逗子開成中学校 入試対策
2019年度「逗子開成中学校の理科」
攻略のための学習方法
[出題分析]
理科としては40分という長めのテスト時間、その中で大問4つをしっかりとこなす逗子開成の理科は、少し重厚なイメージだ。
設問数は格別に多いわけではない(30数問)が、問題文が全体に長めで大問の途中にもはじめの条件を変えて設問が新たに作成される箇所があるなど予想しているよりも時間はかかる。その意味では速読即解型の学校のように設問をテキパキとこなしていく必要がある。
また、今までも大幅なシェアを確保していた計算問題が本年度になり一層のバージョンアップを果たしている。典型的な計算問題だけを手がけていれば及第点がとれたこれまでに比べると生徒の負担は増えたと言える。
前半の知識問題と後半の計算問題、大雑把にテストの輪郭を表すとそんな感じである。
[基本的な知識定着は最低限の所為]
このように計算問題に多くの負担がかかる学校であるだけに知識問題での得点は欠かせない。
ここでは、受験生の最低限の努力が要求されている。暗記なんかいつでも出来る、と高をくくってしまい結局それが当日の得点不足につながる生徒は決して少なくない。それは「頭の良い」=「考える力」とは違うかもしれないが、星の名前をたくさん知らないと星座が作れないように知識もまた考察・思考の良い手かがりになることは間違いないので地道な努力を怠らず最後まで知識は蓄積していこう。
[計算問題対策]
元来計算が必要な設問が多い学校であるので対策を進めていく上で計算問題には抵抗なく取り組んできたと思われるが、本年度は【大問2】(3)、【大問4】(5)くらいしか手強い計算問題はないものの、2018年度の【大問3】【大問4】に見られる設問はやはりそれまでの問題とは一線を画している。
また一昨年度つまり2017年度においては、【大問1】から【大問4】まですべての大問の中で計算は要求されてきた。2017年度【大問1】の(7)や【大問2】の(5)(6)、【大問3】の(7)などはユニークな設問であり、ほとんどはじめて触れる計算問題に頭を悩ませたこともあっただろう。
ただ、設問はユニークであってもそのレベルは標準的であり、過去問を積み上げることで問題に対する耐性をつけておけば合格圏までの得点は獲得できたことと思う。
それに対して2018年度の計算問題は問題自体の水準が上がっており、端的に言えば難度の高い計算問題への対応力が必要となる。
それを踏まえての対策としては、過去問だけでなく、計算問題を集めた問題集を副教材として準備し適時計算問題にあたることだ。難問印の問題にも果敢に挑戦してみよう。
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2019年度「逗子開成中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
40分で大問は4、小問は30問以上あり分量的には多くは見えないものの、よく考えて解かなければならない設問もいくつかあるので「大問1つあたり10分」という時間をうまく使いたい。
本年度の問題は1つの大問の中で設問のレベルに差があり、基本的な問いはしっかりと正解した上で考察や計算を必要とする問いに十分時間を残したい。
【大問1】太陽・月・火星
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
天体の設問が並ぶこの大問は基本レベルに終始しているのでできれば全問正解しておきたい。
(1)は「日かげ曲線」の問題で①は作図、②は選択肢でいずれも平易な問い。③も解いた記憶があるはず。
(2)は計算問題もあり【大問1】の中では難しい部類に入る。
①1日(1440分)を360で割ると4になることから、4分で1度動くことがわかる。よって、0.5度動くのにかかる時間は2分となる。
②は3500を1400000で割るので「けた」だけ注意したい。
(3)は月の公転周期と自転周期が等しいことから答えが導ける。
(4)は火星に対する問いだがいずれもやさしいもの。
①はさそり座のアンタレスと同じ色を答える。
②はなぜ砂「あらし」が起こるかを考えてみれば良い。
【大問2】二酸化炭素の発生と性質
- 難度:標準
- 時間配分:10分
この大問は「易」から「難」までいろいろな水準の設問がそろっている。
