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渋谷教育学園幕張中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2014年度「渋谷教育学園幕張中学校の理科」
攻略のための学習方法

[渋幕の理科]
 理科は暗記科目、とにかくみんな覚えればいいなんて考えている受験生にとって、高い壁となって立ちはだかるのが本校の理科である。
前述のように、この数年来出題傾向が変わり、オリジナル性の強い超個性的な問題から、オーソドックスな問題に落ち着きつつある。
実際に知識系の問題が増えているのも事実だが、全体的な難易度の変化はあまりなく、問題のテーマが受験生にとってわかりやすくなっただけである。
では、本校の理科のための学習法を伝えよう。以下ポイントは2つである。
ポイント① 基本的知識の徹底
ポイント② 情報の分析力・判断力の向上
おもにこの2点に集約される。
基本的知識なくして本校の理科とは戦えず、情報を適切に判断できなくて合格は勝ち取れない。
 
 [基本的知識の徹底]
 まず、「基本的知識の徹底」について。
一般的に、理科は記憶が勝負の教科であると考える人も多いが、確かにその側面もあることは事実である。何も覚えてなくて答えられるわけがない。
初めは一つ一つ重要事項や基本事項を獲得してゆくことが、最低限の戦力を養うことになる。
受験に必要な細かく膨大な知識を蓄積していく一方で、同時に頭の中ではこれらの整理・分類を行わなければならない。ごちゃ混ぜのままでは必要なときに必要な情報を取り出せないからだ。
知識の整理・整頓ができれば、初めはバラバラであった個々の情報が有機的に結びつき、根を張って脳の中に固定されるようになる。つまり、情報のネットワーク化が完成したことにより、初めて基本知識の徹底が可能となる。
知識や情報が増えるに従って客観的な判断や理科的な考え方が自然とできるようになるのはいうまでもないことだ。

[情報の分析力・判断力の向上]
 次に「情報の分析力・判断力の向上」について。
過去問を見ればわかるとおり、本校の理科の設問には大きな特徴がある。
実験条件や状況設定など長めの文章になっており、しっかりとした読解力を要する。
たとえ記号の選択問題でも、選択肢の数は多い。
また、図や写真をくまなく観察する力や、表やグラフから適切な情報を選択する力も必要となる。
つまり、本校の理科の問題は、基本的知識はもちろんのこと、与えられた条件から適切な情報を選択できる能力の有無を問うているのである。
これに応えるためには、さきほどの「基本的知識」をベースに、日頃から対象物を冷静にとらえ、考えるようにしなくてはいけない。先入観を捨てて、観察記録や実験データを客観的に見る目が不可欠である。
見過ごしやすいほんのわずかな差や取るに足らない小さな事でも、気に留めることによって分析力や判断力は洗練化されていくのだ。
 
[過去問演習]
最後に、本校の問題は個性的であるがゆえに、過去問演習が特に重要になることは明らかである。
基本的知識を充実し、柔軟な思考力を身に着けることで、この高い壁を乗り越えることが可能となる。

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2014年度「渋谷教育学園幕張中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

昨年の理科は大問4題、設問総数22問。受験者平均点52.7点で、一昨年の30.6点から約22点の大幅なアップであった。
これは一昨年に比べて、基本的知識で答えられる設問数が多くなったこと、計算問題がやや簡単であったこと、問題内容がわかりやすかったこと、などが原因として考えられる。
本校の理科の試験時間は40分であり、この時間内に写真や図、表などの豊富な資料から、正確に情報を抽出する必要があり、たとえ記号選択問題といえども選択肢は多く、決して十分な時間ではない。
さらに、例年10題ほどの計算問題や考えを書かせる問題も含まれるので、過去問などで手際よく解答する練習を十分にしておかなければならない。

【大問1】化学分野

  • 時間配分:6分程度

化学分野より、「水溶液の定性分析」に関する問題。
(1)は7つの物質に関して、液性や室温における溶質の状態など基本知識の確認問題。
(2)は実験1~実験5から判断して、水溶液を確定する問題。日頃の練習通り、手際よく表にまとめられればわかりやすい。
(3)は水溶液Bの確定条件を考えるもので、記号選択。
(4)は石灰水の特徴について考えさせる記述問題。
(小設問数4、解答欄数8)

【大問2】生物分野

  • 時間配分:6分

 生物分野より、「花」に関しての問題。
(1)は、10枚のカラー写真からウリ科の植物を選ぶもの。ウリ科の特徴が分かっていれば選びやすい。
(2)は、それぞれの科の植物の特徴を考え、2つの植物の科を特定する問題。カラー写真に惑わされず、花びらの形状や枚数などから冷静に判定する必要がある。
(3)は、写真から「キク科の植物」とすぐに判断できる。
(4)は、植物の戦略を考察する問題。種子を作るうえで、小花の集まりに利点があることを説明するもの。「受粉」や「虫媒花」などのキーワードを入れて説明できればよいだろう。
(小設問数4、解答欄数8)

【大問3】地学分野

  • 時間配分:14分

地学分野より、「季節と太陽」に関する問題。
表中の、日の出・日の入りの時刻と方位、太陽の南中時刻と高度、昼の長さなど細かなデータを適切に処理、判断しなくてはならない。
(1)は、昼の長さ、南中時刻を記号で答えるもの。
(2)は、観測地点の緯度計算。春分の日があるので基本通り。
(3)は、日中時間についての思考問題。
(4)は、一年を通しての南中時刻の変化を正しく表すグラフの選択問題。表中の南中時刻の変化を細かく読み取り判断しなければならない。
(5)は、夏至の日についての7つの文章の正誤判定問題。知識はもちろん表中のデータも考えて判断。先入観だけ解答しては危険。
(6)は、太陽の南中についての正誤判定問題。3月1日と9月1日の記録の差に注目。
(7)は、A地点の経度を計算し、数字で答えるもの。
(小設問数7、解答欄数14)

【大問4】物理分野

  • 時間配分:14分

物理分野より、「音の伝わり」に関して、実験1~実験3を通して考えるもの。
(1)は、稲妻までの距離計算。
(2)は、実験誤差の原因を考察する問題。
(3)、(4)、(5)は、ニュートンの実験を題材に、音の速さを順に計算するもの。
(6)、(7)は、2つの音の到着時間差の原因を考えて、音の速さを求める問題。
特に、(3)以降は高度な思考力を要するので、問題文を正確に読み取り、実験を1つずつ具体化して考えるとよい。
(小設問数7、解答欄数7)

攻略ポイント

試験時間40分の中で、基本的な知識問題はもちろん、記述問題、計算問題などを手際よく答えていかなければならない。
受験生泣かせの難解なテーマの問題は、2年続けて出題されておらず、「物理」「化学」「生物」「地学」の4分野を中心に日頃の学習を進めればよいだろう。
ただ、記述問題では基本知識を深くまで掘り下げたレベルのものを要求されるので、関連分野なども含めしっかり押さえておこう。

また、条件を考えず先入観だけで答えると危険な問題も含まれるので、表やグラフの数字は無視できない。
計算問題は前の問いの答えを利用して次の問いに答えるようになっているので、問題の流れに沿って確実に解き進むことが必要だ。

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