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立教池袋中学校 入試対策

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2019年度「立教池袋中学校の算数」
攻略のための学習方法

立教大学の付属中学であり、中学受験の老舗として2月2日に存在感を誇る立教池袋中学。AO入試の実施など話題も振りまきながら、安定した人気を維持しており、当然のごとく難易度の高い学校である。

さて、その算数は、やはり「老舗の味」で昔から変わらぬ形式を貫いている。時代によって問題の難易に多少の変動はあるものの、そこから受ける印象は変わらない。それは「簡単そうで、簡単ではない」という印象である。ここ何年かの問題を見ても、それは変わらない。

テスト時間は50分で、大問10、小問は20。
問題文はあまり長くないし、図も見たことがあるものが多い。受験勉強をしっかりとやっていればいるほど既視感も強く、問題を始めるにあたっても「この問題は○○と似ている」「これは○○算の考え方を使って」など、迷いなく問題に入り込める。これなら十分解いていける。80点くらいは取れるかな…で、結果は45点だったりする。それが立教池袋の算数である。

点数が取れそうで取れない理由としては、まず「計算が意外と複雑である」点が挙げられる。
計算問題はもちろんのこと、速さや割合・図形の問題でもあえて計算しにくい数値が与えられたりする。考え方はあっているけれども、答えを間違えてしまうという流れだ。ところが、誤答ではあっても、生徒(および保護者)は、「考え方は分っているのだから、今度は計算間違いしないようにすればいいや」と、あまり反省せずに流してしまうことが多い。中には「ここは計算ミスなんだから、できたものとして~」などと、正解の方にちゃっかりカウントしていたりする人も…。しかし、そこが学校側の狙いであるとしたら…。考え方がさっぱり分らなくても、単純な計算ミスでも、×は×であり、不正解に違いない。計算までしっかり出来ていて、はじめて○なのだ。この認識を強く持っておかないと、この手の問題はいつまでたっても正しく答えられないだろう。

また、類似問題を解いた経験があるだけに、解く心に隙が生じるのではないか、という点も挙げておく。
それが集中力を欠くことにつながり、不正解を生む。そのあとに模範解答を見ても「ああ、ここをこうすればよかったのか。ただそれだけのことでいいのか。簡単だ」というあまり反省しない態度のまま通過し、結果的に問題を解いたことが勉強の肥やしになっていかない。

物理的な問題としては、時間不足が挙げられるだろう。
大問を1問5分で解けば間に合うけれども、その場合、見直している時間は皆無である。全体に平易とは言え、設問の(2)には時間がかかるものもある。ときには問題への入り方を誤り、やり直すこともあるだろう。1問を4分30秒程度で解いていくことを考えると、やはりスピードが要求されることになる。解く速さは自覚的に直していかない限り速くなることはない。

テストを終えた後も、「なんとなく出来たような、出来なかったような、でも、わからないということはなかった」という半端な感想を抱く。
これが、1月校の立教新座であれば「なんと手強い問題群だろう…でも、がんばってきた甲斐があった。結構できてるぞ!」と手応え十分だ。もちろんその逆の場合もあろう。どちらにせよ、出来たか出来ないかがテストを受けた側にはっきりと印象づけられるところがある。
ところが、立教池袋の場合、戦って「負けた気はしない」のだ。しかし、数字を見ると点数は上がっておらず、結果もよくない。入試は失敗に終る…。
これが「簡単そうで簡単ではない」という由縁である。

難度の高い問題に挑戦していくより、むしろ対策を立てにくいかもしれない。
出題される内容は、塾や自宅のテキストにあるような問題ばかりだから普段の勉強がそのまま対策につながっている。とりたてて新しいテキストに取り組む必要はない。
過去問を解いていくうちに、時間配分も出来てくる。

