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明治大学付属明治高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「明治大学付属明治高等学校の数学」
攻略のための学習方法

全体的には標準問題である。ただし、大問2以降のすべての問題が記述式であることについて、十分な事前準備が必要である。以下に、合否を分ける分野である、関数(放物線と直線の融合問題)、平面図形、空間図形、記述式答案作成上の注意点について、それぞれ確認してゆきたい。

関数(放物線と直線)について

関数に関して、高校入試においては必須分野である。
特に、2次関数である放物線と1次関数である直線との融合問題は、様々な問題形式に十分慣れておく必要がある。放物線と直線の交点の座標の求め方、指定された図形の求積(この場合は等積変形の考え方を用いる)などの設問である。その際に、平面図形における相似や合同の考え方をしっかり適用できるようにしなければならない。

平面図形

平面図形においては、様々な定理を確実に覚えておくこと。
三平方の定理、頂点の角の2等分線に関する特殊定理、中点連結定理などは必須知識である。
さらに、平面図形に関する入試問題を解く場合に使用する考え方は、相似、合同などに関する考え方や視点がとても重要である。
また、補助線を的確に引けるかどうかがポイントとなる。この補助線を引くという作業ができないと、問題を何時間見つめても的確な解法への糸口は見出せないであろう。

必要なのは、柔軟な発想と図形をあらゆる方向から見ることができるイマジネーションであり、その中から解法にとって重要な図形を見出すことができるか否かである。また、平面図形の求積問題も頻出であるので、上記のような原理の他に等積変形の考え方もしっかり対応しておくように。

空間図形

空間図形(3次元)も、いかにして与えられた図形を自分が一番解きやすい次元に落とし込むか(3次元⇒2次元)の手際の良さが合格答案を作成できるか否かを左右する。
3次元の空間図形の次元を落とすということは、空間を平面に置き換えるということである。平面は2次元である。
つまり、与えられた立体を3方向(正面、真上、真横)から見た像を頭の中で一つの立体として組み立てることが重要である。
その際、図形の特性を十分に活かし、立体図形の中に平面図形の幾何学的定理(三平方の定理、相似など)を迅速かつ的確に持ち込めるかである。

記述式答案作成上の注意点

明大明治高校の数学の解答は、大問2以降は全て記述である。
解答用紙の紙面の都合もあり、受験生にとってはどの程度の記述内容にするかが重要である。
基本的には、初めに解法に際して一番初めの式を書く。
その後は、逐一式の展開等を書くのではなく、思考の経過が判明するための必要最小限度の記述内容にすること。
記述解答の重要なことは、いかにして答案の内容を端的に採点者に伝え切るかということである。
そのためにも、試験本番だけではなく事前の準備として、より効率的で分かり易い記述答案作りを自身が研究しなければならない。
避けたいことは、何でも詳細に答案を書こうとして、細かな点まで書いてしまうことである。
採点者側の視点は、受験生が問題を解く上でどのような考え方に基づき、式を立てたかなのである。
答えだけがあっていればよい、という発想から脱却し、他人(採点者)を説得できるだけの過不足のない効率的な答案作成を目指して欲しい。

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2020年度「明治大学付属明治高等学校の数学」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問1は、小問集合問題<10分>。
式の計算、因数分解、2次方程式、場合の数、平面図形(面積比)の出題。

大問2は、2次方程式の応用問題<5分>。
本問以降は解答に関して記述式問題である。コンパクトに答案をまとめること。

大問3は、平面図形(円)に関する問題<8分>。
円に内接する三角形に関する問題である。

大問4は、関数(1次関数・2次関数)に関する問題<10分>。
補助線を引き、相似の考え方を活用する。

大問5は、1次関数と2次関数の融合問題<17分>。
変化の割合の原理的理解を深めることが重要である。また、辺の比はx軸上に下した垂線を引き、比の関係性をしっかり把握する。

【大問1】小問集合

  • 時間配分:10分

本問だけが答えだけを解答すればよい。

(1)式の値の問題<2分>。
2つの式からx、yを求め、その和を計算する。

(2)因数分解の問題<2分>。
与式を展開し、xについてまとめること。

(3)2次方程式の応用問題<2分>。
定価=a、個数=bとして方程式を立てる。

(4)場合の数の問題<2分>。
数字を用いて3桁の数字をつくり、条件に合致する数字の確率を求める問題である。

(5)平面図形の面積比問題<2分>。
問題の条件を精査し、実際に図を描いてみること。そうすると具体的に問題の本質が見えてくる。

【大問2】2次方程式の応用問題

  • 時間配分:5分

本問以降の全ての問題については、その考え方について解答用紙に記述しなければならない。

(1)aの値を求める問題<2分>。
一度は扱った問題であろう。与えられたxの方程式を実際に解いてみること。そのうえで、解が一つしかないという意味を考える。

(2)aの値を求める問題<3分>。
(1)で求めた解において絶対値の差が8になるという条件をどう扱うかを考える。それほど、てこずる問題ではないであろう。

【大問3】平面図形(円)に関する問題

  • 時間配分:8分

(1)辺の長さを求める問題<4分>。
円に内接する三角形において、相似の関係より求める辺の長さが判明する。

(2)辺の長さを求める問題<4分>。
(1)同様、円に内接する三角形において、同じ弧に対する円周角や相似の考え方を用いて問題を解く。

【大問4】関数(1次・2次)に関する問題

  • 時間配分:10分

(1)点の座標を求める問題<4分>。
与えられた図形に補助線を引き、直角三角形・直角二等辺三角形を導き出し、それぞれの三角形の特性を生かし問題を解く。

(2)点の座標を求める問題<6分>。
一組の平行な線分を手掛かりに、相似な三角形(△ABD∽△ACE)から言える事柄を考え出していく。

【大問5】関数(1次・2次)に関する問題

  • 時間配分:17分

(1)xの座標を求める問題<4分>。
Bのx座標を文字で置く。Bがy=-x2の放物線上に存在することより、A・Bの座標が求められ与えられた条件に当てはめて問題を解く。変化の割合(グラフの傾き)を求める原理をしっかり理解しよう。

(2)aの値を求める問題<4分>。
BがACの中点になることが与えられた条件であるので、BE:AD=CB:CA=1:2とならなければならない。この事項を使用し問題を解く。(Eは、Bからx軸に垂線を下したときの点)

(3)面積比を求める問題<9分>。
△CADが△OBAの面積の何倍かを求める問題である。△CAD=CD×AD÷2、△OBA=△OCA÷2である。

攻略のポイント

全体的には難問の類は出題されていない。一度は演習した経験のある問題ばかりである。平面図形に関する問題は、出来具合に受験生間に差が生じやすい分野なので、しっかり事前準備をすること。平面図形に補助線を引くことが重要である。どこに補助線を引くかも含めて、幾何の問題に関しては自分の頭だけで解説を確認するのではなく、実際に紙に解法を書くことが重要である。そのことが、明大明治高校の記述式問題への十分な対応力を養成できるのである。

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