頌栄女子学院中学校 入試対策
2019年度「頌栄女子学院中学校の理科」
攻略のための学習方法
着実な大学合格実績で、多くの受験生を集め、安定した人気を誇る頌栄女子学院。。
その理科の入試問題も、生徒の実力を発揮しやすい良問である。
まず、出題範囲に偏りがない。いわゆる4分野から均等に出されており、基礎的な設問が中心でありながら、よく練られた計算問題も複数出されており、学力に合わせた点数が取れやすくなっている。
つまり、計算好きな生徒には高得点が望めるテストになっているということだ。
もちろん、計算ができなくても合格点は取ることができる。
では、まず何を心がけて同校の対策に入っていけばよいのか。
まずは、これはどの学校についても言えるのだが、「基本的な知識を着実に身につけること」。これが最初にして最後の目標だ。
理科の知識は煩雑で覚えきれない、という生徒もあろう。また、算数や国語に手がかかるという生徒もいるだろう。
だから、教えられたことを全部覚えなくてもいいのだ。指導してくれた先生が、「ここは大切!」といったところだけでいいから覚えていこう。
具体的には、模試などで正答率50%以上の知識問題の答えから覚えていけばよい。時間があればその先の段階まで進んでいこう。そんなに難しいことではないだろう。
しかし、極端に覚えていない範囲を作ってはいけない。
4分野が均等に出題されているとは書いたが、すべての単元から出されるわけではない。生物分野で「植物」が得意であっても、苦手な「昆虫」が中心となって出題された場合には、まったく得点できない場合も考えられる。そうなると致命的だ。
どの単元に関しても、得意でなくてもいいから、標準的な問いにはしっかりと答えられるように仕上げておこう。それが全分野に及べば、おそらく合格点は取れるはずだ。
それもできない、という生徒は、出題されやすい分野を絞ってそこを中心に覚えていこう。
生物では「人体」「植物」、地学では「天体」、物理・化学分野では「水溶液」や「気体の性質」などだ。
しかし、ヤマが外れた場合はどうなるか。想像に難くない。やはり、失敗したくなければ、まんべんなく知識を網羅していったほうが良い。
それらのことを十分にやった上で、さらに得点したい場合には、計算問題に磨きをかけるということになる。
前述のように、頌栄の理科の計算問題はなかなか難しい(本年度はさほどでもなかったが)。
算数が得意な生徒でも理科の計算が苦手な生徒がいるのは、算数に比べるといつも典型的な問題が出されるとは限らないからだ。
塩酸と水酸化ナトリウムの中和ならば何回も解いたことはあるだろうが、平成26年度の最後の設問などはまず初めて見る受験生もいたことだろう。
やったことがある問題でなければ、受験生はまず解けない。そういった点から見て、理科の計算問題もまずは典型的な問題に解き方をマスターした上で、新しい設問が出たら挑戦してもらいたい。
得点の目標は、100点満点の70点くらいが良い。
基本的な知識問題をだいたい正解し、計算問題に少し触れるくらいでその点数をクリアすることはできるだろう。
さらに悩む点があるとすれば、時間不足ということかもしれない。
40分で50問を解くわけだから、1問あたり48秒、見直しなどを考えると40秒以内で解かなければいけないということになる。
算数と違って、理科は後半の大問に進むにつれて難しくなっていくということはない。
下手な鉄砲とは言わないが、最後の設問まで読める程度には時間を作っておきたい。
そのためには、自覚的に解く早さを身につけること。普段、問題にあたるときも1問解いてお茶飲んで、とかのんびりペースではなく、20~30問くらい一気呵成に解くパワーを装着しておきたい。
なんといっても、テストには問題を解き切るパワーが必要だ。
確実な知識と解くスピードを身につけ、頌栄合格を自分のものにしてもらいたい。がんばれ!
