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栄東中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「栄東中学校の理科」
攻略のための学習方法

受験テキストを使った学習をいかに丁寧に行ってきたかが問われることになる。「物理、化学、生物、地学」の4分野からそれぞれ1題ずつ出題されるためバランス良く学習することが重要である。基本~応用問題まで丁寧に解くことは当たり前として、言葉の定義や現象の根本原理を逐一確認し、説明できるようにしておくことが強みになる。計算を必要とする問題や、問題文で述べられている実験の内容から考察させるタイプの問題も本校の特徴だが、これらへの備えとしては本校の過去問題や似たタイプの他校の過去問題を解く練習をすることが有効だろう。

本校の入試は時間との戦いでもある。一通り理科の学習を終えたのであれば、本校の過去問または類する程度の過去問を解き、最低でも5回は時間内に合格点をとる経験を積むのが良いだろう。合格点に到達しないうちは、解き直しにより、どのような学習が必要か分析すると良い。そもそも知識が足りていないと感じるのであれば、再度知識の確認のためにテキストを総ざらいするのが有効だろうし、計算のスピードが不足していれば、集中的に計算問題を練習する時間を設けると良い。

以下、問題種別に学習法を述べる。

計算問題

物理分野、化学分野、地学分野において数値計算をさせる問題が頻出であるから、正しく解けるように練習を積んでおきたい。本校入試の難易度を考慮すると、受験テキストにおいて応用問題までしっかり練習しておきたい。その際、比を用いた楽な解法や算数で学習する解法などにも触れることで、様々な解法を知っておきたい。身につけた解法の内、最も楽に解ける解法を自分で選択できるようにしたいからだ。また、ノート、計算用紙、余白の十分ある問題用紙を用意するなどして計算式を書きこめる状態で臨みたい。

 考察問題

 実験に関する文章を読解し、結論を導き出すタイプの問題は本校入試において必須の問題である。計算問題同様、練習を積むことが大切である。何をしてよいか分からないうちは、解説を読んで考え方を知ることから始めると良い。この手の問題では根拠を明確にすることが重要であるが、普段から「なぜそうなるのか?」と何かにつけて疑問視し、自分なりの意見を持つこと、人の意見と比較してみることが有効だ。

知識問題

 参考書の説明を読むことは重要だが、それだけでなく、一問一答形式の問題を使って小テストをしたり、お家の方にクイズ形式で出題してもらったりして、満点をとれるようになるまで繰り返すとよい。また、語句の意味を百科辞典や国語辞典などでひいたり、参考書で調べたりすることで、理解をさらに深めると良い。本校ではマニアックな知識を要求する問題は稀にある程度なので、その部分は深入りしなくても良い。受験テキストにおいて重要語句として扱われている言葉や、図解の中に出てくる言葉を整理しておきたい

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2020年度「栄東中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

物理、化学、生物、地学から各1題ずつの出題となっており、全体では計30問の出題だった。また、その内訳は記号選択が21問、数値補充が8問、記述が1問だった。時間は40分であるから1問にかけられる時間は1分強だ。

【大問1】ばね、遠心力/物理

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

ばねの実験を通じて遠心力について調べる内容。受験テキストでは遠心力が扱われることは稀であるが、知らなくても丁寧な読解、資料解釈と推測ができれば対応できる。

問1,2  定番中の定番の問題。確実に得点したい。

問3  円板を回転させたときのばねの状況から、おもりにはたらく力の向きを推測できれば容易に解答可能だ。

問4 前問で考えたばねにかかる力の数値と本問で表示された数値の違いが何によるものかを見極める必要がある。前問と本問の状況の違いに着目できれば考えやすいだろう。慎重に考えたい。

問5 正しく資料解釈したい。計測機器の表示の違いが何による違いの結果であるかを見極める必要がある。着目したい条件のみ異なる条件にし、他の条件は全て同じにして比べるのが基本だ。

