立教新座中学校 入試対策
2020年度「立教新座中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題形式
平成26年度に解答の形式が大きく変わって以降、選択式問題と適語記入問題が大半を占める形式となった。ここに1~2問の短文記述が加わることが多い。
平成26年度では選択式28問・語句記入13問、2020年度では選択式16問・語句記入25問といったように、年度により構成の割合を変えてきているようである。2020年度では歴史・政治経済分野で適語記入が多いという特徴がみられた。
このように、ここ数年は意図的に形式を変えているようなので、この点についてあまり気にしてもしかたないかもしれない。
なお、2017年度では出題されなかった1行程度の説明記述は、2019年度では出されて、2020年度では出されなかった。
30分という試験時間はやはり少ないので、速さも必要である。
地理分野
大問は3つで、それぞれ地理・歴史・政治と分かれているが、過去にはそれらが融合した問題も出されている。
例年、地理分野は地図や図表を用いて地名・地形・気候・産業について幅広く出題されているが、2017年度のように資料が用いられなかった年度もある。いずれにしても訊かれている内容に大きな変化はなく、日本地理全体の基礎的内容が問われている。
新幹線の路線別輸送量の表など、普段見慣れない表が使われ多年度もあったが、細部に踏み込んだマニアックな設問はほぼ見られない。
したがって対策は今まで通り、まずは基本事項を覚える、そして地図やグラフを常に参照しながら白地図等でまとめて確認し、資料集で新しい統計を頭に入れて全体を結びつけていく……という地理の勉強の王道となろう。
特に日本地図は飽きるくらい眺めて脳に取り込んでしまいたい。
選択式になったとはいえ、これまで同様、正確な知識が必要であることは当然である。
歴史分野
歴史分野はあるテーマをもとに様々な時代の政治・文化について訊かれている。ここも地理と同様、極端な難問は出されていない。
ただし、時代や年号があやふやだと答えられない問題が多いので、人物・出来事の基本事項とその関連事項について年表などを使って時代・年代ごとに統合して覚えるのが肝要である。記述は当然、漢字で書けるようにしておく。
政治分野
政治分野は例年、憲法・三権の仕組み・国際連合などについて出題されているが、日本国憲法や政治のしくみに関する問題が頻出傾向なので、特に力を入れて理解しておいた方がよい。
過去問演習
前年と少し出題の形が変わることが多いが、戸惑わないようにしたい。形は変わっても、内容や難易度が大きく変わるわけではない。選択肢の細部によく注意してヒントや問題点を見逃さないように、用語を漢字で書けるように、例年通りに意識して練習しよう。
似た形式の問題が出る、例えば城北中学校などは受験難易度を考えても併願校として考えやすいので、城北の過去問で練習するのもいいかもしれない。
とは言うものの……。
過去問を遡って見てみると、立教新座という学校は、試験がワンパターンにならないように毎年工夫している。地図の読み取りが集中して出されたり、リード文が会話形式になっている年度があったりと、バラエティに富んでいる。
しかし、出題の範囲や難易度はほぼ一定で推移しているので、あまり問題の形式に神経質にならない方が良いかも知れない。来年度はまた元に戻してくる可能性だってゼロではないのである。
中学入試の典型的な問題も多いので、ミスの無いよう、問題集で練習を重ねて確実に得点できるようにしておく。その上で、テキスト以外の教材も活用して、断片的な知識をまとめて、すらすら思い出せるようにしておく。
例年はよく出題されている1~2行で答える記述問題なども、覚えた知識を利用してその一歩先を自分で考えなければならない問題になっていることもある。しっかり身につけた知識でないととっさに活用できない。
自分が勉強してきた範囲全般にわたっての確実な知識を持つ。環境問題・時事問題にも対応できるように、新聞やニュースにも興味を持って目を向ける。そのようにして偏りのない総合的な実力を持たないと、合格ラインにはなかなか届かないであろう。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2020年度「立教新座中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は41問。適語記入25問・記号選択16問で、記述問題は出されなかった。
試験時間は30分。知識があれば答えられる問題が多いので、テンポよく解いていける。
ただし、設問の文が詳しく長い傾向にあるので、全体の文量は多めになっている。読むスピードは速い方が良い。
できる問題を確実に取るために、ひととおりすべての問題に目を通せるようにペース配分を掴んでおきたい。
【大問Ⅰ】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:5分
沖縄地方を題材にした問題。