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2019年度「頌栄女子学院中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
40分で大問は4つ、小問は50個前後とかなり分量が多いテストになっているので、速読即解力と同時に集中力の持続が求められる学校である。
本年度の特徴としては、自分で考えて答えをまとめる記述の問題が2問あったことで、これは2020年度大学入試を意識した出題といえよう。
受検者平均点が50点前後と安定した難易度を持つ学校だけに高い正答率は必ずしも必要なく、基本的な知識を問う問題をしっかり正解することと計算が必要な問題にも臆することなくあたる積極性が欲しい。
【大問1】化学(水溶液の判別・金属の溶け方)
- 難度:標準
- 時間配分:10分
前半が「水溶液の判別」、後半が「銅・アルミニウムの溶け方」に関する問題で、前半全部と後半の問5までは基本的な知識だけで正解できる「易」レベルの設問である。
ここまでは全問正解しておきたい。
問6からは実験結果をふまえたグラフの作成と計算問題になっており、それまではレベルが違ってくる。
問7を解くためには【表】から塩酸とアルミニウムが過不足なく反応しているところをさがし、その数値を参考にして2倍にうすめた塩酸Bへの対応を考える。
問8では「銅は塩酸に溶けない」という大問前半で確認されている知識をもとに、発生した水素はすべてアルミニウムから出たものとしてアルミニウムの量を求めることになる。
過不足なく反応していれば225mLの水素が発生するところを150mLしか発生していないので塩酸と反応したアルミニウムの量は0.18gの3分の2、0.12gとなる。
1.0gのうち0.12gがアルミニウムなので残りが銅となる。
大問1は全体の作りがオーソドックスなので高い得点を望みたい。
【大問2】生物(人体-血液の循環・筋肉)
- 難度:易
- 時間配分:10分
- ★必答問題
生物・人体では昨年度に引き続き「血液の循環」に関する設問が並んだ。
問1から問5までがすべて基本的な設問なのも昨年と同じでここはぜひ完答しておきたい。
問6の臓器の名前はまだしも、問7は⑤から⑨まですべて選ぶのは少し難しいか。
問8・9は筋肉の動き方を問われる問題だがそのレベルはきわめて基礎的なものだ。与えられた図をよく見て確実に正解すること。
【大問3】物理(もののつり合い)
- 難度:標準
- 時間配分:10分
仰々しくシーソーとおもりの図が書かれているが積み方は横1列あとは上に積むだけなので問われているのは普通のてこの問題と変わるところはない。
おもりの重心から支点までの長さをもとにしっかりと解いていこう。
問1は4年生ばりの基礎的な問題、問2では支点におもりを置くという発想がないと答えに詰まってしまう。ここは点差がつくところだった。
問3の重心の位置を考える問題も平易なレベル。しかし嵐は急に吹き荒れた。
問4の記述問題は本年度入試問題の白眉であり、ここまで得点を重ねてきた生徒は合格点をとうに超えているとは思うものの問4が正解できるかどうかで実力の差がはっきりと出る。
「重いものを上に入れたとき」は点Pが点Oの真上に来てものの重さそのものが負担になるのに対し、点Qの方では支点Oと離れている分だけ右回りの力がかかってしまいその分だけ重くなる、という答え。
採点者に対してどれだけ説得力のある答えを書けるか、テストの合格点とは別に記述力を試される問題になっている。
【大問4】地学(星の運動)
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
冬の夜空を眺めながら、夏の星座に関して考えてみるという問題でひと味変わっている。
ただし問1・2・4は基本知識の確認で間違えるわけにはいかない。
問3・5は、北の星座の年周・日周運動に関する問いで、反時計回り・1年(12ヶ月)または1日(24時間)でそれぞれ1周という知識をもとにして慎重に正解を選びたい。
問6は少し反則じみた問題で、「すべて選ぶ」と書いておきながら答えは一つで、しかもその正解が「南十字星」だけでは受験生ならずとも不安になるものだ。
問7でも【大問3】の問4同様、書く力を試されているわけだが、どのように書けば採点者を納得させられるかまたも試されている。
必要十分な正解を記述するのは難しいかもしれないが安易に空欄にせずがんばって知識をまとめてみよう。
今ある合格力も大切だが将来性を問われる良問になっている。
攻略のポイント
テスト時間は40分で100点満点。
受験者平均点が51.9点、合格者平均点が58.7点といずれの値も例年の数値と比べて大差なく、合格点は55点くらいである。
しかし問題から受ける印象としては昨年度は難しく、一昨年度・本年度は標準的なレベルだと感じるのは不思議なものだ。
昨年度のような高度な計算問題はない代わりに高度な記述問題が2問あったせいかもしれない。総じて記述問題には苦手意識があるものだ。
その難易度の高い記述問題と【大問1】の計算問題以外はほとんどこなせないと困る問題なので、55点と言わず、70点以上は取れるような勉強を積んで本番には臨みたい。
まず基本的な知識を充実させること、その上で計算問題も演習し自信をつけてテストに向かえばきっと合格に結びつく得点が期待できるだろう。
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