淑徳与野中学校 入試対策
2020年度「淑徳与野中学校の算数」
攻略のための学習方法
図形問題の割合が高いから、学習時間の配分も図形対策をやや多めにしておくとよい。特に、図形の平行・回転・対称移動や動点に関するものや立体の切断など、変化を伴う図形問題への対策が必須である。
大問1、大問2で出される計算問題、小問で半分程度の配点であるから、なるべく高得点をとっておきたい。普段から10問程度の計算と小問の練習を繰り返し、ほぼ毎回満点をとれる状態にしておくことが重要である。満点を安定的にとれるまでは毎日このような練習を続けた方が良い。
やや発展的な内容も含まれるが、標準~応用程度とされる問題を正答できていれば合格点に手が届くから、テキストの問題を完璧にこなせるようにし、過去問5~10年分を合格点よりも高くとれる状態になるまで繰り返すと良い。過去問でミスをした問題については丁寧に解き方の復習を行い、受験テキストを使った類題の反復練習をすると効率が良い。
以下、頻出単元について対策法を述べる。
【平面図形】
図形の移動に関する問題が頻出である。平行移動、回転移動、対称移動、折り返しなど描かれている状態から変化する様子を考えさせる問題が出やすいから、これらを集中的に練習しておきたい。頭で思い描くよりも手を動かして作図してから考えることが重要である。したがって、普段から作図の練習をした方が良い。この分野は解法のパターンが絞られているため、比較的対策の効果が出やすい分野であるから、是非、練習を重ねて得点源にしておきたい。
【立体図形】
切断に関する問題が比較的出やすい。切り口の描き方のルールを正しく理解しておきたい。また、切断後の立体の体積や表面積を求められるようにしておきたい。平面図形同様、作図を正しく行うことが重要であるから、普段から図を描いてから考える習慣を持つと良い。
【条件整理】
一見するとゲームのような問題が出やすい。文章からルールを正しく読み取ることが重要である。また、平面図形、立体図形同様、図を描いて考えることが重要である。
【割合、比、速さに関する文章題】
必ず出題されるから確実に得点できる問題を増やしたい。和差算なら線分図、つるかめ算なら面積図、速さなら進行グラフまたは線分図といった具合に、それぞれの問題に応じた図の使い分けが必要である。まずは使うべき図を知るために分野別に学習すべきだが、入試問題になった途端にどれを使えばよいかわからないという人が出てくるのも事実である。これを解決するためには、10問程度の様々なパターンの問題をランダムに出題してくれるタイプの小問集を繰り返し、図の使い分けができるようにしておくことである。
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2020年度「淑徳与野中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問6つで計19問の出題、時間は60分で、例年通りの問題数だった。大問1は計算4つ、大問2は小問4つ、大問3と6は立体図形、大問4は消費税に関する条件整理タイプの文章題、大問5は平面図形と各々のテーマが与えられており、それぞれ2、3問ずつ出題された。昨年同様、フリーハンドの作図問題が含まれていた。
【大問1】計算
- 難度:標準
- 時間配分:8分
基本~標準程度の計算問題。見直しも丁寧に行い、確実に正解したい。
(1) 7つの小数または分数を使った四則混合算。分数と小数の変換ミスに気を付けたい。
(2) 部分分数分解を利用するのがポピュラーだが、通分して計算しても解ける程度の問題であるから、前者の方法に自信を持てない人は後者で解けばよい。
(3) 時間に関する基本的なルールを正しく使えば良い。
(4) 見た目はやや難しく感じるかもしれない。□に入る数の見当をつけ、当てはめれば良い。
【大問2】小問集合
- 難度:標準
- 時間配分:10分
難易度はいずれも標準的と言えるが、それぞれ丁寧な処理を必要とする問題であるため、ケアレスミスに十分注意したい。
(1) 仕事算の典型題。全体の仕事量と各人の1時間あたりの仕事量を決めたら、文章と合致するか確認をとりたい。
(2) 三量の和差算。全て足し合わせた数の意味を考えると良い。
(3) 長方形と内接する5つの円に関する問題。円が出てきたら中心と中心を結ぶのが基本である。図形内に書かれている数字があれば正三角形の面積が求められることに気づきたい。
(4) 相当算の典型題。20%や半分などの割合を表す言葉が、何をもとにした割合であるのか注意したい。
【大問3】立体図形
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
- ★必答問題
円錐台に関する問題。円錐に関しての重要な三つの要素である、「体積」「側面のおうぎ形の中心角」「側面積」の求め方を理解した上で、円錐台の体積や側面積の求め方を理解しておきたい。また、同様の問題を解いた経験があった方が有利だろう。
(1) 円錐台の体積を求める問題。是非、相似比を利用したい。
(2) フリーハンドの作図問題。問題文で問うているものを正しく捉えたい。フリーハンドであるから正確さにこだわり過ぎる必要はないが、およその角度や長さの比率は評価されると思うべきだろう。
(3) (2)をコンパスと分度器があればほぼ正確に描けるという人でないと厳しいだろう。
【大問4】条件整理(文章題)
- 難度:やや難
- 時間配分:12分
消費税および軽減税率を題材にした文章題。特殊な計算は不要であるが、文章の内容を正しく捉え、丁寧に処理する必要がある。ニュースや買い物を通じて軽減税率についての知識があった方が有利かもしれない。
(1) 確実に正解したい。容器の処分代を忘れてはいけない。
(2) (1)同様、容器の処分代が重要な役割を持つ。バス一台毎に決まった金額の処分代がかかるため、バス一台分の人数を一単位として考えると良い。
【大問5】平面図形
- 難度:標準
- 時間配分:9分
図形の内側に接する図形について考える問題。求めるべき割合を間違えるのは避けたい。内部に収まっている図を回転させることで、考えやすい図に描きかえると良い。
(1)(2) この2問は確実に得点したい。見間違えに注意したい。
(3) 正六角形を六等分する方法について学習しておきたい。
【大問6】立体図形
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
トイレットペーパーの形をした図形に関する問題。分かっていることは何で、何を使って解くか、整理して臨みたい。
(1) 大きな円柱から小さな円柱を引けばよい。問題文に書かれている長さと図の中に書かれている長さを良く点検し、数字の取り違えを防ぎたい。
(2) 少し想像してみると良い。紙を全て床に引き出したときに現れる図形を、長方形ではなく、細長い“直”方体と思えればこっちのものだ。
(3) (2)で求めたものを使用することに気づきたい。
攻略のポイント
試験時間が60分とやや長めの試験時間であるから、一つ一つ丁寧に解くイメージで取り組むと良いだろう。細かな条件を整理する問題や丁寧に図を描く必要がある問題では、問題用紙の余白を上手く使って、落ち着いて作業して欲しい。式や図は見やすい大きさで書くことを心掛け、一通り解き終えた後の見直しも丁寧に行いたい。問題の難易度が必ずしも番号順にはなっていないので、悩みすぎてしまいそうな場合は一旦飛ばして進めていくと良い。
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