では、立教池袋の算数で合格点が確実に取れるようになるには、なにをすればよいのか。
標準的な問題は、「100%確実に解ける力」をつけることだ。
例年の問題を分析してみると、いわゆる「標準的」(いつも勉強中に解いている問題と同レベルの問題)はほぼ解けていることが合格最低点への必要条件になっている。テストの前半、50点分くらいは確実にあてておきたい。そのためには、先ほど注意した計算ミス・考え方のイージーミスなども真剣に反省すること。
計算ミスには、必ず原因がある。計算する字が汚い、解き方に工夫がないなど、たいていの場合はテクニック不足と計算慣れしていないことが主な原因だ。
「12000+1250」のたし算と、「12000×1250」のかけ算をやってみるとよい。たし算の方はあまり問題ないはずだ。

かけ算では、筆算で、「125×12」をまず計算し、あとから「0を4個つけている」生徒は合格。
ノート(計算用紙)を見ると、「1の位をそろえて計算し、やたらと0ばかりたくさん書いている」ようでは不合格だ。かけ算のときは「有効数字」の末尾をそろえて計算するからである。後者の場合、計算ミスが多発するか、またはできていても時間が非常にかかってしまう。こう言った部分で点差または時間差が生じてしまうのだ。

この機会に、改めて四則計算の筆算、単位(面積・体積など)の確認、分配法則など計算の工夫に関する見直しをしておくとよい。
小さな差が最終的に大きな差、取り返しがつかないほどの差になっていくことになる。

各単元の解き方も、しっかりと見直しを図ろう。
「だいたい解ける」、ではなく「確実に解ける」ようにしておくためには、自分勝手なやり方ではなく、堅実な解き方を身につける必要がある。
標準的な問題では、粗雑なやり方でも解けてしまう場合が往々にしてあり、それが危うい実力を過大評価しかねない。

角度を求める問題などで、持っている武器(解く手立て)が「三角形の内角の和」しかないために、角度をすべて求めて答えまでたどり着き正解を得る、という生徒がいたとしよう。その問題はできたものと処理されてしまい、あとで顧みなくなるか、同じような解き方でしか対応できないだろう。基礎的な知識だけでは解き方に限界が来てしまう。立教池袋レベルの学校を真剣に受けて受かりたいと望むならば、他のもっとよい、しかも応用の利く解き方も身につけていってもらいたい。その努力によって、点差はつかないかもしれないが、時間差を有利に作り出すことが出来る。

分野別で見たときに、ここを強化すべきというものは特になく、まんべんなく手を出せるようにしておきたい。
あえて言えば「平面図形」「立体図形」「割合と比」「速さ」「規則性の問題」「数の性質」などは優先的に時間をかけてもいいだろう。例年出題されている分野である。また、この学校特有の出題(図形のまわりの長さなど)にも過去問を通して慣れておきたい。
残された時間を有効的に使い、合格するに十分な「60点以上」を目指して、日々がんばっていこう。

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2019年度「立教池袋中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が10,小問が20。毎年計ったように同じ分量で出題されている。大問1問あたり5分で解いていくことを考えると時間的には余裕がない。
 昨年度は高難度の問題が多く苦しまされたが、本年度はとりたてて難問と言える水準の問題は出題されなかった。ただし、それでも時間的余裕はもてないので、問題文をしっかり読んで素早く取りかかるという姿勢が必要だ。合格点(65点前後)をとるには総合力が欠かせない。

【大問1】計算問題

  • 難度:
  • 時間配分:4
  • ★必答問題

小数・分数・整数の四則混合計算で、手際よく1問2分以内で処理したい。もちろん、正解は必至。

【大問2】割合と比(分数)

  • 難度:標準
  • 時間配分:4
  • ★必答問題

(1)は瞬殺だと思うのでポイントは(2)CDの関係を線分図に表し比の大きさをそろえるか、C=①とおいて比例式を用いる倍数算として解くかだ。持ち時間の大半はこちらで使うことになる。正解しておきたい。

【大問3】平面図形(底辺と比)

  • 難度:
  • 時間配分:3
  • ★必答問題

これは「易」に属する問題。辺ABを表す2つの比の大きさをそろえて一気に解答に持ち込もう。

【大問4】場合の数

  • 難度:標準
  • 時間配分:5

回投げてDに来る場合を分けて、それぞれ丹念に調べていく。丹念といっても「のんびり」ではない。テキパキと数えていこう。

【大問5】割合と比(消去算)

