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芝中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2014年度「芝中学校の理科」
攻略のための学習方法

 [問題の見極めと出題者の意図]
芝の理科の問題は、「必ず正解しなければいけない問題」と「そうではない問題」を見極める必要がある。
時間内で75点中55点を取れれば合格圏内にあるだろう。問題を解く時間は40分と限られている。
制限時間内で、より早くより正確に解いていくためには、自分の中で解答する分野の順番を決めておくのも一つの方法である。
また、自分が解ける問題と解けない問題を(弱点)を早い時期に見つけて克服しておかなければならない。
自分が弱点としている問題が「合格決定問題」である場合には致命的である。
しかし、難問ばかりに時間を取られ過ぎて誰でも解ける問題を軽く見てはいけない。
基本的な内容を聞いている問題は、いつも確実に得点できるように、毎日「一問一答問題」のような問題は解いておいた方がよい。答えは紙に書いて覚えること。そして、時には逆を解いてみることをお勧めする。つまり、答え(ほとんどが用語だが)に対する問題文や説明文を書いてみることで1つの問題を違った方向からアプローチすることができる。
結局、理科という問題は、様々な方面から1つの問題を見る力があるかどうかをみる教科であるともいえる。
出題者は、多角的に自然界の現象には共通したとある現象があることに気が付いているかをみたいのである。
暗記である程度の点数までは得点できる。しかし、出題者はその先の点数まで望んでいることが過去問から読み取れる。
芝の理科では、60点以上を取れたものが出題者の意図に沿った受験者であろう。
 
[段階別学習法]
 当たり前のことを当たり前に日々学習していくことが大切である。
最初に、(Ⅰ期)基本的事項をテキストで学び、(Ⅱ期)問題演習を行う。演習問題を解くときは、必ず「突合せ」をして欲しい。この問題を解くためには、テキストのどの部分が理解出来なければいけないかを自分で探し出して欲しい。時間がかかるかも知れないが、これを行わないと問題を上辺だけで解くことになり、ケアレスミスをしてしまう。
「突合せ」の際、是非利用して欲しいのが、「資料集」と言われるものである。内容は、中学生や高校生で使用するものだが、中学受験ではどうしてもテキストに載っていないものが出てくる。問題演習を行っていくときに生じる疑問を打ち消してくれるであろう。また、必要であれば(出てくる用語を調べることに深くはまることがなければ)中学校や高校の参考書を活用してもよいであろう。
その後、(Ⅲ期)過去問を10回は解いて欲しい。必ず、間違える問題が決まってくるはずである。
(Ⅳ期)間違えた問題はテキストや他の学校の類似した問題で繰り返し練習して欲しい。
芝の理科の対策は、繰り返すようであるが、当たり前のことを当たり前に行えるかである。準備は早ければ早いほど良い。
11月までに、Ⅲ期までできると余裕を持ってⅣ期に入れるだろう。
しかし、受験日まで、油断は禁物である。「身のまわりの科学」に関する問題は時事問題に変わる可能性がある。試験直前まで、「身のまわりの科学」についてのアンテナは高くしてほしい。
合格は1点勝負である。最後まで諦めずに、根気よく受験勉強を継続して言って欲しい。

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2014年度「芝中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

“得点できる問題”を絶対に落とさないこと。そのためには、自分であらかじめ解く順番を決めておく。
例えば、「電流と電圧の関係」→「力のつりあい」→「金属の性質とその反応」→「身のまわりの科学」→「地球と星座の動き」→「生物のからだのつくりとはたらき」と、物理分野から始まり化学分野→地学分野→生物分野などと決めておくと良い。ただし、解いていく途中で難問に出合ったら、臨機応変に対応すること。
【大問2】と【大問4】、【大問6】の後半にいかに時間を取れるかが合格のカギだろう。

【大問1】 身のまわりの科学

  • 時間配分:6分

「身のまわりの科学」からの幅広い出題であった。
(1)(あ)は、「水に加えるとアルカリ性」という問題にきちんと対応できたかを出題者はみていると思われる。(ア)二酸化硫黄は硫酸となり酸性、(イ)二酸化炭素は炭酸となり酸性、(ウ)二酸化窒素は硝酸となり酸性、(エ)アルコールは薄くなるだけで中性、(オ)せっけんはアルカリ性。(い)は、「水に溶けると電流を通す」。つまり、電解質であるものを選ぶという出題者の意図を読み取れると、答えは、「食塩」と選べるだろう。
(2)と(3)光の性質、特に光の屈折についての出題であった。「水面の盛り上がるっている部分は凸レンズ」、「水面のくぼんでいる部分は凹レンズ」という原理を理解しているかをこの機会に復習しておいて欲しい。
(4)淡水魚と海水後で判断できるであろう。
(5)落ち着いて選択肢を見ると、堆積岩と火成岩に分けられる。そして、(イ)砂岩だけ堆積岩。
(6)火成岩と鉱物、堆積岩の違いを理解できているかを出題者はみている。ちなみに、火成岩のうち深成岩は(白いもの→黒いもの:花崗岩、閃緑岩、斑レイ岩)、火山岩は(白いもの→黒いもの:流紋岩、安山岩、玄武岩)。鉱物は、石英、長石、黒雲母、角閃石、輝石、カンラン石。堆積岩は、れき岩、砂岩、泥岩、チャート、石灰岩、凝灰岩。これらは復習しておくこと。

