に書かれている。

【大問二】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:15分
  • ★必答問題

実家の店で働く友人の姿に、主人公は友人の気持ちの変化を感じる。

(一) キュウリを箱で納めていることから、青果店・八百屋とわかる。

(二) 「むすびや」という屋号や漬物を付け合わせにしていることから、おにぎりを売る店だと考えられる。削
   り節を作っているのは、おにぎりの具にするのだろう。3文字だと「おかか」という言い方がある。

(三) 「削るのは、今日で三度目だから」でも働いて日が浅いことはわかるが、やや説明不足か。前半に、主人
   公の感想として結の働く姿が板についていない様子を述べている部分があるので、そこを使う。

(五) 「わざわざ漬物を自分で漬けるのは祖父からの(結の父ちゃんへの)頑固さの遺伝だ」と主人公が話してい
   る。また、その頑固さのもう一つの面が削り節も自分で作ることで、その道具の「鰹節削り器」も代々使
   われているものと考えられる。

(六) 以前に見た「就職活動に失敗したとき」と違う意味の「頬を赤らめて」である。まだあまり上手くはない
   が、店を手伝っているという自信が感じられる箇所がある。

(七) 主人公=この物語の話者であること、がわかる部分。前半に「こちらに気づいた結が」という表現があ
   り、「こちら」が主人公である俊次の「側」であることで、話者は俊次であるとわかる。

【大問三】詩の鑑賞

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

子供からの便りに感じる親の心が表現されている。

(一) 「元旦」のキーワードで、時期は正月であることがわかる。正月に子供から届いた「元気でいる」ことを
   知らせる「モノ」は何か。「まあ いいか」は男言葉に思われるので、「何度も見ていた」のはお父さん
   であろう。

(二) 「~みたい」と言っているので、子供と顔を合わせてはいない。便りだけでなく、正月くらいは帰省して
   ほしいという親心である。

(三) 「お父さんのこと 思い出す」という表現からは、もう亡くなっている「お父さん」を「お母さん」が思
   い出しているのだと想像される。お父さんの気持ちを表した詩だが、そこに母親も同じ気持ちでいること
   をにじませている。

【大問四】漢字の書き取り

  • 難度:標準
  • 時間配分:2分

(一) 訓読みで「山積み」もある。

(二) 圧巻――様々なものの一番優れた部分。ただ単に「すごい」という意味で使うのは、本来の意味からは少
   し外れる。

【大問五】随筆文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:13分

日本の家づくりに縁側などの「すき」がなくなったことを憂いている。

(二) 屋根裏・縁の下など、野良猫が「誰にも邪魔されずに、子育てに専念できる場所」が、昔はたくさんあっ
   たのだが、今はなくなってしまったと書かれている。

(三) 「縁側の性質」を述べた部分を探す。猫や犬、植木屋さんや近所の子供たちに開かれていた場所であるこ
   とをどう表現しているか。

(四) 映画の中の人物ではあるが、文中に書いてあるので「寅さん」も人数に数えてよい。

(五) 「大人」と入れてしまいたくなるが、意味段落の1つを野良猫の話で占めていることもあり、「人間(子
   供)にも動物にも」愛される、ととらえる。

(六) 意味段落1――野良猫の居場所がどんどん無くなっていく現状。
     意味段落2――日本の家から「縁側」などの「すき」がなくなったこと。
     意味段落3――「縁側」が日本人の生活や心に及ぼしていた影響や意味。
     内容の変わり目を意識しながら本文を読んでみよう。

攻略のポイント

書き抜き問題では探す範囲が指定してある試験が多いものだが、本校はそれが無い問題が多い。うっかりすると全文を何度も読み返すはめになる。
本文を読む前にまず設問にざっと目を通し、書き抜き問題で使えそうな箇所をチェックしながら読み進むのが良いだろう。詩や短歌・俳句が好んで出される傾向にあるので、類似問題を多くこなして、慣れておきたい。
また、第二回の試験では長く記述する問題が出されることが多いので、第二回での受験を考えている人は対策を怠らないようにしたい。

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