中学受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
中学受験専門プロ家庭教師が語る

栄東中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2019年度「栄東中学校の算数」
攻略のための学習方法

1月校の中ではトップクラスの人気を誇る「栄東中学」。

高校での東大合格者数では躍進を続けており、もはや全国トップレベルの進学校であり、中学受験での人気が落ちることはあるまい。
そして何回か設定されている受験機会の中で最難関とされているのが「東大選抜」である。
先んじて行われる「A選抜」に比べると受験者数では劣るものの、東大選抜が試験として設定されたときからその難易度の高さは注目されてきた。
「A選抜」との差別化を図るべく、基本的な問題が主である「A選抜」に対し、難問を惜しみなく出してくるのが「東大選抜」である。

この明確な相違は受験者側からも好意的に受け止められ、両日ともに圧倒的な支持を得て多くの受験者を獲得したのである。
さて、その「東大選抜」の問題ではあるが、ここ数年間-平成26年度から平成29年度までは質・量ともに最上級の難易度で、大問には難問~超難問がずらりと並ぶテストとなっていたが、昨年度・本年度のテストはA日程を思わせるような問題の水準で合格ライン40%台から60~70%と大幅に変わった。
今後もこの傾向を学校側が押し進めていくとするならば,栄東東大選抜への対策も大きく変化することは否めない。

したがって、この2年間の問題傾向から見て基本重視のスタイルが続くると考えられるので栄東東大選抜のために特に傾向と対策を特別に考える必要はなく、通常の勉強の精度を上げていけば良い、ということに落ち着く。
本命校が別にある生徒は本命校の対策をメインに置きながら、普段「標準~やや難」レベルの問題を多く解いていれば必ずや対応できるだろう。後半に解き方を書かされる問題があっても負担になると言うほどのことはない。

以下のものは一昨年度以降の水準に戻ることを想定してのものであるが、「大問2」以降の問題にはそのまま当てはまるので東大選抜対策として読んでもらいたい。

さて、それではどのように対応していけばよいか…基本的な問題を解ける力をいかにして応用問題に耐えうる学力に上げていくか。
真面目に勉強をやってさえいれば、ここだけが大きな課題として残るのである。
そして、栄東「東大選抜」の算数で得点するには、このハードルをクリアできないといけない。普通の一行問題がいくら出来ても東大選抜の問題は解けないからである。

「平易な問題で高得点を競い合うテスト」と「難易度が高く、低得点ながら合格可能になるテスト」では、後者の方がはるかに対応は難しい、というのはそういうことで、真摯な態度で受験勉強に臨めば、成績も向上するだろうし、当初あった雑さも消えて正答率も高まっていく。
しかし、難度の高い問題を解くための階段だけはなかなか登れないのである。
どうすればよいか?
100%フォローするのはないものねだりになってしまう。
6年生の秋頃までは、難問に挑戦するという心を持って受験勉強に臨むこと。
少々難しくても挫けずに時間をかけて最後まで解く、という経験を積むこと。
反面、基礎固めに時間をさいている時間がなくなるのでそのあたりはバランスよく勉強をすることが大切だ。

過去問に触れ始めてからは、どの設問まで自分は追究できるかというボーダーラインを冷静に判断すること。

大問の設問(3)まで平気で入り込める猛者は置いといて、合格だけを考えた場合は(2)までで十分である。
その(2)までいけるかどうか…ここが勝負の分かれ目だ。
また、解きやすい大問を見つける「眼」も必要になる。
そこまでの決意と覚悟がどうしても必要だと思う。
よく出されている分野を優先して時間をかけよう。
条件の細かい問題や高度なテクニックが必要な問題でもどんどん進めていこう。

東大選抜のテストは「力の確実な確認」ではなく「自分はどこまでできるのか」という攻撃的な姿勢で臨みたい。
そして納得できる形で1月を迎えられるよう受験生として態勢を整えてもらいたい。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

2019年度「栄東中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

この2年間、テスト形式は同じスタイルを取っているが、難易度は安定していない。ただし、一昨年度またはそれ以前の問題より明らかに問題自体のレベルは下がっており、難しい設問が散見するものの、合格点を取ることを第一と考えると時間不足になることはあるまい。
50分で大問が4、小問が17。

【大問1】は答えのみ解答すればよく設問の数が7(昨年度は6)、【大問2】【大問4】は設問の数がそれぞれ3ないし4問で、(3)は考え方をしめす欄を設けてある。
配点はまちまちで、形式的には例年とそう大きく変化していないが、大問の中にも基本に近い問いも含まれているので受験生にとっては以前のような解きにくいという印象はうすいと思われる。ただし、大問でも後半の設問はかなりの難問になっている。

150点満点として60%の得点が得られれば算数に関してはほぼ合格点をあげられる(昨年度は70%が合格点)。
栄東東大選抜を1月校に選ぶ生徒であれば、大半を占める標準的な問いはすんなり突破し,後半の問題に時間を割いたとして60%はちょうど感じの「壁」と思われる。

【大問1】小問集(倍数算・平面図形・速さと比・場合の数・食塩水・規則性)

  • 難度:標準
  • 時間配分:20分
  • ★必答問題

本年度の大問1は、受験生の大半の生徒が正解したと思われる(1)(3)と、やや差がついた可能性がある(4)(6)に分かれており、問題の難易度もそれにそっている。
昨年度は大問1が本当に平易であり、過去問で鍛えてきた受験生たちは面食らったと思うのが本年度はちょうど良い難易度に落ち着いている感がある。合格を考えると全問正解または間違えても1問だけにとどめたい。

