昭和学院秀英中学校 入試対策
2019年度「昭和学院秀英中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
大問6~7つが地理・歴史・政治経済におおむね2~3問ずつ振り分けられるパタ-ンが多いが、問題数や配点では歴史の比重が多くなっており、歴史重視の傾向がある。
解答数は40問前後。設問は最新年度では記号選択18問・適語記入11問・記述2問・その他といった割合になっている。近年、記述問題も出されるようになった。
地理分野
地形や気候・産業や貿易など、幅広い分野からいろいろな問題が出される。地形図の読み取りやある地域にポイントを絞って詳しく訊くような問題もある。地理分野のあらゆる形の出題があると思って良い。
なかでも、資料が多く用いられる点は特徴的である。地図・グラフ・統計資料が多用され、模式図・歴史史料・写真なども使われる。過去にも産業の都道県別ランキング・都道府県別昼夜人口比率・雨温図など、様々な資料が提示されている。
特に、あまり見慣れない資料が使われる点に注意が必要である。2017年度でもカロリーベースの食料自給率・人口増減率・地域の月別日照時間・海抜高度別の面積割合など、他校ではあまり見られないデータ・統計が用いられている。統計の上位1~3位まで覚えていれば答えられるような単純な問題ではない。いわゆる難問・奇問の類ではないのだが、なぜそのような数値になるのか、背景や理由をその場で考えなければならないので、思考力が求められる。
まずは基本レベルの問題を落とさないよう、地名・地形・気候・産業などの基礎知識を固める。基礎知識は難しい問題の手がかりを探す土台ともなる。その上で多くの統計資料・グラフの読み取りを練習し、なぜそのようなデータになるのか、そのデータから予想される結果は何かなど常に考える習慣をもち、基本事項と関連させて知識に厚みを持たせよう。
知らない統計などが出された時にヒントを得られる情報を、少しでも多く頭に入れておきたい。
歴史分野
地理分野の難易度が高い傾向にある本校であるが、年度により多少のばらつきはあるようで、歴史分野に難問が見られる年度もある。
各時代の法令などの一つのテーマに沿った出題や、ある範囲の時代の地名・人物名・貿易・時代順の並べ替えなどを広く尋ねる問題など、歴史に関するあらゆる種類・内容の問題が出されている。
だいたい基本レベルの問題が多いので、テキストを丁寧に学習することが第一である。年代を問う問題も多いので、時代や年号を正確に覚え、年表などで流れもすぐ思い出せるようにしておこう。
政治経済分野
他の2分野と比べて問題数は少なめである。憲法や政治の仕組みと合わせて時事問題も出題されている。テキストで基本事項を覚えたら、直近の1~2年の重大ニュースをチェック
して、ニュース・新聞で社会で起こる出来事にアンテナを張っておこう。
記述問題
ここ数年、出されるようになった。30~40字程度で出来事の理由・原因を答えるような問題が多い。用語を覚えるだけでなく、その物事の背景や理由・周辺事項も合わせて取り込むように学習しておこう。
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2019年度「昭和学院秀英中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は37問。1問に1分はかけられる計算だが、地理分野は資料を用いた問題が多くなっている。
歴史分野はテンポ良く答えられる問題が多いので、例年通り地理の問題が重そうだったら歴史・政治経済などから手を付けると良いかもしれない。
全く歯が立たないような問題で時間を取られては損である。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
日本についてのさまざまな質問に答える問題。
問1. 沖ノ鳥島があるおかげで約43万㎢の排他的経済水域が確保できる。
問2. いわしなどのように体が小さく群れをなして泳ぐ魚には巻き網と呼ばれる漁法が適している。アはカツオなどの一本釣り漁法、ウはイカなど光に集まる習性をもつ魚に用いられる漁法、エはマグロなどを釣るはえ縄という漁法である。
問3. 石狩平野は泥炭地で農業に適していなかったため、土を移植する客土という方法で土質の改良を行ったので、エは正しくない。
