出典は、彭丹著「いにしえの恋歌」である。西行や清少納言などの「いにしえの歌人」の詩歌を通じて日本や中国を考えるという論説文である。和歌や漢詩の知識が必要である。

問一は、漢字の書き取り問題＜2分＞

標準的な漢字であるので、４題完答を目指したい。

問二は、内容理解問題＜３分＞

清少納言の『枕草子』は、四季それぞれに良いところが記述されている。「春はあけぼの。…」は受験生のみなさんは必ず目にしたことがあるであろう。

問三は、内容把握記述問題＜２分＞

片思いをする少女が、庭に飛ぶ蛍を捉え袖に包み、蛍の淡い光が「袖から漏れて来る蛍の光」を自分の恋心と重ねているのである。

問四は、文学史問題＜２分＞

５人の歌人等を時代順に並び替える問題である。小野小町と紀貴之の時代順で戸惑うかもしれない。

問五は、内容理解記述問題＜３分＞

「若菜」の季節は「春」。春になると人の心も弾み恋も芽生えることより、西行自身の恋する心をときめかした「青春の日々」を思い出しているのであろう。

問六は、古典知識問題＜２分＞

「人日」は「じんじつ」と読み、１月７日は「春の七草」を入れた「かゆ」を食する習慣がある。

問七は、内容把握記述問題＜3分＞

「若菜が恋の象徴になりえた」のは、本文の傍線Fの直前に「春花秋月に心情を託す手法」と「興という表現技法」によるのである。

問八は、内容理解記述問題＜４分＞

傍線D の直前に「人々は自然現象をよく観察し、季節の変化に敏感に反応」したとあるので、この個所を手掛かりにまとめるとよいであろう。

問九は、内容理解記述問題＜４分＞

傍線Ｅには「詠みたいのは人の心」とあるが、これは「詩人は景物を描写」することにより、「感動をうたい出す」のである。つまり、「自然の景物から人間の心情を引き出すこと」なのである。

問十は、内容理解記述問題＜３分＞

まず本文より「興」という技法とはいかなるものかを把握すること。傍線Fの直後に「まず他物を語る。他物から真に語りたいもの、本物を引き興す。これが興である」とあるので、この個所より考えをまとめ上げる。

問十一は、和歌の表現技法問題＜２分＞

「ふる」に２重の意味が掛けられている。「あしひきの…」が後段の「ながながし」を引き出す序詞になっているのである。

問十二は、内容理解記述問題＜３分＞

「含蓄」とは、あからさまに事象を言葉で表現しない方が趣がある、という考え方である。本文にも「最初から何もかも露骨に言ってしまえば、趣がない。悲しいときは悲しいという言葉を使わない」とある。

問十三は、和歌内容理解問題＜３分＞

問十、問十二の「興」について理解があれば、適切に選択肢を選ぶことができるであろう。

出典は、池田清彦著「進化論の最前線」である。

問一は、漢字の書き取り読み取り問題＜２分＞

４題とも標準的漢字なので完答を目指したい。

問二は、四字熟語問題＜２分＞

二つの事象が密接に関係し合い分離が不可能である状態を表す四文字熟語である。

問三は、内容理解記述問題＜３分＞

本文冒頭に「脳」は「刺激を受けると」「活発に変化」するとある。

問四は、内容把握記述問題＜４分＞

幼少期に他人との接触を断たれたジーニーの記述をベースに考えること。

問五は、内容把握記述問題＜2分＞

「うまく使いこなす」とは、二つの言語のうち一つに絞って理解を深めることが重要であると書かれている。

問六は、内容把握記述問題＜４分＞

日本人が江戸末期から明治初頭にかけて受け入れた来た西洋文明を「咀嚼」して、「積極的に新しい日本語」を作ってきたのである。

問七は、内容把握選択問題＜３分＞

本文と適合する選択肢を全て選ぶ問題。「全て」とあるのでいくつ選ぶかを適切に考えること。

問八は、品詞分解問題＜４分＞

指定された文を品詞分解し、該当する品詞を答える問題である。活用形のあるものは活用形も答えなければならない。