淑徳与野中学校 入試対策
2019年度「淑徳与野中学校の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問4つに小説の読解・論説文の読解・漢字の書き取り・記述問題が割り当てられるのが定型となっている。
素材文は計7000~9000字程度で総解答数は20~25問ほど。記号選択・書き抜きと計6問ほどの記述問題が出される。記述問題は「説明しなさい」という自分で考えて書くタイプで、特に最後に出される記述問題は示された材料からわかることを読み取り、それに対する自分の意見や解決策を答えるという小論文形式になっている。記述問題に対する対策を怠りなくしておきたい。
[小説の読解]
4000~5000字ほどの文量で、大人が主人公の設定が多い。その分、内容も一般社会を舞台にした話が多く、生徒・学生があまり知らない分野・職業が出てくる。難しい小説でなくてよいので、一般向けの小説も読み慣れておいた方がよさそうである。
選択肢の問題は紛らわしい文章ではなく、選びやすい。記述問題も、傍線部の周辺を読めば書くことが見つかるようになっている。
ただ「説明しなさい」という指示なのでそのまま書き抜いてはいけない。
自分なりにかみ砕いて、表現を変えるなり短くまとめるなりのちょっとした工夫が求められる。過去問で慣れておこう。
場面分け・登場人物の整理・心情把握といった読解の基本の技を磨き、類似問題で記述問題も多くこなしておこう。
[論説文の読解]
3000~4000字くらいで、ここ数年は自然科学的な内容の文章が多く使われている。理科の好きな人は楽しく読めそうな内容である。
こちらの選択肢の問題も無理に迷わせるような意地悪なものではない。記述問題は、論理的文章なので文中の適切な部分をまとめれば答えになる場合が多い。
要点・要旨を見つけて目立つようにしておけば、スムーズに解答できる。
形式段落と意味段落の整理・要点と細部の区別・要旨と要約のまとめといった読解の基本を身に着け、大事な部分を短くまとめるなどして記述問題の練習もしておこう。
[小論文的記述問題]
試験の最後に置かれている記述問題の対策が必要である。
2019年度ではアンケートの方法とその文面を題材にして、問題点と自分の意見を述べるという内容だった。過去には新聞の投書を題材とした問題なども出されている。
①与えられた材料を分析し、さらに②自分の考えを述べるという2点を訊かれる小論文のような記述問題になっている。普段から自分でも同様の文章を書き慣れていないとうまくまとめられないだろう。
小説であれば、主人公の心情を書き出してみる。それに対して自分だったらどう感じるだろうかと想像し、文にしてみる。論説文であれば、要旨をまとめてみる。それに対する自分なりの意見や対処法を考え、文にしてみる。
大事なのは頭で考えるだけでなく、実際に書いてみることである。求められる字数は50~80字程度でそれほど長くない。同じような字数で、読んだものに対して自分の意見を書いてみるのである。読解の練習にも、記述の練習にもなるので実行してみてほしい。
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2019年度「淑徳与野中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
計9000字ほどの素材文で総解答数は26問。記述問題は計6問、そのうち2問は小論文形式で難しい。
その他の選択肢問題や書き抜き問題はさほど時間はかからない。
時間は60分あるので、読解問題と漢字を早めに済ませ、最後の記述2問に10~12分くらいは残したい。
【大問1】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:26分
- ★必答問題
ピアノを弾く意欲を失っていた主人公は、オルゴール店の店員の気遣いで、音楽に向き合う純粋な喜びを思い出す。
問一 A. 所在なく――することが無く、間が持てない様子。
問二 この時点では店員は主人公の心の音を聞いてはいない。単純に、オルゴールを選ぼうとしていないことを疑問に思ったのである。
問三 主人公が店に立ち寄ったのはコンクールで弾いたバッハが聞こえた(実際にはオルゴールは鳴っていなかったと思われるが)からである。また、かつて弾いたことのある讃美歌のオルゴールに惹かれてもいる。知らない曲・弾いたことのない曲には惹かれないのである。
