医大・医学部受験プロ家庭教師 中尾先生
指導実例インタビュー

中尾先生
指導実例インタビュー

中尾先生

中尾先生

京都大学卒

合格実績(五十音順)

愛知医科大・岩手医科大・大分大・金沢医科大・北里大・杏林大・慶應大・国際医療福祉大・埼玉医科大・順天堂大・昭和大・信州大・聖マリアンナ大・帝京大・東海大・東京医科大・東京慈恵会医大・東京女子医大・東邦大・東北医科薬科大・獨協医大・日本大・日本医科大・浜松医科大・福岡大

過去問の演習を繰り返し感覚を養う。東京医科大学に見事合格!

女子Aさんの場合

指導を始める前の状況

■指導開始時期: 高3の5月
指導科目:   数学、化学
指導回数:   5月~9月→週1回(1回2.5時間)、10月~12月→週2回(1回2.5時間)、1月~2月→週3回(1回2.5時間)

  

Aさんは医学部専門予備校に在籍し、国立大医学部合格、最低でも中堅以上の私立大医学部合格を目標にしている生徒でした。英語と生物は得意科目で模試の得点も安定している反面、数学はできる時とできない時の差が大きく、化学はかなり苦手としている状況でした。家庭教師を始めたきっかけはズバリ苦手科目の強化です

一番危惧したのは、Aさんのような現役生が、国立大医学部を目指しつつ私立大医学部を滑り止めにするということが、簡単には両立できないことです。必要な学力は普遍的なものですが、入試問題の性格は大きく異なり、それぞれ特化した対策が必要になります。
国立大医学部に合格するためには、まずセンター試験で9割前後の得点が必要で、9割を取ろうと思えば、普通直前の1ヶ月はセンターに特化した勉強をする必要があります。またその後に控える2次試験も記述問題が中心となり、書いた答案を先生に添削してもらいながら、精度を高める対策に時間が必要です。
かたや私立大医学部はマーク式が中心で、試験時間に対して問題量が多く、それぞれの大学で問題に特色があるので、各大学できれば5年ほどの過去問演習が必要です。センター試験が終わればすぐに私立大医学部入試が始まるので、両方視野に入れるとどうしても時間が限られ、特に直前期の時間の使い方が非常に難しくなります。仮にセンターで大きく失敗すると、その時点で国立大医学部は非常に難しくなり、それまでセンターや国立大の対策に費やした時間が、結果的にですが無駄になることもあります。「二兎を追うものは一兎をも得ず」と言いますが、ターゲットを絞り無駄なく時間を使わないと、どちらも中途半端になり不合格という結果も有り得ます。医学部入試は本当に甘いものではないのです!!

Aさんは、私立専願で上手く対策ができれば、日本医科大や順天堂大ぐらいまでターゲットにできる実力があると思いましたが、国立大医学部も目指すとなった時はやや実力不足だと思いました。本人やご家庭の意向を最大限尊重しつつ、プロとしていかに限られた時間のマネージメントをしていくかが問われました。

指導内容

上記のように併願は甘くはなく、時間の使い方が本当に難しいです。センターの対策にかける時間を考慮すると、遅くとも10月の半ばには、取り組みやすい年度を中心に過去問演習へと移行し、直前期にある程度の時間的余力を持って、その時の状況に対応できるようにしなければならないと考えました。Aさんは医学部専門予備校に通っていたこともあり、基礎はまずまず固まっていたので、10月までは標準~やや難レベルの、いわゆる試験の合否を分ける問題を確実に仕留められるようにすることをテーマに指導をしました。

数学では数Ⅲにやや自信がなかったこともあり、「数学Ⅲスタンダード演習」を一通りやりました。中には難問も含まれていますが、難関大受験者にとって一度は触れておいた方がいい典型的重要問題が精選されています。解説は上位者向けでやや不親切なため、Aさんも苦戦していましたが、丁寧に解説し、また別解も示しました。

化学では定番の「重要問題集」を一通りやりました。A問題は見た瞬間にできるようにし、B問題も可能な限り演習を重ね経験値を積みました。

 

