巣鴨中学校 入試対策
2019年度「巣鴨中学校の理科」
攻略のための学習方法
巣鴨中学の理科を攻略するためには、次の2つの力が同時に内在しなければならない。
1つは,理科における十分な基本的知識。
もう1つは,計算問題への対応力である。
どちらが欠けても将来の合格点は見えてこないので,両輪がそろうようにこれから勉強を積み上げていきたい。
「基本的知識」のレベルは決して高いものではなくてもよい。普段塾や家で学習している参考書や問題集において、「重要」と記されている箇所の項目を徹底的に暗記して身につけることだ。簡単そうに見えるが容易ではない。
この際には、自分への妥協は出来るだけ排除すること。巣鴨中の受験生は理数系が得意な生徒が集まってくるので理科で差をつけられないためにもできるだけ高得点を自らに課したい。
暗記においても「ここまで覚えたからいいや」ではなくて,重要項目はくまなく覚えきる。手を抜いたところが出題されるかもしれないではないか。そのとき,ライバルたちはそこで得点出来るに違いないのだ。意地のぶつかり合いだ。是が非でも巣鴨に合格したい場合は相手に負けない根性をもって項目の暗記に努めたい。
そしてその知識の確認には,過去問H28年の「植物」,H27年の「植物と昆虫」「地球の歴史」などの大問が使える。すらすら解けるようであれば,こちら側の力はもう十分だ。
とにかく,「もうおなかいっぱい」と自分もまわりも(?)満腹を感じられるまで知識量は増やしておこう。
なぜかというと,2つ目の力は「ついた」と自覚してもいささか心許ないからだ。
それは計算問題への対応力。
「生物」や「地学(天体や気象など)」よりも,覚えることが少なくて計算があたれば出来る「てこ」や「滑車」の方が好きな生徒もいるだろう。テストでもそういう分野が出ると俄然張り切る生徒(笑)。そういう生徒にははじめから計算力への対応力はあるので暗記の時間を増やしていけばよい。暗記がイヤでもやり給え。
問題は「計算問題」でつまずいてしまう受験生たちである。
巣鴨の入試問題における計算をふくむ大問は難易度が高い場合がある。まず,与えられた条件が複雑であり,数値も一気にたくさん出てくる。本番では頭がパニックになりそうだ。しかし,ここを乗り越えなければ合格は見えてこない。
今回,一から計算問題をやり直そうと志す者は,本当に基礎的な問題から順に難易度を上げて自分が引っかかった箇所を把握しておこう。物理の大問では,設問は後半に行くほど難易度が上がる仕組みになっていることが多いので,前半の設問はさほど難しくない場合もある。苦手意識のある生徒はその前半だけでの得点でも十分だ。無理してまったくわからないものまで理解しようとしなくてもよい。
計算がからむ大問においてこわいのは,はじめの方の答えを計算ミスしてしまうと,あとの設問で次々と失点を重ねてしまう可能性があることだ。これは暗記分野にはないこと。だからこそ心許ないといえる。
安定した暗記分野での得点力としっかりと身につけた計算問題への対応力,この二つがそろってこそ難関と呼ばれる巣鴨の理科を突破できるのだ。まだ時間は十分にあるので気合いを入れてがんばって欲しい。
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2019年度「巣鴨中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
30分で40問以上の小問に答えなければならず。そのうち、計算を必要とする設問が他校と比べても多く含まれているので、迅速に答えを出していくことが必要だ。
すべての設問で計算を要する【大問2】は別として、それ以外の【大問1】【大問3】【大問4】の暗記系の設問はシンプルな問いかけが多く、頭の中にある知識をそのまま使えるものが多い。合格点はそれだけでもまかなえるが、理科で攻めたい生徒にはやはり計算問題の克服が不可欠である。捨て問と呼ぶほどの難問はないものの自分の力と相談して30分という時間をうまく使いたい。
【大問1】生物…アキアカネの生態
- 難度:易
- 時間配分:6分
- ★必答問題
アキアカネとは通称「赤とんぼ」のことで、問題文中でも触れている。アキアカネが属する昆虫・節足動物についての知識問題が問1から問8までこんこんと続く。小問はすべて基本的な問いかけであり、暗記用教材などには必ず書かれているものばかりだ(問4は少し迷うところか)。できればすべて正解しておきたい。
最後の問9には巣鴨らしい計算問題が待っている。文中の条件をよく読んで正しい式を作って答えたい。
2000×0.8×(1-0.98)×(4分の1)、最後に出てきた成虫の数のうち、半分はオスなので注意したい。
【大問2】物理…浮力・ばね・輪じく・かっ車
