東洋英和女学院中学部 入試対策
2019年度「東洋英和女学院中学部の理科」
攻略のための学習方法
東洋英和女学院大学の付属校と言うよりも、着実な大学合格実績で安定した人気を誇る伝統校、東洋英和女学院中学部。
理科の問題はオーソドックスな設問が多く、時間的にもそれほど追い込まれることはないので、学力が発揮しやすい良問といえよう。
出題範囲も偏りがなく、4分野から均等に出されており、標準的な計算問題も含まれているので、計算好きな生徒には高得点が望めるテストになっている。
では、まず何を心がけて同校の対策に入っていけばよいのか。
まずは、これはどの学校についても言えるのだが、「基本的な知識を着実に身につけること」。これをおいてほかにはない。
理科の知識は多岐に及んでおり覚えきれない、という生徒もあろう。だから、教えられたことを全部覚えなくてもいいのだ。指導してくれた先生が、「ここは大切!」といったところだけでいいから覚えていこう。
具体的には、コアプラスや四科のまとめなど、知識を体系的にまとめた参考書・問題集を中心に知識をまとめ、その上で塾の教材や過去問などで練習を積もう。さらに公開模試を活用して、時間内に自分の力が発揮できるよう経験を重ねることが大切だ。
どの単元に関しても、得意でなくてもいいから、標準的な問いにはしっかりと答えられるように仕上げておこう。それが全分野に及べば、おそらく合格点は取れるはずだ。
それもできない、という生徒は、過去問を何年か分解いたあとでよいので、出題されやすい分野を絞ってそこを中心に覚えていこう。
過去問にあたると、中には考えを聞かれるような高度な設問も存在する。そんなときには、簡単に空欄にはせず、自分の考えをまとめて書く姿勢は作っておこう。出来なくても合格点に達するかもしれないが、それでは学力を上に伸ばすことはできない。
また、理科は算数と違って後半の大問に進むにつれて難しくなっていくというわけではない。
そのため、時間不足によって手を付けられない問題があるともったいないことになる。普段から自覚的に早く解く練習が必要になる。
時間不足になる分量ではないと思うが、過去問をやってみてやはり時間が足りないという生徒は少しスピードアップすることが大切だ。問題集などで問題にあたるときも自分のペースを守るだけでなく、「今日は少し早く解いていこう」と意志を固めて問題にあたってもらいたい。
なんといっても、テストには問題を解き切るパワーが必要だ。
確実な知識と解くスピードを身につけ、東洋英和合格を自分のものにしてもらいたい。がんばれ!
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2019年度「東洋英和女学院中学部の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
30分で大問は4つ、小問数は20以上あり,試験時間に対して設問が多めなのでテキパキと問題にあたっていく必要がある。ただし、本年度は自由記述の問題はなりを潜め、それぞれ実験に対する考察が必要な問いが多かった。
全般に設問レベルは高くないものの、問題文自体が長いこと・単純に一問一答ではなく資料や実験結果を読んでから問題に答えさせるなど、しっかりと読解をして解き進まないと足をすくわれる可能性がある。
【大問1】化学(二酸化炭素の発生)
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
「石灰水にうすい塩酸を加えたときに発生する気体」が何かを、わからない受験生はいないだろうが、「酸素」や「水素」を発生させる実験と混じり合わないように知識をしっかりとまとめておこう。
(1)はその気体の性質を選んで答えるもの。
(2)では、実験結果の表を見れば2班の「石灰石6.0g」時の数値がおかしいことは一目瞭然である。(3)はその原因を書いて答える問題。当たり前のことを書かないといけないのでかえって難しいかもしれない。
(4)は典型的な設問。また、そのグラフを書くというもの。
(3)以外は確実に正解して、できれば(3)も正しい答えを書いて進みたい。
【大問2】物理(ものの運動)
- 難度:標準
- 時間配分:9分
しゃ面をおもりが転がる運動についての実験から設問に答えるもの。
(1)(2)は基礎知識のチェックでここを誤答した生徒はあわてて復習を。
(3)は実験結果を見て答えていくもの。ここでは表を細かく分析して答える必要があるので今までの中ではここの②が最も難度が高い。
①は、飛んだ距離に関しては「斜面の角度・高さ・おもりの重さ」のうち「高さ」だけが関係することを表からつかむ。
②は、表から「高さが4倍になると飛んだ距離が2倍になる」ことをつかむ。つまり、「高さがa×a倍になると飛んだ距離はa倍になる」というきまりである。距離を3倍にしたい場合は、高さを(3×3=)9倍にしなければならない。
③は実験Bの結果を素直に読めば良い。
ここは(3)②で点数に差がつくところだ。正解できれば有利になる。
【大問3】地学(百葉箱・湿度)
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
(1)~(3)は百葉箱に関する基礎知識の確認で、小学4年生のころを思い出しそうだ。
(4)でははじめて本格的な計算問題が登場する。
①がそれで、この設問だけは「やや難」レベルのものだ。表2から室内にある水蒸気の量が26℃のときのものから14℃のときのものに減少したことがわかるだろうか。部屋の温度の変化ではなくコップに水てきがつき始めた水温の変化を使うので正解は困難かもしれない。あとは表1の数値を用いて計算するわけだが、表1は1m3あたりの数値であり、部屋の容積は50m3だから最後に50倍することを忘れないように。
②は再度基本レベルの選択肢に戻っている。
【大問4】生物(生物生態系)
- 難度:標準
- 時間配分:8分
昨年度に引き続き生物分野は「生態系」に関する大問となった。
(1)は覚えておきたい言葉である。
(2)はせきつい動物をその特徴によってまとめたもので食傷気味なほど見てきた表であろうが選択肢の動物にややマイナーなものが混じっているので間違えないように。
(3)の実験はかなり本格的なものなのでじっくりと実験の過程と結果を読んで設問に答えたい。
①は実験区アの結果から答えはわかるもののどちらも同じ答えになるので少しだけ心配になる。
②は選択肢問題ではあるがなかなか考えさせられる。
③もまた自信を持って答えるには設問がユニークであり、正しい答えを導くにはそれなりの読解力が必要である。
(4)は常識に沿った選択肢を選べば大きくはずすことはあるまい。
攻略のポイント
テスト時間は30分で60点満点。受験者平均点が32.6点・合格者平均点が37.4点と、平均点の高かった昨年度からの反動か、本年度は2016年・2017年度レベルに戻っている。実際の合格点は60%(36点)位だが、過去問での目標点は70%(42点)に設定したい。
本格的な計算問題はほとんどなく、資料を読み取るテストではあっても設問自体は基礎的なものだったのは例年通りで理科が得意な生徒はここでかなり貯金ができたものと思う。
攻略のポイントとしては、問題文をしっかりと読んでから迅速に設問に答えていく姿勢が必要だと言うことだ。
理科の勉強法について簡単にまとめておく。
どの分野においても本当に大切だと思われる知識をしっかりと身に付けておこう。また,年度によっては計算問題も出題されるのでこちらも手抜かりのないように。むやみに難問にチャレンジするのではなく,しっかりと基本を固めて入試に臨むことができれば,おのずと合格がもたらされることだろう。
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