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立教女学院中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「立教女学院中学校の理科」
攻略のための学習方法

出題分析

立教女学院の理科を取り上げる場合、まず頭に浮かぶのは、その題材のユニークさにあった。しかしそれも今では過去のものとなり,ここ数年間は難問・標準ラインを下に突破してかなり基礎的な設問を並べる学校に変化してしまった。

合格点は高めではあるものの,ほとんどの受験生にとっては手をつけやすいレベルである。もはや「立女の理科だから」と気合を入れる必要はない。
理科を苦手とする生徒にとっては福音であり,理科が得意な生徒はここで大幅に点数を稼ぐことが出来る。満点を取れる可能性もある。

では,大きく変わった理科に関してはどのように対策をしていけばよいかだが,それでも対策法に大きな変化はない。

 

基本的な知識を身につける

やはり、受験勉強の王道を貫くべし。

「基本的な知識を着実に身につけること」。これがなければ、先には進めない。

塾などで与えられる教材のうち,基本的な部分を厚く勉強し,誰もが正解できる知識をしっかりと自分のものにすること。そして知識を蓄えた上で、過去問をはじめ、いろいろな問題をやりながらその中で知識の出し方を練習しておこう。知識が正確かどうかは,まぎらわしい選択肢の問題で試されることになる。

さらに苦手な内容を作らないこと。オールラウンドにこたえられる力が必要だ。ただし,計算問題は出ない傾向にあるので暗記中心の勉強でよい

 

総合的な問題への変化

2016年度からは,大問の傾向にも変化が見られ,テーマを絞った問題から総合的なものに変わっている。その分問われることもオーソドックスなものになっていて,とりたてて立女対策をする必要はなくなった。入試問題を扱う側としてはさびしい気持ちもするのだが受験生の負担は大幅に減ったといえるだろう。

ただし,学校自体の水準が下がったわけではないので高得点が要求される。

 

時間配分

30分で30問に当たるので,単純に1分で1問。問題文が長めの学校なのでスピードが要求されるのは間違いない。時間と解くスピードについては、過去問にあたりながらその分量に対して必要な時間を配分していこう。

その所要時間に対して自分の解くスピードが遅いときは、徐々にスピードを上げていかなくてはならない。
6年生も後半になればだいぶ問題を解く速さが増してくるものだ。それでも足りない場合は自分のほうから問題に合わせていくしかない。

速読即解の場合,こわいのは知識不足と言うよりは問題文を十分に読まないで答えてしまうといういわゆるケアレスミスだ。平易な分だけ基本で落とすわけにはいかない。最後まで集中力を切らさず持っているエネルギーを出し尽くして解ききるパワーが必要だ。
合格点が取れるようがんばってもらいたい。

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2020年度「立教女学院中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

30分で大問は4、小問は30前後(組んで正解のものを分けている)と、時間に対し多めの分量になっているものの,その大半は基本的な設問になっている。したがって,全問に目を通す余裕は十分にあると思われる。
数年前までは対策が必要であった「立教女学院の理科は手強い」という事実はすでに存在せず、基本的な知識をしっかりと身につけていれば合格点までは十分に得点できる。

【大問1】化学分野…「炭酸水の性質」

  • 難度:
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

問1・問2が炭酸水の基本的な性質についての問いで、問3~問6がペットボトルに入れた炭酸水に関する問いとなっている。炭酸水の溶質-二酸化炭素は水によく溶けるなど基本的な性質を知っていればどの設問も容易に解けるレベルであり、できれば全問正解したい。

【大問2】物理分野…「磁石」

  • 難度:
  • 時間配分:7分
  • ★必答問題

【大問1】に引き続き、平易な設問が並ぶ【大問2】は「磁石」に関する、本当に基本的な設問ばかりで構成されている。問2に時事問題風な設問、問4はこなごなに砕いた磁石が効力を持ち続けるかなど多少面白い問いも散見されるが、問5以降の「電磁石」に話題が移ると長年なんのために難しい理科の問題に取り組んできたのかわからなくなるような小4ばりの設問が続きしかも最後までそれで終わってしまう。もう少し手応えがあっても受験生たちは十分に戦えると思うのだが…

【大問3】地学分野…「川の水のはたらき」「地層」

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

はじめのうちは初歩的な「川の水のはたらき」を問うものが並ぶが問4あたりから少し問題らしい問題になっていく。問4は計算力を要求される問題で、たい積した地層の厚みを年数で割れば良いだけなので解き方は簡単だがケタを誤ると不正解をともなうことに。
問5(1)は地層が出来る間にその時代の環境がどう変わっていったかを問う問題で、意外と生徒が苦手とする内容である。もちろん地層は下からたい積するのだがそのときどきにたい積したものから海の深さの変化を考えなければならない。問5(2)問6は基礎チェック。
問7・8は地質柱状図を用いた問題で、本年度のテストでは最も難しい設問と言えよう。特に問8はボーリングした箇所の位置だけでなく高さも考えて答えを導き出さなくてはならない。しかも選択肢には八方位の方角も含まれるので解けた生徒は自分の実力を認めて良いだろう。

【大問4】生物分野…植物の成長

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

最後の大問は、問題の難易度が高いか低いかは別として、とてもユニークな出題となっており、立教女学院らしい個性的な作問である。こういう面白い問題を【大問1】から並べてくれればさぞ良質なテストとなるだろうに…
植物に関する多くの実験結果から植物の成長に必要なものは何か、を考察してきた歴史を古い方から順に並べている。実験①は17世紀に行われた実験、最後の実験⑥は19世紀に行われた実験と期間も長い。
ただ、それらの実験から得られた答えを求めることは難しくなく、問7以外は確実に正解しておきたい。問7は「研究結果だけからわかること」とあるので、「植物の成長に必要なものは水・空気・適温・光・肥料」という普通の知識は使えないので注意したい。

攻略のポイント

テスト時間は30分で60点満点。
合格者平均点は「49.5点」と近年では著しく高く合格に必要な得点は80%に近づいた。
本年度の大問で計算に難問はなく、【大問3】が後半やや難しめ程度であり、他は基本的な知識だけで対応できる平易な問題構成になっている。できれば50点台を目指したい問題だ。
また過去問をさかのぼっていくと「立教女学院の理科はこんなに難しかったんだ」という年度にもあたることと思うが来年以降突然問題が難化することはないと思われる。基本的知識の定着を重点に置いて勉強を進めれば良い。ただし基本的知識を全分野で身につけていることが最低条件である。
4科目で合格を勝ち得るには、科目ごとの勉強量に偏りをもたず、まんべんなく知識を定着させていることが大切だ。

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