問4. (2)富山県神通川流域では鉱山から流れ出たカドミウムにより、骨がもろくなるイタイイタイ病という公害が発生した。
問5. 2011年の東日本大震災以降、大きく割合を減らしたイが原子力発電。
【大問2】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:5分
世界のようすや貿易について訊かれている。
問1. 発展途上国ほど人口増加が大きいという特徴から、アがアフリカ、次に大きいイがアジアと考えられる。成熟した先進国が多いヨーロッパがエとなる。
問2. 中国は近年経済が大きく発展し、日本にも観光客が多く訪れ日本製品を買い求める映像がニュースでもよく流れていた。旅行支出が大幅に伸びているウと考えられる。
【大問3】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:18分
- ★必答問題
千葉市に関係のある各時代の人物・出来事について訊かれている。
A 奈良~平安時代前期・B 平安時代後期・C 昭和時代・第二次世界大戦・D 縄文時代・E 江戸時代・F 古墳時代・G 鎌倉時代・H 昭和時代・第二次大戦前・I 明治時代・J 室町時代・K 令和時代。
問2. 租・庸・調のうち、稲の収穫の3%を納めるのは租。
問3. 1126年は平安時代後期。上皇による政治=院政が行われた。
問5. 資料文からも、工場を狙った空襲であったことが推測される。戦力を低下させるために兵器工場や発電所などが狙われる。
問7. ア.縄文時代は移動生活が多かったが、定住していた跡も発見されている。
ウ.青銅器などの金属器が用いられるようになったのは弥生時代。
エ.犬は食用にされたのではなかった。
問8. 徳川吉宗の享保の改革での施策・上米の制。
問10. 大阪・堺市にある大山古墳のことで、前方後円墳になっている。
問11. 賜った領地を命を懸けて守ることを「一所懸命」という。現在では「一生懸命」も
使われている。
問12. 南満州鉄道爆破事件=柳条湖事件。満州事変の口実となった。
問14. イは明治時代、オは昭和時代の出来事。
問15. 応仁・文明の乱は足利義政の跡継ぎ争いに端を発しているのでエが選べる。
問16. 設問は豊臣秀吉を指している。イの文永・弘安の役は元寇のこと。ウの延暦寺焼き討ちは織田信長のしたことで、オは江戸幕府の時代のことである。
問17. ア.シンガポールとインドではオリンピックは開催されていない。
イ.当時開通したのは東京――新大阪間である。
ウ.はじめての近代オリンピックには日本は参加していない。
【大問4】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:10分
最近の国会の動きを話題とした問題。
問1. 1月に召集され新年度の予算を主に決めるのが通常国会。衆議院議員総選挙の後に開かれ、新たな総理大臣を指名するのが特別国会。Bは9月に開かれているので臨時国会である。
問3. 地方交付税交付金は自治体ごとの税収の不均衡を補正するために、使途を決めずに交付される補助金。
問5. ア.小選挙区では候補者の氏名を書いて投票する。
イ.議員定数は10削減された。
エ.海外にいても郵送や大使館などで投票できる。
問6. ア.拒否権があるのは常任理事国だけである。
ウ.分担率の1位はアメリカである。
エ.世界遺産を保護する活動はユネスコが行っている。
問7. 憲法改正の発議については条件が厳しく設定されている。
問8. エは、リーマンショックの当年ではなく、翌年のことなので×。
攻略のポイント
今年度も地理分野で資料について考察する問題が見られた。
たとえ見慣れない資料でも、基本事項を土台に考えたり、最近の世の中の動きを考えたりすることで正解を導き出せる。統計やグラフの読み取りをしっかり練習して、思考力を養おう。そのためにも地理分野は特に念入りに学習して抜けが無いように。
記述対策として、物事の理由や背景までよく考える訓練も積んでおこう。
その他の分野も、難しい問題以外は確実に得点できるよう、テキストレベルの実力を着実につけておきたい。
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