早稲田大学高等学院中学部 入試対策
2019年度「早稲田大学高等学院中学部の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成]
例年、説明的文章1題・文学的文章1題の計2問で構成されている。
文章量は7000~9000字ほどで総解答数は30問弱。漢字の書き取りが6~7問とその他の知識問題が数問見られる以外は、長文読解が大半を占める読解中心の試験となっている。
設問形式は記号選択が11~12問、記述問題が2~3問、残りが書き抜き問題といった割合で、年度により整序問題なども出題されている。
[長文読解]
素材文は、説明的文章が2500~3000字程度、文学的文章が5000~6000字程度と、文学的文章の方が文量が多くなっているが、設定やストーリーが受験生にもわかりやすい話が多い。一方、論説文は難しい用語や概念も登場し、難易度がやや高い印象を受ける。
選択肢問題は、字数も少ないシンプルな選択肢が多く、内容も無理に迷わせるような複雑なものではないので、得点源としたいところである。
それと比べて書き抜き問題と記述問題はやや難しいものが多い。字数指定はあるが、答えを探す範囲の指定は無く、「本文全体をふまえて」といった条件がつく場合もある。傍線部の近くに答えが無いことも多いので、要領が悪いと時間切れの危険がある。本文のどこに何が書いてあるかを素早く的確に把握する必要がある。
・説明的文章
形式段落と意味段落の整理。意味段落の内容を小見出しのようにつけておくと後でわかりやすい。2016年度ではまさにそのような問題が出されている。
要点と要旨。各段落の最初と最後に注意しながら、傍線などで要点を目立つようにしておき、細部と区別する。要点をまとめて全体の要旨を読み取る。書き抜き問題や記述問題の答えは要点や要旨から見つかることが多い。
・文学的文章
場面の整理。時間・場所・登場人物の移動などから、場面の変わり目を見つけて印をつけておく。解答をどこから探すかの大きな目安になる。
人物の心情を考える。言動や情景などから、特に気持ちが変化した場面に注目して心情を把握する。自分ならばこう考える・・・といった予断は禁物である。あくまで、文中に書かれていること・暗示されていることを手がかりに考える。
以上のような、長文読解の基本的な手順を素早くこなし、解答する際に無駄に答えを探し回らないように練習しておくことが重要である。
[漢字・その他]
毎年、6~7問出題される漢字の書き取りは本校の偏差値からすると易しい問題が多く、標準レベルである。塾などの漢字教材を一冊しっかりこなしておけば心配ないだろう。
言語事項や文法では、品詞・三字四字熟語・慣用句などが数問出されている。本校を受験するレベルの生徒であれば難しくはないだろうが、漢字と合わせて知識問題も油断なく勉強しておきたい。
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2019年度「早稲田大学高等学院中学部の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
長文2題合わせて5200字ほどと、例年より少なかった。総解答数は31問。漢字と数問の知識問題は3~4分で終え、残りは長文読解に当てることになる。
記述問題は40字のものが2問、書き抜き問題が1問。今年度は選択肢問題が多かった。
記号選択問題は比較的易しい問題が多いので、できるところからさっさと進め、難しい書き抜き問題と記述問題に少しでも多くの余力を残したい。
【大問1】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:25分
- ★必答問題
ダーウィンのミミズの研究を下敷きとして、土・水・緑・人間どれもが生きものであると考え、そのつながりを生かすことが大切であると論じている。
問一 b. 有用――役に立つこと。
d. 意向――どうするつもりである、という考え。
問二 A 目的――手段
B 多様――単一
C 便利――不便
問三 石灰は7センチ下に層になっていたのであるから、イ・ウ・エは合わない。
問四 傍線②の次の段落で、現代文明は土や水を無機物と捉えてあらゆるものを機械とみなしてきた事実が挙げられている。それに対して筆者は「すべて生きているという見方をしなければならない」と意見しており、このことを傍線②は指している。
問五 2つ前の段落にうまくまとめられている。「生きものも機械とみなし、構造と機能を明らかにして利用する」という考え方なので、「仕組みとその組み合わせととらえる」というエが合っている。
問六 直前の段落に注目。「すべてを生きものと考えそのつながりを生かしていくことで、心豊かに暮らせる環境が整う」とある。
問七 直後の段落で、石積みの水路・サカナ・ホタル・子ども・大人・流れる水・田んぼの土……すべてがつながって生きていることを実感させる例が挙げられている。「つながり」を自覚することで「自分も周囲も生きている」ことを感じられるのである。
問八 問六・問七をふまえ、「心豊かに暮らせる環境が整う」が見つけられる。
問九 「石積みの水路」の例を考えればよい。
問十 見出し1の「成果」とは、「土は生き物であるという認識」であるから6段落までと考えられる。見出し3の「生命の時代」という話題が9段落から始まるので、見出し2は7~8段落、見出し4は14~15段落の内容なので9~13段落までが見出し3に当たる。
【大問2】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:25分
女学校のピアノを巡る思い出が語られる。
問一 b. 拝借――「借りる」の謙譲語。お借りする。
c. 当地――この地。ここ。
d. けだか(い)――気品がある。上品に見える。
問二 C. ゆかしい――心ひかれる・上品で美しい。
問三 放課後にピアノの音が聞こえるのは、鍵をもっている母のしわざだと疑っている。
問四 「どうして~できよう(か、いや~できない)」は反語の表現。( )内は省略されることも多い。
問五 「海杳かな伊太利の楽壇に名高い曲」であることに驚いた。弾いているのが日本人ではないことに気づいたのであろう。
問六 「印」はインドのことなので、ヨーロッパではない。
問七・問八 女学校にあるピアノは宣教師のイタリア人女性の死後、寄付されたものだった。放課後に聞こえてくる曲は女性の娘が母を偲んで奏でるイタリアの曲だった、というのがこの物語の種明かしである。娘であるからスペアキーを持っていたのである。
問九 その後、その娘さんは故郷に帰ったことが述べられている。この日が最後にピアノを弾く機会だったので、ひときわ心のこもった演奏だったのであろう。
問十 当時のイタリアは戦禍に晒されていたことが示されている。母親を異国で無くしてそのような不安定な祖国に帰る娘の辛い心中が察せられたのであろう。
攻略のポイント
選択肢の問題は、比較的答えやすい問題が多い。書抜き問題も探す範囲が広い点は手間がかかるが、読解がしっかり出来ていれば答えられる。漢字と合わせてこの範囲の問題でしっかり得点を積み上げよう。
その上で記述問題でもなるべく高い得点になるよう、過去問・類似問題で記述によく慣れておこう。
高偏差値の学校としては国語の試験は難易度が抑えられている。高得点での戦いが予想されるので、全体をしっかり考えられるスピードと不注意なミスを犯さない慎重さとを身につけておかれたい。
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