桐光学園高等学校 入試対策
2020年度「桐光学園高等学校の数学」
攻略のための学習方法
[複雑になっていく設問に対応する]
大問の中の小問が少しずつ複雑な計算や場合分けが必要な設問構成になっている。
例えば、【大問3】は(1)の条件にプラスして(2)の問題となっている。(1)の結果や値を総合的に利用して(2)を解くことになる。【大問4】は線分計量の問題で(1)~(4)まで全て関連している設問で後になればなるほど複雑な計算が必要である。【大問5】も後になればなるほど複雑な場合分けが必要である。落ち着いて設問の誘導に沿って解答できるように基礎から標準、応用まで段階的に学習しておこう。
[計算力を安定させる]
計算力については、2点を意識して、鍛えておこう。
1つめは、計算の正確さだ。計算の数字が複雑になっても、正答率が下がらないように、練習を積んでおこう。過去問を参考にすれば、どこまで複雑な計算ができればよいか、確認できる。
2つめは、計算の持久力だ。60分という長時間、集中力を切らさずに、計算していく持久力が必要になってくる。持久力は、きちんと時間を測って演習を繰り返すことで、身についていく。1問1問にミスがないかではなく、答案全体でミスを減らせるようになろう。
[答案の完成度を上げる]
本番で安定して得点できるように、答案の完成度を上げる訓練を積んでいこう。多くの志望者は、一問一問を解くことに満足しがちで、答案全体の完成度を意識するのは、受験の後半(中学3年の夏休みくらい)からだ。もっと早めに受験生として意識を持ち、答案の完成度を上げる技術を身につければ、有利になる。答案の完成度は、2つの面から確認しておきたい。
1つめは、設問ごとの時間配分だ。時間配分ができていない志望者は、過去問を解いてみると、後半に簡単な設問があっても、得点できていない。つまり、前半の設問に時間をかけすぎていて、後半の設問にまで、手をつけられていない状態だ。受験では、答案全体の得点が、評価される。したがって、答案全体の得点を上げるために、それぞれの設問を解くべきか、あるいは解かないべきか、判断力が重要になる。過去問の演習は、そのような判断力を鍛える良い教材になる。
2つめは、見直しの技術だ。まずは答案全体でどれくらい見直しが必要になるのか、目安の時間を決めよう。あらかじめ時間を決めておくと、本番で迷いが生まれにくい。そして、見直しが効率的にできるような工夫をしよう。計算式を再利用したり、図形やグラフを確認しやすいように、丁寧に準備しておこう。
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2020年度「桐光学園高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は60分で、得点は100点満点だ。大問数は5問で小問が少しずつ複雑になっていく構成である。設問数は20問で、すべてが一問一答形式となっている。大問3~大問5の中の小問もすべてセットで(1)(2)の結果を利用して解く必要がある。
【大問1】 独立小問問題
- 時間配分:6分
(1)<式の計算>通分するときに分子の各項の符号に注意する。
(2)<式の計算>( )を外し分数にして除法を乗法にする。
(3)<因数分解>後ろ3つの項を―でくくり平方にする。
(4)<平方根>少数は分数にして√の中を小さくする。
(5)<変形>符号に気を付ける。
【大問2】 独立小問問題
- 時間配分:10分
(1)<式の値>整数部分を素早く決定する。
(2)<二次方程式>aについての式にする。
(3)<数の性質>3n<m<5nよりmの個数は2n-1=9よってn=5
(4)<確率じゃんけん>”少なくとも”があれば余事象を求める。この設問では”あいこになる”を求める。
(5)<長さの比>△BCDで三平方の定理を用いる。
(6)<面積>辺ACと垂直な直線が半円の中心を通るときである。
【大問3】関数 二次関数と一次関数のグラフ<座標>
- 時間配分:8分
(1)放物線と直線で連立方程式により交点を求める。PQとSRは平行で長さが等しいので直角三角形と傾きにより座標を求める。
(2)SRとPQの傾きが1である。R(r、20+r)となりy=xの2乗に代入するとr=5。QとPのx座標の差が5となる。P(p、p2乗)とするとQ(p+5、 p2乗+5)これが直線上にある。
【大問4】平面図形<長さ>
- 時間配分:10分
(1)円周角の定理と問題の条件により、△BCDが二等辺三角形である。
(2)△ABE∽△CDEで、AB:CD=BE:DEより、AB:4=3:2、よってAB=6
(3)△ABE∽△ADCで、AB:AD=BE:DC=3:4より、AD=8、AE=6となり、△ABEは二等辺三角形である。したがって△CDEも二等辺三角形でCE=CD=4、よってBC=7。
(4)△DAF∽△CBFで、BF=7x、DF=8x、AF=6+7x、CF=4+8xとして、AF:CF=8:7よりBF=14/3となる。
【大問5】場合の数―塗分け
- 時間配分:10分
(1)4×3×2×1=24通り
(2)4色から3色を選ぶ選び方は4通り、②に赤、青、緑を塗る場合、それぞれ、6通りで3×6通りで18通りである。よって4×18=72通り。
(3)例えば(赤、青、緑)をすべて用いる場合のうち、②に赤を塗る塗り方は2通り、②に青、緑を塗る塗り方も2通りずつだから、2×3=6通りになる。よって、6×4で24通り。
攻略のポイント
大問1と大問2の独立小問問題で全問正解できるように素早く仕上げよう。残りの大問構成は関数や図形の計量、場合の数や確率などの出題が予想される。2020年度は大問の最後に複雑な設問という構成である。大問全体の(1)(2)などを利用して最後まで解答しよう。出題される大問の最初が解けずに最後が解けるような場合があるだろう。したがって、どの問題を解くべきか?どの問題を解かないべきか?の判断ができることが合格点への近道になる。