渋谷教育学園幕張高校 入試対策
2019年度「渋谷教育学園幕張高校の英語」
攻略のための学習方法
全体的には標準的な問題であるが、特に習得して欲しい文法事項を何点か指摘しておきたい。
1.完了形
完了形については現在完了と過去完了をしっかり学習しておいて欲しい。
特に現在完了については、完了(結果)、継続、経験の用法があるのでそれぞれ例文を参照して特徴を理解しておいてほしい。
また、経験の完了形の疑問文とその答え方、否定文の作り方につい十分な理解をしておくこと。
2.接続詞としてのasについての用法
意味としては①~なので(理由)、②~のとき(時)、③~だけれども(譲歩)、④~のように(様態)、⑤~につれて(時の経過)などが主要な意味である。
Asについては、接続詞の他に前置詞の使い方がある。
ここで、接続詞と前置詞の違いを確認しておきたい。
接続詞は文章が続くが、前置詞の場合は後に名詞が来るということである。意味を考えないと前置詞か接続詞かの見分けがつかないということではなく、文章か名詞かの区別を見ればよいのである。その上で、前置詞であればasは①~として、という意味であることをしっかり覚えておいて貰いたい。
3.関係代名詞
先行詞が人物であるか物であるかで使用する関係代名詞が異なること、そして主格(主語の位置で使う形)、目的格(目的語の位置で使う形)、所有格(所有の位置で使う形)で各々使用する関係代名詞が決まってくるということも理解していて欲しい。
さらに、目的格は省略されることもあるというルールを含めて、関係代名詞については最重要項目としてしっかり参考書や問題集を使用して確認を怠らないように。
受験生は英文が長くなれば長くなるほど、内容把握が難しくなる実感を持っているかもしれない。
では、英文は何故『長く』なるのか。その主要な原因が『関係代名詞』である。先行詞にどんどん関係代名詞をつなげていくことによって英文は長くなる。したがって、長い英文を正確に読むことができるかどうかは、関係代名詞をいかにマスターすることができるかどうかにかかっているということになる。
4.強調構文
基本的な形は『It is ~ that …』で、『~』の部分を強調するための構文である。
何を強調できるかというと、動詞以外は何でも強調できる。主語、目的語はもちろんのこと、前置詞句も強調できる。
主語を強調する場合は、『It is you that did such a thing.(あなたがまさにそんなことをやったのだ)』となる。
また、前置詞句(場所など)を強調する場合は、『It is at the station that you did such a thing.(まさに駅であなたはそんなことをやったのだ)』となる。
さらに、強調するものが時間ならば『when』、人物ならば『who』、場所ならば『where』、理由ならば『why』とそれぞれthatと置き換えて使用することができる。
こうすることにより、強調するものがより鮮明に確実に読み手に理解して貰うことでできるのである。
受験英語にとって上記事項だけが全てではないが、この事項を参考にしながら、基本的文法事項をしっかり習得して欲しい。
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2019年度「渋谷教育学園幕張高校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
【大問1】誤文訂正問題<7分>
【大問2】長文中における整序問題<10分>
【大問3】自由英作問題<8分>
【大問4】長文(説明文)読解総合問題<13分>
【大問5】長文(エッセー)読解総合問題<12分>
【大問1】 誤文訂正問題
- 時間配分:7分
基本的な文法事項やイディオムの知識があれば、完答も可能であろう。
1.‘One of the 複数形’は単数扱いであるので、動詞は‘are’ではなく‘is’である。
2.一般動詞の文に対して、「えー、そうなの?」と聞き返しているので、‘am I’ではなく‘do I’にならなければならない。
3.‘exciting’は物が主語、‘excited’は人が主語の場合に使われる。しっかり区別しておくように。入試英語では頻出の問題である。
4.‘since’は「~以来」という意味なので文の時制を完了形にしなければならない。従って、‘is’は‘has been’とする。
5.最上級の文章で、‘of’と‘in’の使い分けをしっかり覚えておくこと。‘of’の後は複数名詞又は数詞、‘in’の後は単数名詞が続くというのが原則である。