問6,7 問1~5までの内容を地球上の物体に働く遠心力の話に応用させる問題。前問までの問を解いた中で得た法則を良く確認し、地球規模で考えた場合、それらの法則が「どのようなもの」に対応するのか適切に見極めたい。

【大問2】温度・状態変化/化学

  • 難度:標準
  • 時間配分:9分

水とエタノールの温度変化、状態変化に関する問題。小学校の理科の教科書でも取り上げられる重要な内容だが、状態変化に関する言葉の定義を正しく身につけた上で臨みたい。

問1,2 沸騰と蒸発の違いを問う重要問題。基本的な理科用語ではあるが、日常生活でも目の当りにする現象であるためか、最も混同が起こりやすいタイプの質問だ。このような基本用語こそ定義を曖昧にしてはいけない、という学校側から受験者へ発されたメッセージと捉えても良いだろう。

問3,4 水とエタノールの混合液を加熱した際の温度と時間のグラフについての問題。冒頭の会話文で述べられている「水とエタノールの沸点の違い」「熱の使い方の違い」について考えれば解きやすいだろう。受験テキストなどでも定番の題材なので、この内容を考えた経験があれば有利だ。

問5~7 問1~4で考えた内容を踏まえ、水とエタノールの混合液からエタノールのみを蒸留によって取り出す実験についての問題。問5,6は前問までの内容を理解していれば容易に解答できるだろう。問7は、蒸留の際に取り出したい液体以外の液体が混ざってしまう原因について考えると良い。

【大問3】消化、血液循環、レプチン/生物

  • 難度:標準
  • 時間配分:9分
  • ★必答問題

受験テキストでもお馴染みの「消化」「血液循環」についての問題と、食欲に関しての実験についての考察問題。消化についての問題ではやや詳しい知識が必要なものも含まれているため、悩みすぎに注意したい。後半の考察問題は丁寧に文章を読むことで高得点を取りにいきたい。

問1~3 消化に関する知識を問う問題。1はやや詳しい知識を要する。2,3は確実に得点したい。1,3は「すべて選ぶ」問題であることに注意したい。

問4 ヒトとフナの血管の内、静脈血が流れる血管についての問い。ヒトの血管については定番の問題であるが、フナについても「えら」の機能について考えれば静脈血が通う血管の指定がしやすいだろう。落ち着いて推測したい。

問5 拍動回数と血液量についての問題。人の血液の総量が心臓から送り出されたとき、血液が1周したと言えることに着目したい。

問6,7 レプチンという食欲のコントロールに影響するものについての実験を考える問題。文章に書かれている設定を良く確認し、合理的に判断していきたい。

【大問4】対流雲/地学

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

雲のできる仕組みについての問題。雲がどのようなものか、雲ができる条件は何か、といった内容を正しく理解していないと厳しい。後半はやや苦戦した人が多かったものと思われる。合理的な考察ができれば他の受験生に差をつけられるだろう。

問1,2 受験テキストでは定番の題材。与えられた表の数値、設問に書かれている条件を良く確認しながら解きたい。

問3 本問の前に述べられている文章を手掛かりに考えたい。積乱雲がどのような雲かということと、空気のかたまりの温度と周囲の空気の温度との関係について考えるのがコツだろう。

問4 (1)は必ず得点したい。(2)はややグラフの解釈が難しいため、深入りは不要だ。もう少し説明が書かれていた方が考えやすいだろう。

攻略のポイント

言葉の定義、現象の根本原理への理解を問う問題が多いため、言葉の字面だけを覚えるだけの学習は歯が立たない。教科書や参考書を時間をかけて丁寧に読み、言葉どうしの関連性を示す図や原理を説明するための図などを自分の手で描いてみるのも良いだろう。考察系の問題では丁寧かつ素早く問題文を読解し、正確に情報を掴むことに努めたい。時間的な余裕は少ないと思われるので、長時間悩みそうな場合はひとまず飛ばし、考えやすい問題に着手するのが正攻法だろう。

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