問四 伝えたいのはピアノを弾く意欲がわかないことに対する説明であろう。先生のせいではないことや、一番の理由である「音に元気がない」ことなどを説明したいのだが、自分でも気持ちの奥底がよくわからず、困っている。
問六 店員は普段「特殊な能力」を使わないときに「変わった器具」をつけている。オルゴールを選べないでいる主人公を見て店員はその器具を外し、主人公の心に流れていた「讃美歌」を聞き取り、そのオルゴールを持ってきた。店員は人の心に流れている音を聞き取る能力があるのである。
問七 主人公が先生の言葉を思い出し、それにともなって心に流れ出した「バイエル」の曲に店員が気づいたのだと思われる。讃美歌よりもっと、主人公が必要としている曲があるとわかったのである。問九でもこの点が答えに関わっている。
問八 バイエルのオルゴールを聴いたことで、コンクールの順位や勝ち負けではない、純粋に音を奏でるという喜びを思い出して、ピアノに向かいたい気持ちが高まっている。
【大問2】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:22分
人間が住居を作る背景や動機を考察している。
問一 「期して」――期待して。そうなるように心に決めて。
問二 傍線を含む3つの段落に分けて説明されている。原始的なサルは木の洞に寝場所を作っていた→食性が変わり、移動しながら木の上で眠るようになった→体が大きくなって木の上にベッドを作るようになった。
問三 「目的」を訊かれている点が大きなヒントになる。「地上性の肉食獣から身を守る」は「目的」とは説明されていない。2段落後で、「それぞれの個体が~ようにすること」が目的とされている、とあり字数も合う。
問四 「類人猿のベッドにあたる人間の構造物は家である」と述べられている。つまり、「一次的なベッド」は「家」なのである。人間はその中に眠るための「二次的なベッド」を作るようになったというわけである。
問五 ④現代の住居は「外の世界と隔絶する場所」となり、「社会のつながりを分断している」とある。アが選べる。
⑤子どものころは「隣人とのコミュニケーションも考慮してつくられ」、「隣人たちとの共有空間」でもあった。エが合っている。
問六 昔は、「その家の住人だけでなく、隣人とのコミュニケーションも考慮して作られていた」。つまり、人間関係が家の構造を決定していた。しかし、今は逆に「あらかじめ用意された住居」が「人間関係を規定し」てしまうのである。
問七 類人猿のベッドと人間のベッド・家との対比を述べた段落のあとで、「つまり、人間の住居は家族や共同体の信頼関係を反映する場所」なのだとまとめている。
問八 ア. ピグミーの生活の調査で人間の理想的な住まいを知ることができるとは述べられていない。
イ. メスが食物を探しに行くことが書かれている。
エ. 類人猿はベッドをつくる習慣を失っていない。
【大問3】漢字の書き取り
- 難度:標準
- 時間配分:2分
② 収拾――混乱をおさめること。収集・蒐集などの同音異義語がある。
【大問4】記述問題
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問一 方法については、図書館に来た生徒だけに聞く→他の生徒の意見が考慮されない・一週間続ける→同じ生徒が複数回答える可能性があるなどの問題点が考えられる。文面では、漫画の悪い面を強調して回答者に予断を与えている・賛成と反対しか答えの幅が無いなどの問題がある。
問二 賛成意見としては、漫画にも優れた作品はあり読む価値があるものも多い・難解な内容をわかりやすく表現できる・図書館に来るきっかけになるなどが考えられる。反対意見としては、普通の読書と比べて思考力を使わない・刺激が強いだけで内容が薄いなどの批判がありそうである。
攻略のポイント
選択肢問題でしっかり得点できるよう、記述問題でうまくまとめられるよう、過去問を中心にしっかり場数を踏んで十分に練習しておこう。
そのうえで、最後の小論文的記述文に対応できるよう、50~80字程度で物語の主題や自分の意見を簡潔にまとめてみる。あるいは同様の記述問題が出される学校の過去問で練習してみるなど、こちらも経験値を上げておきたい。
面倒くさがらずに実際に書いてみることが重要である。
また、内容も大事だが、文章としておかしくないか・誤字脱字はないかも見られているので、丁寧に書くことも意識していただきたい。
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