国府台女子学院中学部 入試対策
2020年度「国府台女子学院中学部の国語」
攻略のための学習方法
[問題構成の特徴]
大問は2つ。【大問1】はことばの知識、【大問2】は長文読解1題という形がここ数年続いている。総解答数は30~40問ほど。使われる素材文は年度により文学的文章の場合と説明的文章の場合とがある。文学的文章は5000字ほど(2017年度)、説明的文章は4600字・4000字ほど(2020年度・2019年度)の文量であった。
ことばの知識だけで4割ほどの配点がある点が大きな特徴となっている。
[ことばの知識]
大問1つを使って、ことばの知識が詳しく訊かれるのは他校にはあまりない特徴である。
漢字・ことわざ・慣用句・熟語・敬語・外来語など、ひととおりすべての内容が問われている。また、漢字は読解問題の中でも出題される場合がある。さらに、指定された語句を使っての短文作文も毎年出されている。言語事項重視の姿勢がはっきり表れている問題である。
内容もなかなかに難しい。曲学阿世・大同団結(2017年度)などのあまりなじみのない四字熟語が出されたり、意表に出る(2018年度)などめったに使われない表現も見られたりと、言語事項だからと言って通り一遍の楽な問題にはなっていない。
また、いくつかの正解を合わせて1つの得点となる問題も多く、正確な知識が求められる。地道に努力すれば得点できる分野なので、こつこつ勉強を重ねて得点を積み上げたい。中級程度の言語事項の教材をしっかり仕上げて、8~9割の正解を目指そう。
また、短文の作文は指定された語句の意味を知らなければ手もつけられないので、十分に語彙を増やした上で、20~30字で短文を作る練習をしておこう。
[長文読解]
年度により、小説などの年と論説文などの年があり、どちらにも対応しておく必要がある。
文量はさほど多くないので、時間は足りるだろう。設問は書き抜きと記号選択だが、2019年度では短いが自分で考えて書く1行程度の記述が出された。選択肢も紛らわしいものではなく、しっかり読解できていれば正解を選べるだろう。基本的な読解力を養おう。小説であれば、登場人物の整理・場面分け・心情の把握・主題の読み取りなど。論説文であれば、形式段落と意味段落の整理・要点と細部の区別・要旨と要約など。
長文読解の技術を磨いて、文学的文章・説明的文章のどちらが出されても苦手意識を持たずに取り組めるよう、十分な準備をしておかれたい。
[まとめ]
ここ数年の試験は一定の形式が続いている。なるべく多くの過去問に取り組んで、時間配分なども含めて、問題の配置や難易度、特徴のある出題分野などに十分に慣れておこう。
特に言語事項はしっかり得点できれば大きなアドバンテージになるので、十分な時間をかけて頭に入れておかれたい。
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2020年度「国府台女子学院中学部の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
今年度の素材文は論説文で4600字ほどであった。ことばの知識がしっかり出題されているのは例年通りである。
特別に時間のかかる問題は見られないので、前半の知識問題を素早くこなせば、読解問題に余裕をもって取り組める。
【大問1】ことばの知識
- 難度:標準
- 時間配分:15分
- ★必答問題
問一 ① 格式――身分・家柄などによって決まっている礼儀や作法。
② 音色――音の感覚的な特性。専門的には「おんしょく」とも読む。
③ 遠心――中心から遠ざかること。反対語は「求心」。
④ 「どうこう」――個人や社会の、動いていく方向や傾向。
⑤ 「こわもて」――怖い顔つき。また、そのような態度や行動。
問二 (たて)静養・養分 (横)休養・養生。
問三 辞任――就任 「着任」は対義語が「離任」になるので合わない。
問四 終生――生まれてから死ぬまで。生涯・一生。
問五 イだけ「一定の」という意味で使われている。ア・ウは「決まり」という意味。
問六 寝て起きた時の気分が悪い。過去の行為を思いだして良心がとがめる。「目覚めが悪い」だと医学的な不調を表すような言い方になる。
問七 きつねにつままれる――意外なことが起こってぽかんとしてしまう。稲荷神社は農業の神を祀る神社で狐が神の使いとされる。
問八 手応えがないこと。「のれんに腕押し」。
問九 悦に入る・堂に入る・興に入る。読み方は「いる」。
問十 波の花 ① 塩のこと。 ② 波がぶつかり合ってできた泡。有機物や海藻のねばりなどが合わさって大量に発生する現象もある。
問十一 良い成果をあげて皆から褒められているので、「晴れがましい」気持ち。
問十二 ① 「彼は――趣味です」という主語・述語の関係が不自然である。
②・③ 「彼の趣味は――描くことです」でよい形になる。
問十三 誘(いざな)う――誘(さそ)う。勧める。「波の心地よいリズムが私を眠りへといざなった。」など。
【大問2】論説文の読解
- 難度:やや難
- 時間配分:35分
産業革命がもたらした物質社会・ネットワーク環境がもたらした情報社会を経て価値観が変わる中、物質的な豊かさから精神的な豊かさへと人々の求めるものが変化したとき、「かわいい人工物の系統的研究」を通じて人々をワクワクさせられないかと筆者は考えている。
問一 d. 有用――役に立つこと。
e. 算出――計算して数値を出すこと。
問二 (イ) 底流――表面には表れないで奥底で動いている感情や勢い。
問三 A. 産業革命 B. ネットワーク環境 それぞれがもたらした結果が図にまとめられている。
問四 時間の流れが上から下で科学技術の発達が示されているので、エがよい。
問五 エも前半は良いが後半は「物質社会→情報社会」を経ての変化なので、合わない。
問六 ア. 「物理的な距離に依存しながら」が合わない。
イ. ディジタル・ディバイドが生じたと言っているので、合わない。
エ. 「経済的な豊かさの意味を改めて問い直す必要」は述べられていない。
問八 一時的に「少女や動物の顔や容姿やしぐさ」などに限定される傾向が強くなったものの、それ以前には「浮世絵や根付」などにも「かわいいという感性価値」が見出されていたので、アが選べる。研究が感性価値を高めてくれるとは書かれていないので、エは選ばない。
問九 図2に示されたもののうちBとDが「人工物」にあたり、これをかわいいと思うかどうかを実験したのであるから、イがよい。
問十 「物理的構成要素」として「形・色・大きさ」を変えて実験しているので、アが選べる。
問十一 エ. 江戸時代にも浮世絵や根付に対して「かわいい人工物の感性価値」があったと示されているので、×。
問十二 「順に並べて点数をつける」ので、点数を記入する欄がある「表」が見やすい。
問十三 「老若男女すべてに好まれる」のは、形では曲線系のAとC、色ではオレンジと青緑と示されているので、ウとオが当てはまる。
攻略のポイント
ことばの知識については、専用の教材をしっかりこなしておくべきだろう。敬語・外来語なども出されているので油断できない。配点の大きさから、ここで点を稼いでおかないと損である。短文作文も練習を。
読解問題は文学・説明どちらのタイプの文章でも読めるように抜かりなく用意しておく。説明的文章のほうがやや難しい印象を受ける。ぜひ論理的文章を得意になっておいていただきたい。
漢字も熟字訓などがよく出されているので、間違いやすい漢字には特に注意して、語彙を増やしておこう。
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