問1 那覇空港からは与那国島・石垣島・久米島・宮古島などへの乗り継ぎ便が出ている。
問2 Aは尖閣諸島。Cは与那国島で、韓国と領有権が争われているのは島根県・竹島。Dは波照間島で、日本最南端は東京都・沖ノ鳥島。
問4 ④ 急傾斜の高い屋根は、雪が多い地方の合掌造りなどの特徴である。
問5 志摩半島は海岸線が複雑なリアス海岸となっているので、三陸海岸を示している③が選べる。④は対照的な特徴を持つ砂浜海岸の千葉県・九十九里浜。
問6 アットゥシ織はアイヌ伝統の織物。小千谷縮は新潟県、大島紬は鹿児島県・奄美大島の伝統工芸品である。
問7 蚊が媒介するマラリアは現在でも世界中で多くの人命を奪っている伝染病である。
【大問Ⅱ】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
栃木県を話題として、気候や産業について訊かれている。
問1 筑波山は茨城県、赤城山は群馬県、磐梯山は福島県にある山である。
問2 ① 縮率が強い(5万分の1)のほうがより小さくして表示してあるということであるから、より広い範囲が示されていることになる。
③ 高等学校は地図記号が少し違う。
④ 税務署の地図記号はそろばんの玉を図形化したものである。
問3 (2) 漆は木に刃物で傷をつけ、その下に入れ物などを置き染み出してくる樹液をためるようにして採取する。
問4 ③は気温の低さなどから北海道・帯広市。②は冬の降水(雪)量の多さから日本海側の山形県・酒田市。気温が高い④は愛媛県・松山市と考えられる。
問5 (1) 遼東半島は朝鮮半島の北西に突き出ている部分。秋田県・大潟村を通る北緯40度の緯線が通っている。
(2) ①は出荷額も大きく、機械工業が著しく多いことから中京工業地帯。④は化学工業の割合の高さから京葉工業地域。②も化学工業が多いことから、コンビナートなどの多い瀬戸内工業地域。輸送用機械・楽器などの多い東海工業地域が③となる。
【大問Ⅲ】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:11分
- ★必答問題
日本各地の岬に関連する歴史的な事柄が訊かれている。
問1 間宮林蔵は徳川将軍家御庭番を務めた役人で、蝦夷地などの北方を探索し樺太が島であることを発見した。
問2 1855年2月(和暦では1854年12月にあたる)に日露和親条約が結ばれ、択捉島以南が日本の領土とされた。
問4 鎌倉時代に後鳥羽上皇の命令で藤原定家らにより編纂されたのが『新古今和歌集』。
問6 1858年に結ばれた日米修好通商条約。
問7 モリソン号事件における幕府の行動を批判した渡辺崋山や高野長英らが処罰された「蛮社の獄」。
問8 最澄を開祖とする天台宗の本山・比叡山延暦寺。真言宗の本山は高野山金剛峰寺。
問9 イギリス船ノルマントン号が沈没し、日本人が救助されなかったという事件。不平等条約改正への要望が高まり、治外法権の撤廃へとつながった。
問12 文禄・慶長の役は豊臣秀吉による朝鮮出兵のこと。④の雪舟は室町時代に活躍した人物である。
問13 沖縄返還は1972年。これより前の出来事は⑤の日米安全保障条約(1951年)である。
問14 (1) ペリーが来航したのは神奈川県・浦賀。
(2) 元の襲来は北九州・博多湾。
【大問Ⅳ】政治経済分野
- 難度:標準
- 時間配分:9分
海上交通や海運に関連して、国際関係や政治について質問されている。
問1 (2) 習近平との間で合意されたしくみだったが、現在では両者の意見が食い違い、実行されていない。
問2 死亡したときの保証(生命保険)や事故などの損害に対する保険(火災保険など)といった民間の保険や、年金・医療など国が行う社会保険など、さまざまな将来のリスクへの備えが設けられている。
問4 現金(キャッシュ)のやり取りがないキャッシュレス決済。スマートフォンのバーコードを読み取るだけで決済できる仕組みも広まりつつある。
問5 (2) ソマリアはアフリカ大陸東端に位置する国。近年は各国も警備を強化しており海賊の被害は減少している。
(3) 国際原子力機関(IAEA)は地域連合とは言えない。
問7 (1) 貿易に関するさまざまな国際ルールを定めているのが世界貿易機関(WTO)。貿易紛争の際には各国間の調停などにあたる。
攻略のポイント
年度により出題傾向が多少変化する。なるべく多くの過去問をこなして、いろいろなパターンの年度を経験しておこう。文章量も多めである点、意識しておく。
内容については、中学入試の社会で出される典型的な問題が多いので、まずは基本事項を着実に覚える。そこから、テキスト以外の教材も活用し、その事項に関連した細かい部分まで一緒にまとめておく。
全く見たこともないような問題は少ないので、難問の練習に時間をまわす必要はない。うろ覚えでない、確実な知識を身につけておきたい。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
立教新座中学校の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。