学習状況の変化と成績の推移

■成績推移: 第1回全統マーク模試偏差値数学60強、化学50台後半 → 最高偏差値不明

大きな転機となったのは、10月に入って千葉大と筑波大の数学の過去問を、試しに1~2年分やってみた時のことです。初めてやる過去問なので、難しすぎてショックを与えてもいけないと思い、今のAさんの実力でも取り組みやすそうな年度のものを、私なりにピックアップし演習してもらいました。それでもAさんはかなり苦戦し、得点率は3割くらいでした。現役生は多くの場合、「入試は何とかなるだろう」という漠然とした自信や甘い考えを持っていることが多いのですが、思っていたより全然甘くないということを、Aさん自身も実感したと思います

その後、ご両親とAさんとの間で家族会議が開かれたようで、「国立はあきらめ、センター試験も受験せず、私立専願でいきたい」との申し出がありました。プロとして、本人やご家庭の意向を最大限尊重し期待に応えていきたいとは思いつつも、先述の通り両立は簡単ではないとも思っていたので、奇しくもご家族全体で比較的早い時期にそのような決断をされたことが、結果的には本当に賢明だったと思います。もう少し遅い時期まで国立大にこだわると、その分のロスはより多くなったと思われます。

お母様が非常に熱心な方で、授業が終わった後はいつも15~30分程度、私にいろいろと専門的な質問をされたり、お母様の持っている情報を私に共有していただいたりしながら、密にコミュニケーションをとりつつ、一丸となって入試に向かっていけたことも大きかったです

私立専願となったことで、十分な過去問演習の時間を確保でき、複数ある志望校の過去問演習を、それぞれ5年分は消化できました。きちんと時間を計って演習し、まずは全体的な出題形式、時間配分、難易度を掴み、相性の良し悪しを確認しました。できなかった問題は詳細に解説し、別解があれば可能な限り示しました。捨てるべき問題と得点すべき問題を見極める目を養い、マーク式特有の答えさえ出せればいいという感覚も養えました。実際に2次試験の都合で受験できなかった大学もありますが、不思議なもので様々な大学の過去問をやると、あの大学でも似た問題が出ていたよね、ということが多々あり、全体として相当な対応力をもって入試本番に臨めたと思います。特に苦手だった化学も、終盤には合格目安となる点数プラスαを確実に得点できるまでに成長しました。東京医科大、東京女子医大、東邦大、いずれも正規合格したのは立派というほかありません。

結果

■結果(進学先):   東京医科大(正規合格)
結果(他の合格校): 東邦大医学部(正規合格)、東京女子医科大(正規合格)

生徒とのエピソード

Aさんが受験をした2020年1~2月はちょうど新型コロナウイルスが流行り始めた時期です。Aさんは朝9時からの指導が多く、直前期には週3回ほど指導していました。朝9時から都内のAさん宅で指導するために、私はちょうど通勤ラッシュの超満員の地下鉄で1時間ほどの必死の移動をしなければなりませんでした。
Aさん宅の玄関にはアルコール消毒が置かれ、念入りに消毒した後、私もAさんもマスクをして物々しい雰囲気の中授業をしたことが印象深いです。今思うとお互いに感染したりすることなく、無事入試が終わり本当にほっとしています。

東京医科大学を目指す受験生へのアドバイス

数学は2017、2018、2019年度と、それ以前にはなかった記述式の問題が導入され、特に2019年度は全体として難化し厳しい試験でした。2020年度は記述式の問題はなくなり、全体として取り組みやすい問題が増えました。不正入試の件などもあったせいか、ここ数年今一つ傾向が安定していない印象です。数学は解けた時の喜びも大きいですが、試験では頭が真っ白になってミスがミスを呼び、大失敗をしてしまうリスクもある教科です。典型問題はミスしないよう確実に取りきることが何より重要です。普段から小さなことも曖昧にせず演習を重ねてください。

また、東京医科大に限らず、医学部入試は4科目の総合力が問われるので、苦手科目を作らずにバランスよく勉強するようにして下さい。現役生であれば、なるべく早い段階で過去問演習に取りかかれることが望ましいです。Aさんのように受験校に関しては最低5年分、余力があればそれ以上に演習できればなおよいです。

 

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