(1)は超基本的な「差が変わらない倍数算」。

(2)も本当によく見かける問題でポイントはおうぎ形からひき算する三角形の面積となるのだろうがここでひっかかっているようでは合格はおぼつかない。

(3)も時間と速さの関係を使う比の問題で設問自体にも工夫はない。
ここまでで5分。それ以上は時間のかかりすぎだ。

(4)は少し骨のある場合の数の問題で、「0」を1個使う場合と2個使う場合、一つも使わない場合に分けてそれぞれ求めてから加えると良い。

(5)の食塩水は還元算の要素も取り入れてあり、解いていて面白い問題になっている。最後の食塩の重さをそれぞれ12とすると、食塩水の重さが分数になったりせずに計算できる。

(6)の問題を読んで「フィボナッチ数列」をすぐに思いついた生徒は素晴らしい。直線の本数と増える部分の数を表で表すことで規則性が見つけられるだろう。何本も何本も図形に線を引いているあなた、そろそろやり方を変えなくてはいけない時期かと…

【大問2】植木算

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

この大問自体の難易度は高いものの((1)をのぞく)、かつての入試問題をアレンジしたものなのでそちらの問題で学習したことがあった生徒は(2)までは解ける可能性が高かったに違いない。

(1)は問題解法の道しるべとなる設問であって誰もが容易に解けただろう。ただし、ここで(2)(3)を解く手順を確認しておかなくてはいけない。

(2)は長方形の中にある1つの三角形の周および内部にある黒い点を求めるもの。三角形EBFをたて40cm・横70cmの長方形で囲むと(1)と同じ形の図が表れるのであとは対角線上の黒い点について調べて求めていけば良い。

同じような作業をくり返すとはいえ(3)は時間も手間もかかる難問になっているのでここはパスして次の大問に進むのが賢明だろう。

【大問3】水そうとグラフ

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

本年度のテストでまさに合否を分けたと考えられるのがこの大問3である。基本的な【大問1】、難易度は高いものの既視感のある【大問2】【大問4】に比べると「水そうとグラフ」という内容にはなじみがあるものの問題の意味が少しわかりにくく(1)からミスるようだと大きく失点することになる。

(1)ではAの水そうに入る水の増え方と出ていく水の減り方、Bの水そうに入る水の増え方がとらえられればあとは難しくない。Aの水そうが90%まで満たされると次はBの方に水が流れ込むわけだが、このときに「Aに入ってくる水とAが出す水の量の和」がBの水そうに入っていくと気づけば良いのだ。それがわかればBのグラフの傾きが急なことも納得がいく。

また同時に(2)の解答にも容易にたどり着くことが出来る。

(3)ではABのグラフを続けて作図していき決着をつければ良いのだが、Bのグラフの変化についていくのが難しくここも無理して手を着けなくても良いと思われる。

いずれにしても(1)(2)の正解はぜひとも望みたい。

【大問4】立体図形(図形の切断)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

最後の昨年同様立体図形の大問で今回は「切断」を中心に据えている。
三角柱の切断ではあるものの(1)は基本、(2)はやや難しく、(3)は超難問という配列なので、最低でも(1)は、できれば(2)までをしっかり解いて合格を確実なものにしておきたい。

(1)は求める立体が三角すいになるもの。ここはやり慣れているレベルだろう。

(2)では切断面の線を補って角すい台(底面は三角形)ができることがわかれば正解できるだろう。この大問は計算が複雑ではないので求める立体の形がわかれば計算でミスることはあるまい。

(3)は本年度最大の難問なので、「捨て問」として処理してもいいだろう。

攻略のポイント

テスト時間は50分で150点満点。
受験者平均点は89.5点で正答率は59.7%(ちなみに昨年度は受験者平均点が99.3点で正答率は66.2%、一昨年度は受験者平均点62.5点・正答率約42%となっていてあまり安定していない)。

ただし一昨年度以前の東大選抜は難問のオンパレードという感じで平均点・正答率ともに低く、高い応用力を問われるテストだった。それが昨年度から基本問題の厚みが増し、本年度もそれをおおよそ踏襲しているので「標準的な問題を確実に正解できる生徒」であれば十分に合格できるテストに変貌した。

算数で他の受験生たちに大きく差をつけたい、と野心に燃える生徒でなければ、超難問に多くあたるよりも、典型的な問題の解法をたくさん身につけることでこの学校の合格ラインはクリアできることになる。
ただし、合格するためにはその標準レベルの問題は100%正解できなくてはならない。時間は十分に与えられる学校なので、解ける問題は完璧に正解できるよう腕を磨こう。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

栄東中学校の科目別
入試対策一覧

中学受験のために
家庭でできること

インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは

リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。

TOP

創業以来、
最高峰のプロ教師陣を輩出

TRADITION
SINCE 1985

1985年法人設立以来、プロ家庭教師のクオリティーにこだわり続け、現役プロ教師の中でもトッププロと呼ばれる真の実力を兼ね備えた合格実績豊富な家庭教師のプロだけをご紹介しています。
特に中学受験·大学受験·医学部受験専門のプロ教師のクオリティーに自信があります。