(1)(2)はいずれも「易」に属する設問であり、ここで誤答をしているようでは先が思いやられる。②は空気の流れについての問題。
(3)は本年度の問題では最も難しいもので点差がつくのはやむを得ない。
〔実験1〕~〔実験3〕の文章と図をよく参照し、気合いを入れて答えよう。
①図のグラフから、塩酸X40gは炭酸カルシウム2gと過不足なく反応し、二酸化炭素0.48Lを発生させているので、二酸化炭素0.54Lを発生させるには炭酸カルシウムが2.25g必要であることがわかる。したがって、粉末Y3gのうち、2.25gが炭酸カルシウムである。ここはできておきたい。
②〔実験3〕の内容から、X400gと粉末Y20gを加えると420gで、反応後の重さが413.4gであることから、発生した二酸化炭素の重さは420-413.4=6.6gであることがわかる。また、図のグラフから「塩酸X40gは炭酸カルシウム2gと過不足なく反応し、二酸化炭素0.48Lを発生させている」ので、X400gと粉末Y20g中にある炭酸カルシウム15gでは、0.48Lの7.5倍、3.6Lの二酸化炭素が発生する(Xは10倍あるが炭酸カルシウムは7.5倍しかないので)。この重さが6.6gなので、6.6÷3.6=1.833…より1.8gと解答できる。
③は塩酸Z40gを塩酸X80gと置き換えると、2倍の反応が見られることからグラフを欠くことが出来る。
②は難問に属するので、出来た生徒は理科に自信を持って良い。
【大問3】光電池・発電
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
【大問1】と並び、ここも平易な設問だけで構成されているので全問正解を狙いたい。
(1)(2)は光電池を習い始めてから10分以内に理解できる基礎的な問いである。
(3)では、17cmの面と20cmの面を比較すれば良い。
(4)のコンデンサーの説明は一度でも聞いたことがないと答えづらいかもしれない。
(5)(6)ともにやはり基礎的な設問である。
(7)は記述問題なので少し考えるところで、「自然放射線を受けている」という文からは「食料」からとは答えにくい。
【大問4】食物連鎖
- 難度:標準
- 時間配分:10分
(1)から(3)までは食物連鎖やプランクトンに関するごく基本的な知識問題で間違えていては困る。
(4)からは少し面白くなる。食物連鎖の模式図を生物の名前で埋めていく問題だが、表をよく読めば食物連鎖の順番がわからなくても解けるようになっている。バッタとネズミは捕食する生き物が「植物」だけだからⅠとⅡのいずれかに入る、またバッタを食べる生物は3種類いてネズミを食べる生物は2種類いるのでバッタがⅠで、ネズミはⅡ…というように決めていけば良い。難しくないがあまりやり慣れない問題なので楽しめる。
(5)も時間をかけて解いていきたい。
①こん虫イ…メスが5匹いると卵をそれぞれ10個ずつ産むので50個、そのうち25匹がメスだとすると、25匹のメスは卵をそれぞれ18個ずつ産むので25×18=450(個)。そのうち半分がメスなので225匹。
こん虫ウ…メスが5匹いると卵をそれぞれ8個ずつ産むので40個、そのうち20匹がメスだとすると、20匹のメスは卵をそれぞれ8個ずつ産むので20×8=160(個)。そのうち半分がメスなので80匹。ウの方が産卵する卵の数が変わらないのでやさしい。
②では、①の結果からイ・ウは違うことがわかる。アはぐんぐん増えそうだ。エはメスの数が増えると産卵しなくなるのでいずれ一定数になって安定すると考えられる。
攻略のポイント
テスト時間は40分で100点満点。
受験者平均点は「62.3点」、合格者平均点は「70.6点」とほぼ例年並みの数値が出ているので、受験生としては70点を目指して力をつけていきたい。
そのためには基本的な知識を身につけるのはもちろんではあるもののそれだけでは少し足りない。逗子開成の計算問題に挑戦できるようその手の問題を集めた問題集で難度の高い計算問題に対する耐性をつけておきたい。
また本年度は基本的な問いが多かったが昨年度の理科は難易度が高かった。そういう年度に遭遇する可能性もあるので基本だけではなく、もう一歩進んで応用まで踏み込んで勉強をすすめておこう。
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