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
まず「浮力」が登場する。問1はあいさつ代わりで、次からは「ばね」「輪軸」「定滑車」など多士済々な面々が現れて図2、さらに図3の「計算天国」へ受験生を誘うことになっている。昨年度の【大問2】同様、本年度最も難易度の高かったところである。巣鴨を受験する、と決めた時点で「理科には計算問題はつきもの」という負荷は承知の助なのではじめから及び腰の生徒はいないと思うが、問5以降後半の設問は難問ばかりなので与えられた時間と相談してチャレンジするところはチャレンジする、合格のための得点を重ねるのであればスルーしてうしろの大問に移動していこう。
問1は水の中の浮力なので「水の中の体積=浮力」がわかっていれば解ける。
問2は輪軸の重さを点Qと点Rが分け合うという問題。輪軸の重さがポイントになる問題は珍しい。
問3は40gで1cm伸びるばねなので、点Rにかかる重さで何cm伸びるかがわかれば自然長も求められる。
問4は半径の比に応じて巻き取られる長さが決まる。
ここまでは計算1つで求められる設問である。全問正解を課したい。ここからはあとは、自分の力と相談して解けるところまで解いていこう。
問5は突然の難度ジャンプアップで、ばねののびから点P,Qにかかる重さを求め、その和におもりから受ける浮力の大きさを加え、最後に滑車の重さをひくとしてシロモノ。
問6からはビーカーの中身が「水」から「謎の液体」に代わるのでさらに難度が増す。
問6は「液体」とはまだ無関係である。問5同様、輪軸にかかる重さをそれぞれ求めて答えを出していく。
問7では液体から受ける浮力の重さを求め、(水の中にある)物体の体積で割って液体の重さを求める。
問8では液体全体の重さを求め、全体の重さから液体の重さと浮力の重さを引き算して答えを求める。
【大問3】地学…月・火星
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
再び基本知識の確認に戻る。問1~問5(1)は迷うことなく正解を選べるはずだ。
問5(2)では、「太陽から地球までの半径」を1,「太陽から火星までの半径」を1.5とおくと、地球と火星が最も近いときの距離は(1.5-1=)0.5、最も遠いときの距離は(1.5+1=)2.5となるので正しい答えを導ける。
問6は後半が難しい。(1)は360×2.14の計算をするだけ。(2)は(1)の答えから1年分の角度(360度)をひけば良い。
(3)はたまに見かける典型題の1つで、解いたことがある生徒であれば有利な問題だったと言える。火星が太陽のまわりを2.14年で(2)の答えである角度をまわったことから360度回るのにかかる年数を求めることが出来る。
(4)では火星と地球が1年の回る角度の差と360度の最小公倍数を求め…と多分に算数的な問題となっている。
ここは問6(1)まではがんばって得点したいところだ。
【大問4】化学…水溶液の分類・計算問題
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
この大問は[Ⅰ]から[Ⅲ]までに設問がわけられているが[Ⅰ]・[Ⅱ]は指示薬・水溶液に関する基本的な知識を確認する時間に過ぎないので、ここは全問正解すべし。
[Ⅲ]は塩酸や水酸化ナトリウム水溶液の、濃さによって1cm3あたりの重さが変わることを使っての計算問題で新味はあるが中身はそれほど複雑ではない。
問6は算数の食塩水の問題と同じ手法で解く。
問7は水溶液の体積を重さに換算すると比例の関係から解ける。
表から、20%の塩酸2cm3の重さは2.2g、14%の水酸化ナトリウム水溶液3cm3の重さは3.45gなので、4.4gの塩酸ならば水酸化ナトリウム水溶液も2倍の重さが必要である。
問8もまたそれぞれを重さに直してから計算してみる。
4%の塩酸100cm3の重さは102g、20%の塩酸100cm3の重さは110gなので、
(0.04×100+0.2×100)÷(100+100)=0.122…となるのでウを選べる。
攻略のポイント
テスト時間は30分で50点満点。
本年度は前年度より難易度が上がった感があり、【大問2】を含めて70%の得点ができれば上出来だろう。それで十分に合格できる。
合格点をとるためには、設問の過半数を占める知識問題で地道に得点を重ねつつ、そこかしこに存在する計算問題を理科の力に合わせて消化していければ大丈夫だ。
また、「生物」「地学」ほか「気体の性質」「水溶液の性質」「燃焼」「電磁石」など、頻出分野での暗記項目には強くなって万全を期そう。
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