逗子開成中学校 入試対策
2020年度「逗子開成中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
リード文を読み、下線部について答えていく総合問題である。大問ごとに分野別になっている一般的な形式にはなっていない。総解答数は50問強と多めである。
リード文は3000字ほど。年度によって500字・1000字などのリード文がさらに足されることもある。例えば、和食(2017年度)や金(2018年度)などを話題とした長文に、2018年度ではさらに憲法についての短い文章が加えられた。おおむね、下線部だけ読めば答えられる問題が多いが、本文や追加された短い文章を参考にして答える問題(2017年度・2019年度の記述問題)などもあるので、設問をよく確認すること。
大問は無いが、設問はだいたい分野ごとにまとめて出されている。地理・歴史・政治経済が前部・中部・後部におよそ分かれている年度や、数問~十数問ごとに分野が入れ替わり出される年度もあった。設問は適語記入と選択肢が中心である。記述問題も3~4行ほどの文量で2問ほど出されるのが通例となっている。
地理分野では地形・地名・産業・気候など、幅広い項目から出題されている。地図・統計グラフ・雨温図などの資料が多く用いられている。資料集などで最新のデータに触れておくとともに、地図上での位置を訊かれる問題も出されているので地図・白地図なども手元に置いて、各地の様子を頭に入れておこう。
歴史分野は各時代の人物・出来事・文化など、各項目から出題されている。年代順の並べ替えの問題も毎年見られる。この分野ではあまり資料は用いられていない。選択肢問題では時代・人物・出来事などの各要素が正確に記憶できているかを問われるので、例えば江戸時代の改革や鎌倉時代の仏教など、内容を混同しやすい項目は時に注意して正確に覚えてしまおう。
政治経済分野は、憲法や政治の仕組みに加えて、直近の時事問題や国際関係などの現代社会分野も出題されており、問題数で言えば後者のほうが少し多い印象である。時事問題集・重大ニュース集などで、特に直近1~2年の出来事について詳しくなっておこう。
記述問題
ここ数年は記述問題が2題出されている。字数指定は無いが、80~100字程度でまとめられる内容である。男女ともに技術・家庭を学ぶ背景や外国人旅行者が和食を喜ぶ理由(ともに2017年度)や、太平洋戦争期の金の生産量の変化の背景や木材を積極的に生産した方がよい理由(ともに2018年度)などの出題があった。資料・データを読み取って考えたり自分の知識で考察したりと、パターンもそれぞれである。2017年度では、本文を参考にまとめることによって解答できる、国語のような記述問題も出されている。どのパターンで出されても既定の字数を書いて部分点だけは逃さないように、過去問や類似問題でよく練習しておきたい。
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2020年度「逗子開成中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
長短合わせて2000字超のリード文が使われている。総解答数も53問と多い。適語記入も多いので書く量も多くなる。その分、時間が40分と長めではある。
大問が無いのでペース配分が難しいが、本文を素早く読み終えて知識問題を手際よくこなせば、記述問題に余力を残せるだろう。
【大問】総合問題
- 難度:やや難
- 時間配分:40分
- ★必答問題
天皇制や、平成から令和への移り変わりと各時代の出来事などを話題にした総合問題。
問1 (1) 大宝律令(701年)
(2) 年号は識者が挙げた候補の中から内閣が選び、政令として決定する。内閣官房長官が発表する。
(3) 足尾銅山鉱毒事件で天皇に直訴したのは衆議院議員・田中昭三。
(4) 1925年には治安維持法の公布もあった。
問2 エ. 元禄文化の頃で江戸時代前半なので、×。
問3 Ⅰ. a. 憲法前文と第1条で国民主権が宣言されている。
b. 内閣総理大臣は国会で指名され、天皇が任命する。
c. 「戦力」「交戦権」など重要な条文の文言は覚えてしまおう。
Ⅱ. 内閣の助言と承認に基づき行われる天皇の国事行為。
問5 Ⅰ. 四国を代表する吉野川。四国三郎の愛称で知られている。
Ⅱ. 漆は木製品の塗料、楮は和紙の材料である。紅花はかつて最上川流域で多く栽培され、現在は山形県の県花になっている。
問6 Ⅰ. 北海道の山脈は日高山脈だけで、あとは山地である。
Ⅱ. 「テクトニクス」は地質学などで「岩石圏の動き」を意味する言葉。プレート理論とも呼ばれる。
Ⅲ・Ⅳ. 釧路湿原は日本最大の湿原で中心部はラムサール条約に登録されている。タンチョウヅルの飛来地としても有名である。
Ⅴ. 札幌は日本海に面しているため冬の降雨(雪)量が多くなるので、ウが選べる。
問7 日露戦争の講和条約・ポーツマス条約で、ロシアから南樺太を譲り受けた。
問9 国や公共団体などの違法行為を裁判で争うのが行政訴訟。
問10 Ⅱ. アはさば、イはぶり、エはさんまのことである。
問13 収入が多くなるにつれて税率が上がる仕組み。富の再配分で格差を縮小させようとするものである。
問15 2020年1月、イギリスは正式にEUを離脱した。ただし、2020年末までは移行期間としてこれまでと同様の関係が保たれる。
問16 アメリカは民主党と共和党の2大政党制である。
問17 ア. 韓国併合の前年に伊藤博文は暗殺されている。
イ. 所得倍増計画は池田隼人内閣のとき。
ウ. 第一次桂太郎内閣の成立は1901年のことである。
問19 Ⅱ. 平成元年が1989年なので、1994年は平成6年である。
Ⅲ. ア.1503年 イ.1156年 ウ.797年 エ.1086年
Ⅳ. ア・ウ ウィルソンは議会で平和十四か条を発表して戦後処理の方向性を示し、のちの国際連盟創設につながった。ベルサイユ条約ではドイツの山東半島の権益が日本に与えられた。
問20 1956年に鳩山一郎首相が日ソ共同宣言に調印して国交が回復し、日本の国際連合加盟へとつながった。
問22 ア. 中東地域ではイスラム教徒が多いイラン・イラクなどと、ユダヤ教徒が多いイスラエルとの間で多くの紛争が起こっている。
問23 朝鮮戦争が勃発すると、日本駐留のアメリカ軍部隊を朝鮮半島に出動させ日本の防衛力が失われたため、GHQは吉田茂首相に警察軍の創設を進言し、警察予備隊が結成された。
問24 Ⅰ. 中国の最大の貿易相手国はアメリカで、アにあたる。ウはドイツで近年ドイツにとっての最大の貿易相手国は中国になっている。イの日本にとっても中国は最大の貿易相手国である。
問25 量は少ないが産業には不可欠であることから「産業のビタミン」と呼ばれる。鉄や半導体はあらゆる分野で多く使用されるので「産業の米」と呼ばれる。
問27 Ⅱ. 女性の識字率と乳児の死亡率には明らかな相関関係が見られ、識字率が高い国ほど乳児の死亡率は低くなっている。母親となる女性が文字の読み書きができれば、健康や衛生に関する正しい知識を得やすいためと考えられる。
攻略のポイント
大問の無いテスト形式なので問題ごとに分野が異なる場合がある。さまざまな項目が順不同で出されることがあるので、過去問でよく慣れておこう。
記述問題は論述タイプ・説明タイプ・国語タイプとパターンがあるので、いろいろな記述問題をこなしてまとめ方を練習しておこう。もっとも、配点は他の問題と大きくは違わないので、難しいと思ったら他の問題に時間をまわすのも手である。
適語記入は原則漢字なので、難しい人名などもしっかり覚えておきたい。
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