【大問2】力のつりあい

  • 時間配分:6分

 「力のつりあい(重力と浮力の関係を含む)」についての出題であった。
(1)ばねA、Bとも自然長(おもりをつるさない状態でのばねの長さ)は8㎝。図2で棒(12g)とおもり(18g)の計30gの半分(15g)がばねA、Bにかかっている。図1から、比例計算でばねA、Bの長さの違いが求められるかである。
(2)図3では、ばねA、Bが同じだけ伸びたのであるから、(1)の結果をもとにばねにかかる重さの比を使い求めていく。理科は、(1)が(2)以降の問いのヒントになるのでくれぐれも最初の問いは間違えないように。
(3)力のつりあいについての問題。
(4)浮力に関する問題であった。(3)と(4)にいかに時間をかけられるか、がポイント。

【大問3】地球と星座の動き

  • 時間配分:6分

「地球と星座の動き」についての問題。
(1)~(2)よく出題される「オリオン座の問題」であるので、間違えた生徒はこの機会によく復習をしておくこと。
(3)「星の明るさ」に関する問題。
(4)星座の年周運動に関する問題。星が1周(360°)するために要する時間は24×60分。つまり、1°星が動くのには、4分ということが理解できたかの問題。
(5)星座の日周運動に関する問題。星座は、1日(24時間)に360°動いて見えるので、同時刻では1時間では15°西に移動しているように見えることが理解できたかをみている。
(6)星座の年周運動に関する問題。1年(365日)で1周(365°)東から西へ移動して見えることから、1日で約1度の動きといえる。つまり、東から真南ということは、90°の動きと言えるので、3か月後ということになる。
(7)星座の運動と言うのは「見かけの動き」であり、実際は地球が西から東へ自転しながら太陽の周りを公転していることを理解できているかをみている。

【大問4】電流と電圧の関係

  • 時間配分:6分

「電流と電圧の関係(電流と磁界の関係を含む)」についての問題。
(1)~(3)は、グラフから電池を直列に並べたときの電流の大きさを読み取る問題。落ち着いて問題を解いて欲しい。
(4)は、電流の流れる向きと磁界の生じる向きの関係「右ねじの法則」を理解できているかの問題であった。

【大問5】生物のからだのつくりとはたらき

  • 時間配分:6分

「生物のからだのつくりとはたらき」についての問題。
(1)フナのひれに関する作図問題であった。フナや昆虫に関する問題は良く出題されるので、テキストを使って復習をしていくこと。
(2)~(4)フナのからだのつくりを理解出来ているかを問う問題であった。
(5)心臓の心房と心室に関する問題であった。魚類は、「1心房1心室」。ヒトは、「2心房2心室」。他の生物に関しても、「心房と心室の数」は確認をしておくこと。(6)ヒトのからだとフナのからだとを比べる問題であった。

【大問6】金属の性質とその反応等

  • 時間配分:6分

「金属の性質とその反応等」に関する問題であった。
(1)マグネシウムの性質に関する問題。テキストで金属の性質は確認しておくこと。銅とマグネシウム。鉄。亜鉛、アルミニウムは要注意。
(2)酸化に関する問題。紙のような有機物は一部が酸素と結びついて二酸化炭素となって逃げていくので、燃やす前より軽くなる。金属は、結びついた酸素の分だけ燃やす前より重くなる。
(3)マグネシウムやアルミニウムはうすい塩酸と反応して水素が発生することが理解できているかを問う問題であっった。
(4)グラフから、アルミニウムの質量を計算する問題。図やグラフかを読み取る力は、同様の問題を繰り返しやることで付けて欲しい。
(5)塩酸の濃さを2倍にすると溶けるマグネシウムは2倍、0.36gまで溶けるが0.30gまでなので、グラフを書く際に注意。発生する水素も比例計算から、整数で答えるように。
(6)溶け残ったマグネシウムを求めグラフにする問題。(5)と同様、よく出題される問題であるので、テキストを使い慣れておくと得点しやすい。

攻略のポイント

合格ラインに乗るには、複雑な計算問題やグラフ作成問題に早い時期から慣れておく必要がある。「習うより慣れろ」で、テキストや同様の内容が出題されている学校の過去問を解くことで苦手意識を克服して欲しい。「じっくり考えて解く時期」の次には、「より早く、より正確に多くの問題を解く時期」をつくること。ただし、難しい問題ばかりを解くのに時間を取られ、誰でも解ける問題をおろそかにしないこと。

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