  • 難度:標準
  • 時間配分:5
  • ★必答問題

あせったところで仕方がない。(1)(2)とも設問に応じて、きっちりと数え上げていこう。特に(2)は慎重に。2よく出題を見る典型的な問題であり、解き方も心得ていると思うので昨年の電車とバスの運賃をそれぞれ、△1とおいて式を2つ立て、消去算として処理しよう。最後の答え方(昨年の~、今年の~)を間違えないように。

【大問6】割合と比

  • 難度:標準
  • 時間配分:5
  • ★必答問題

 A中学校とB中学校の人数の比9:8の大きさをそろえて、比1あたりの大きさを求めていけば良い。【大問5】【大問6】はそれぞれ時間配分を5分ずつとしたが、ここを6分程度で切り抜けられると後半に少しだけ時間の余裕が持てる。

【大問7】図形(おうぎ形のまわりの長さ)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6

言っていることはよくわかるし、求め方も単純だ。しかし、いかにも面倒くさい。それがこの【大問7】だ。しかし、来春立教池袋中学の校門をくぐりたければ文句は言っていられない。円周率の計算には分配の決まりをうまく使いながら計算に要する時間を節約しよう。ここは多少タイムオーバーしても正解しておきたい。

【大問8】水そうグラフ

  • 難度:標準
  • 時間配分:6
  • ★必答問題

容器の形は複雑であり、グラフも仕切りの右側を表しているので大変そうに見えるが、水の体積を用いずにグラフと比を使えば計算もたてこまず正解まで行けそうだ。
左側15cmまでいっぱいになるのにかかる時間は2分なのでこれを「10×15」と対応させる。右側12cmまでいっぱいになるのにかかる時間は4分(6-2)なので、右側と比べて時間が2倍かかっていることから水の体積も2倍であることがわかる。「10×15」の2倍は300なので、300を12でわってあの長さは25cmと求まる。
(2)さらに20cmまでの水が入っていない部分の容積を求めると、120+250で370となる(この数値に関しては自分で計算してもらいたい)。2分で150なので、370だと4分56秒かかっていっぱいになる。あとは6分を加えるだけ。ここはできれば正解しておきたい。

【大問9】速さと比

  • 難度:標準
  • 時間配分:6
  • ★必答問題

電車は出てくるものの「通過算」ではなく、シンプルな逆比の問題になっている。BC間を時速72kmと時速48kmで走ったときにかかる時間の比を求めて、かかった時間の差から所要時間を求める。4分間停車していなければ時間の差は8分である。あとは計算が待っている。距離がわかればおのずと(2)の答えも湧いてくる。この問題における、A駅の存在とは何だったのだろうか、という疑問を残して最後の問題へ。

【大問10】周期算

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6

本年度は最後の大問が段違いに難度が高かった。階段を上ったり下りたり、という速さの問題に除夜の鐘の周期が加わり複雑な形態をとっている。加えて、1セットの途中で48段を上りきってしまうので、はじめて48段上り終わる少し前から調べていかなければならない。しかもその時間を求めないと(1)の答えも出ないので厄介だ。本年度のテストでは、この問題だけは「捨て問」と決定してもいいのではないだろうか。もちろん、腕に自信のある生徒はチャレンジするもよし、ただし前半の問題の見直しをしてからが無難だ。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
受験者平均点が58.1点と昨年度より問題半個ぶんぐらい上がっているが問題の水準は例年並みに戻った。平均点プラス5点を合格ラインとして目標点は65点としよう。
全部で13問正解すれば良い。
本年度の問題だと、【大問1】から【大問4】(1)までと【大問5】【大問6】をとれて55点、あとは【大問7】【大問8】のそれぞれ(1)が解きやすい。これで65点なので、やはり基本レベルの問題は1つも落とせないという感じがしてくる。
立教池袋の算数の場合、決して新傾向の問題が出されるわけではないので,ふだん塾や市販の教材をしっかりと行い、典型題の解き方や円周率のまとめ方など基本的なテクニックをしっかり身につけよう。さらに問題を早く解ける技術も体得しておきたい。その上で過去問に取り組み,時間配分と問題の難易度を自分のものにしていきたい。

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