【大問2】長文中における整序問題
- 時間配分:10分
基本的構文知識を確実に知識として定着させること。
1.<2分>
与えられた語群から、‘so ~ that …’=「とても~なので…」の構文を思い出すこと。
2.<2分>
前後の関係から作りたい文章の内容は、「子供たちを森へ連れて行っておいて来る」という内容になるだろう。
3.<2分>
「暗くなって誰も来なかった」という文意にしたい。‘get dark’=「暗くなる」、「誰も来なかった」は‘no one came’としたい。
4.<2分>
「お腹がすいた」という文章の直後に、‘but’で始まる文章を考えるのであるから、「森には食べるものはなかった」という内容の文章となる。
5.<2分>
直後の文が、‘After eating them’となっているので、空欄に入る文章は「(食べ物を)与えられた」という内容になる。
【大問3】自由英作文問題
- 時間配分:8分
完全な記述式の自由英作文問題である。日本語の長文における前後の文脈を捉えて、与えられた日本文を自分のなかで、一度英文化し易い『日本語』に翻訳してみるのも一つの手ではある。
(1)「ほかの~より…」は比較級のうちの最上級構文である。‘比較級+than any other 名詞(単数)’を用いる。
(2)「これまで見たことがない」は現在完了形(経験用法)であるので、‘have never seen’と表現しよう。
(3)「する人はみんな」は‘everyone who’を使う。ただし、この場合の主語は『単数扱い』になるので注意すること。
(4)「知らなかった?」は‘Didn’t you know that…?’となる。
【大問4】説明文に関する長文総合読解問題
- 時間配分:13分
歴史上の出来事が事実なのか物語なのかについての説明文である。
問1.英文の整序問題<3分>
5つの英文から4つの英文を選択し、文脈に適合するように並びかえる。不要な英文が1つあることに注意すること。
問2.適語選択問題<2分>
空欄の文章は「どれも真実ではない」という意味にしたい。
問3.適語選択問題<2分>
(A)前後の文章が「逆接関係」になっている。
(B)前の文章を「否定」し、さらに「否定」しているので、「加えて」という意味の選択肢を選びたい。
(C)前の文章を受けて「それでは」という意味の選択肢を選ぶ。
問4.語句解釈問題<2分>
本文で使用されている‘fiction’は「作り話」という意味である。本文中では‘myth’が適切である。
問5.内容真偽問題<4分>
本文の内容に即し、選択肢の英文の意味もよく理解したうえで適切に真偽の判断を行う。
【大問5】エッセーに関する長文総合読解問題
- 時間配分:12分
問1.要旨把握問題<2分>
ビリーが森に入っていった本当の理由について考えること。干ばつで弱っていたシカの赤ちゃんを助けるためだったのである。
問2.文脈把握問題<2分>
ビリーがシカの赤ちゃんを救うために、手のひらをコップのようにして水を運んでいたのである。その水が手からこぼれないように慎重に歩いていたのである。
問3.適語選択問題<1分>
ビリーがシカの赤ちゃんに「水を与えること」が無駄遣いではない、とビリーが考えていたことがうかがえる。
問4.適文選択問題<2分>
選択文4つより3つを選択する。1つは不適切な英文であることに注意しよう。
問5.適語補充問題<2分>
直後に‘saved our farm’とある。「何」が「農場を救った」のかと言えば、干ばつ被害に苦しんでいるという全体の文脈を考えれば、「何」とは「雨」になることは明らかである。
問6.内容一致適文選択問題<3分>
1.「ビリーの村では、、毎年乾季がある」という文章に続く英文を選択する。
2.「ビリーの母親が彼の後をついて行ったとき」に続く英文を考える。
3.「ビリーが何度も森へ行ったり来たりした理由」は「何」なのかを選択する。
攻略のポイント
全体的にみると、すべての分野から出題されている。
合格点を取るための知識としては、基本的な文法事項、イディオム、長文読解力(速読力と精読力)が求められ、かつ聴く力が必要である。
受験生の中には、相当量の文法知識を蓄積している場合もあるだろう。
しかし、大事なことは、知識として蓄積している様々な知識を適切にかつ迅速に設問に当てはめられるかである。
言い換えれば、一つの問題にその正解へとつながるヒントが詰まっている「記憶の中の知識の引出し」を自力で正確に開けられるかどうかである。
そのためにも、いろいろなレベルの問題に慣れておくことが必要であるし、長文読解も数多くの英文を読む習慣が不可欠である。