巣鴨中学校 入試対策
2019年度「巣鴨中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成・形式
巣鴨中学の試験は、近年は大問3つ、それぞれに地理・歴史・政治分野が割り当てられ、配点も地理・歴史が多めであり、やや地歴重視と言える構成になっている。総解答数25~30問で時間は30分なので、時間には余裕がある。
出題形式は記号選択・正誤選択が多く、用語記入が数問混じる。例年では出されていなかった記述問題が、2019年度では出されるようになった。今後の傾向として記述問題の練習もしておかれたい。
解答形式が少し複雑な設問が見られるので、問題文を注意して読み、誤解しないよう気をつけること。
内容自体は極端な難問は出されないが、正解を選ぶのに細かい正確な知識を必要とするものがあるので、選択式だからといって油断はできない。記入は漢字指定なので、漢字が書けなければ得点にはならない。
地理分野
地図に示された範囲の地勢・気候・産業について問う形が多い。
長野県の地形図といったひとつのテーマに沿って出題される場合もあるし、各都道府県の産業のように広く総合的に訊かれる場合もある。各地の農・林・水産業、貿易とその相手国、地形や地形図の読み取りなどの問題が過去に出題された。特に、農産物と気候(雨温図)の問題は出される年が多くなっている。2019年度では災害と防災というテーマで地震・水害やその対策について詳しく訊かれる問題が出された。
テキストで各基本事項を押さえたら、地図・白地図で地形・位置・産業の特色などをまとめていく。特に、各地域の農産物の分布など、最新版の資料集でデータを集めておく。気候区ごとの雨温図の特徴と代表的な都市は正確に頭に入れておくべきである。また、地名を答える問題も多いので、地図で位置を確認し、漢字で書けるようにしておく。
歴史分野
各時代・各分野から幅広く出題される。
短い本文を読んでから各問に答えるパターンと、箇条書きの短文説明に1問1答で答えていくパターンとがある。他校の試験で見られるような史料は、本校ではほぼ出されていない。
選択肢の中にミスを誘う紛らわしい一言が含まれていたりするので、注意が必要である。
時代順の並べ替えも出されているので、年表を活用して流れが頭に浮かぶようにしておく。また、年号を直接訊かれる問題もあるので、自分なりのやりやすい覚え方を見つけて暗記したい。
政治分野
日本国憲法・三権の仕組みとはたらき・時事問題などが出される。
中国の経済成長やヨーロッパ連合など、テーマを絞って出題される問題と、環境・経済・政治などについて述べた10ほどの短い説明文の正誤を選択する問題と、およそ二つのパターンが見られる。
まずは日本国憲法と政治の仕組みの基本事項をしっかり覚える。
正誤を選ぶ問題は、細かい部分まで正確な知識が要求される。テキストに載っていること、新聞・ニュースで知ったことなど、そのつどよく調べて正確に理解しておけば、大きな力となる。
地歴対策
地理と歴史の配点が大きいことを考え、この2分野は重点的に取り組み、特別な難問や細かすぎる知識は問われないので、基礎力の充実に努める。
地理分野は出題傾向に少し偏りがあるので、良く出る問題を過去問で調べてその範囲は特に念入りに学習しておく。
歴史はやや細かい知識が問われることがあり、並べ替え問題も見られるので、テキストと年表を併用し、その事項の周辺まで詳しく見ておくようにする。時事問題対策として、広く社会の出来事に関心を持ち、目を向けることも忘れないでほしい。
さらに、本校の特徴である選択肢問題への対応がある。細部にまで注意が必要な選択肢や、複雑な答え方をさせる設問など、ミスを誘うような出題が多いので、過去問を多くこなして、落ち着いて対処できるように慣れておくことが重要である。
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2019年度「巣鴨中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は28問。地理11問・歴史10問・政治経済7問という割合であった。
記述問題が出されているので、他の問題をテンポよく答えて、統計データの読み取りなどとともに記述に少し多めに時間を回せるようにしよう。
選択肢の細部の違いも見落とさないように慌てずに目を通そう。
【大問1】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:11分
地震や水害などの話題で、災害の仕組みや対策などについて訊かれている。
問1 最初は接触する力が強いということなのでアから始まる。以下、エ→イ→ウと砂つぶが沈んでいく様子で並べればよい。
問2 ウ 地すべりや土石流は傾斜の大きい地表面が大量の水で崩れ押し流されることで起こるので、液状化とは関係がない。
問3 波のエネルギーが一点に集中することで高くなるので、ウ→ア→イの順になる。
問4 図中の火山はプレートの沈み込みにより形成されたものが多く、海溝と平行に列を作っている。
問5 渦が反時計回りの場合、左側では風の向きと進行方向の勢いとが打ち消し合って弱まり、右側では一致するので風が強くなる。
問6 舟形屋敷では流線形の先端を上流に向けた方が水流の勢いを分散できる。かすみ堤では増水が上流に向けてゆるやかにあふれるように上流側にすき間を開けた堤を設け、下流に一気に水が流れないようにする。
問7 問6の説明を参照。
問9 エ 砂防ダムは土砂の流出を途中でせき止めるため、海岸付近では土砂の流入が減って海岸線の浸食は進むことになる。
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
各時代の人物や出来事について訊かれている。
問1 聖武天皇は仏教を信奉し、大仏や国分寺などを建立して仏の力で戦乱や疫病などの世の中の不安定を治めようとした。
問2 北九州に置かれた大宰府という役所に送られた。
問3 最澄は伝教大師とも呼ばれ、比叡山延暦寺を総本山とする天台宗を開いた。イは鑑真、ウは一遍上人、エは空海・弘法大師のことである。
問4 アは『古事記』の編者、ウは『徒然草』の筆者、エは『万葉集』の編纂者である。
問5 アは豊臣秀吉、イは北条義時、エは源頼義の説明である。
問6 町火消は町人による消防組織で、主に身体能力に優れたとび職で構成され、最終的にいろは48組となった。
問7 アは二条城、ウは大阪城、エは肥前名護屋城のことである。
問8 アは「見返り美人」の作者、イは美人画で有名な浮世絵師、エは「富嶽三十六景」の作者である。
問9 新井白石による正徳の治が18世紀初めのことなので、イが選べる。
【大問3】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:7分
パラオへの旅行を話題に、戦争や国際関係についての問題が出されている。
問1 第一次世界大戦が1914~15年であり、パリ講和条約はその後の1919年に開かれてベルサイユ条約が調印された。
問3 (1) 天皇は内閣の助言と承認にもとづいて国事行為を行う。
(2) 最高裁判所の長官は内閣が指名し天皇が任命するので、エは誤り。
問4 信託統治理事会は、新たな国の独立などの際に一定期間、その国を国連の統治下におき、安定的な社会を構築するための組織である。現在は活動を停止している。
問6 ディスポーザーやコンポスターなど、生ごみを粉砕・乾燥させて悪臭や腐敗を防ぐ装置がある。乾燥させたゴミは量も減り、肥料にしたり家畜のえさに混ぜたりといった再利用ができる。
攻略のポイント
問題数や配点などが、以前のような毎年一定の形式ではなくなっている。問題の難易度や質問の内容には大きな変化はないので、過去問でしっかり傾向を見ておこう。
基本事項の問題が多いが、決して簡単な試験ではない。基本の中の高いレベルの実力が求められる。テキストを細かい部分まで正確に覚える必要がある。
2019年度から記述問題が加わった点に注意が必要である。今後もこの傾向は続くと考え、準備をしておく必要があるだろう。
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