獨協埼玉中学校 入試対策
2019年度「獨協埼玉中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成の特徴
大問3つにそれぞれ、漢字の読み書きとことばの知識・小説の読解・論説文の読解が割り当てられる構成が定型となっている。
素材文は計6000~8000字ほど、小説が4500字ほど・論説文が2500字ほどと、小説の方が長い場合が多い。解答数は計40問前後。設問形式は選択肢・書き抜き・適語補充が多く、数問の短文記述が混じる。記述は書き抜きを利用できるものと自分で考えて書くものとがある。論説文では段落分けの問題がよく出されているのでしっかりマスターしておこう。
全体としては、難易度も適切なオーソドックスな試験である。
長文読解
【 小説 】
文量が4000~5000字と多めなので、普段から速読を意識して文章を読むようにしよう。小学生や若者を主人公にした物語が多く、主人公の設定次第では小学校6年生にはやや難しい内容になるかもしれない。中・高生向けくらいの物語を多く読んでおくと良い。問題の難易度自体はそれほど高くはない。年齢に見合った理解力があれば答えられる問題なので、長文読解の基本的な実力を養おう。
登場人物の把握――主人公とその他の人物の性格・関係性を見る。
場面分け――時間・場所・人物の出入りなどで場面の変わり目を見分け、その場面の大まかな内容を
まとめておく。
心情把握――人物の言動・表情、また情景などにも注意し、なぜそんなことをするのか・どのような気持ち
なのかを想像する。
本をたくさん読み、様々な登場人物に触れておくことは、人間の心理を理解するのに大いに役立つ。勉強以外でも、多くの物語に触れることを強く推奨したい。
【 論説文 】
こちらは2500字前後と少なめな文章量になっている。
社会科学的な内容のものが多く、社会人なら理解しやすい事柄も受験生には難しく感じる場合もあると思われ、小説よりも難易度は高めである。しかし文量は少ないので考える時間もあるし、本文から答えやヒントを探すのも手間が少ないので、論説文が得意でない人も臆せずに取り組んでいただきたい。
段落分け――本校では段落分けの問題がよく出されている。形式段落を意味段落にまとめる練習を積んでおこ
う。意味段落に分けたら、内容を簡単にまとめて小見出しをつけておくと後でわかりやすい。
要点と細部――その段落で一番大事な文をチェックする。傍線を引いてしまうと良い。要点をつなげれば
意味段落のまとめができる。
要旨と要約――全体を見渡して筆者の意見を読み取る。普段から、説明的文章を短くまとめる練習をしておく と、論理的な文章の読解力がつくので、実践してほしい。
知識問題
漢字と言葉の知識も必ず出題がある。標準レベルの教材でいいので、1冊しっかり仕上げておくこと。
注意点
自分で考えて答える適語補充の問題などで、字数を限定される場合が多い。求められる内容を少ない字数で的確にまとめられるように慣れておくこととともに、他の字数の言葉で言い換えられると有利なので語彙も増やしておくことを意識していただきたい。
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2019年度「獨協埼玉中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
2019年度は総解答数33問だが2017年度は44問だったので、年度によりばらつきがある。
文量は計7000字ほどで言葉で書く問題も多いので、なるべく早く読み終えて問題に取り掛かりたい。
問題の難易度自体は適切に設定されているので、悩んで時間が足りなくなるようなことはないだろう。
【大問1】漢字
- 難度:標準
- 時間配分:4分
Ⅰ ③ 摘む――はさみとる。積む・詰むなどの同音語がある。
④ いたむ――食物などが悪くなる・腐る。痛む・悼むなどと区別しよう。
⑤ ひがん――春分・秋分を中日とした7日間。1年で14日ある。
⑥ はえる――美しく輝く。
Ⅱ ① 測定 ② 芝生 ③ 歓迎会 ④ 到達
【大問2】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:22分
問一 傍線直後の3つの文でも説明されているが、3段落後で「もう少し詳しく言うと」とある、
その後の部分が字数も合うので使える。
問二 「自分・狭い殻の内側」と「世界・外側のもっと大きな力」とに分けると、(オ)だけ後者に属する。
問三 表裏一体――二つのものの関係が一体で切り離せないこと。
問五 波からの連想で大津波を例えにして説明している。そのまとめの部分で「自分を開くのは」「外の世界
から発信されている信号や情報を受け止め」「自己を開放し、対話すること」だと述べている。
問七 イ. 筆者はファーブルを学者として再評価したいと持っているので、×。
ウ. 「誰も気にもとめない」などとは言っていない。
オ. 研究者として当たり前の姿勢で、面白くはない。
問八 罰として辛い思いをさせる、という意味が強い言葉なのでエがよい。
問九 ダーウィンの主張を「観念的な理論」「机上の空論」だと思っている。ファーブルは観察で得られた
「自然の実態」を重要視していたのである。
問十 傍線直前の「そうした動き方」は、「学問の形式的な枠組みから離れていってしまった」ことを
指しているので、イが良い。反骨精神に影響を受けたことが情熱と探求心がある理由ではないので
エは当たらない。
問十一 「世界に向けて自分を開いておく」という中心テーマに則して考えると、ファーブルのエピソードは
「狭いアカデミズムの外にも学問という広い世界は広がっている」という意味にとれる。
【大問3】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:24分
- ★必答問題
東京で一人暮らしを始める主人公の、故郷での別れの場面が描かれている。
問一 傍線直前に母親の考えが示されている。
問二 女の子の家の生垣をむしってしまうという行為は、その子から軽蔑され嫌われてしまうレベルのことである。
問四 「ごたる」は長崎の方言で「如くである・~のようである」という意味。クツワムシのうるさい声などと比べて、鈴虫の声色は涼しげで美しいと評される。
問五 偏屈で人当りが悪く爬虫類のようで感情が読めない。漢字3文字なら「不愛想」が文中にある。
問六 楽天的な父親と対照的に、主人公は「なんとかなる」とは思えない不安を感じている。
問八 普段は爬虫類のようで感情が読めないが、別れの場面では涙を流すなど人間らしい顔を見せている。主人公と離れることが悲しいのである。
問九 発車のベルが鳴る場面で、泣くまいと誓った主人公の気持ちが説明されている。
問十 「背筋を伸ばす」だから、凛とした力強い様子である。いったんは泣いてしまったものの、自分のために泣いてくれた保や見送ってくれた先生や子供たちをがっかりさせないためにも、東京での一人暮らしで弱音を吐かずにしっかり生活しようと気持ちを強くしたのであろう。
攻略のポイント
文章量の多い小説の読解と難易度がやや高い論説文の読解と、どちらかで大量失点していては合格はおぼつかない。両分野で一定の得点を狙えるよう、文学的文章・説明的文章どちらも手を抜かず訓練しておこう。
漢字やことばの知識は得点の計算できる部分なので、地道に努力して確実に答えられるようにしよう。
適語補充の字数指定は、適切な言葉を思いつかないと苦労するので、いろいろな言い回しができるように少しでも語彙を増やしておこう。
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