立教新座高等学校 入試対策
2021年度「立教新座高等学校の英語」
攻略のための学習方法
ここで、受験英語における文法事項と同じ位に比重が高い単語の用法について何点か挙げてみる。
第1に「so~that…」及び「such~that…」である。
言うまでもなくsoは副詞であるので後ろ(修飾される語)には形容詞又は副詞がくる。一方、suchは形容詞であるので後ろ(修飾される語)には名詞がくる。意味は、「とても~なので…である」というのが原則である。
注意したいのは「not so~that…」という具合に、soの前に否定がある場合である。具体的には、以下のような英文を考えてみる。
He is not so busy that he can’t go for walk.
この英文を「とても~でないので…」という手法で訳出してみると変な訳文になってしまう。「彼はとても忙しくないので散歩に行くことはできない」では変である。上記の英文は正しくは「彼は散歩に行けないほど忙しい訳ではない」という具合に、「程度」を表すのである。
また、「such~that…」については、It was such a beautiful flower that I can’t forget it. (それは綺麗な花なので私は忘れることができなかった)となる。
「…,for~」にも気を付けよう。
このforは、前の文章を受けて理由を表す。したがって、このforの訳は「というのは~だからだ」となる。受験生になじみのあるforは『前置詞』である。ここで述べているのは『接続詞』としてのforである。
前置詞と接続詞との見分け方についていえば、前置詞は後に『名詞(単語)』がくるが、接続詞の場合には文章がくるのである。したがって、理由を表す『接続詞』としてのforであるか否かを見極めるには、後ろに文章が来ているか否かで決定するのである。
第2に、as(接続詞)である。
これには、いくつもの意味があるので混同しないようにしっかり覚えておくように。
代表的な意味と例文を以下に列挙する。
①「~のとき」(時を表す)
He came in just as I was going out of my house.
(私がちょうど家を出ようとしたとき、彼が入ってきた)
②「~につれ」(時の経過)
As we grow older, our memory becomes less active.
(私たちは年を取るにつれ、記憶力が徐々に鈍くなるのである)
③「~なので」(理由)
As the elevator was not working, we walked up the stairs.
(エレベーターが動いていなかったので階段を歩いて上がった)
④「~のように」(態様)
You should see things as they are.
(あなたは物事をありのままのように見るべきである)
⑤「~だけれども」(譲歩)
Child as he is, he can think clearly.
(彼は子供だけれども、はっきりと考えることができる)。
という具合に、asについては代表的な用法を挙げただけでも上記のような複数の紛らわしい用法がある。明確な見分け方をしっかり習得しておくべきである。
asと同じ位に紛らわしい単語にbutがあるので、ここで幾つか例を挙げておく。
①「しかし、~が」(等位接続詞)
I got up early this morning but I could not catch the first train.
(私は今朝早く起きた。しかし、始発電車に乗ることはできなかった)。次に、相関語句と一緒に使う例文を挙げる。
②not A but B「AではなくB」He is not a teacher, but a student.
(彼は先生ではなく生徒である)
③not only A but (also) B―しばしばalsoは省略される場合あり―「AのみではなくBも」
A pet would be not only expensive but also troublesome.
(ペットは金がかかるだけではなく、手もかかる)。
そのほかにも、but(=except)「~を除いて」、nothing but(=only)「~しか(しかない)」。
④it is true ~ but「なるほど~であるが」
It is true that road travel those days was difficult, but it was safe.
(当時、陸路の旅は困難であったが、安全であった)。
以上、気になる単語の用法について見てきた。
ともかく、大量に英文を読みこなすことで英文を右から左へ流れるように黙読できるようになって欲しい。英文を読みこなすためには、上記以外にも沢山覚えなければならない事項や知識が山ほどある。少しずつ、焦らずに覚えてゆき英語の力を付けて行ってもらいたい。
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2021年度「立教新座高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1・2・3のリスニングは14分程度。
大問4は長文読解総合問題(エッセー文)<14分>。13歳のときにプログラミングに出会った主人公に関するエッセー。
大問5は長文読解総合問題(物語)<14分>。1匹の子犬をめぐり家族が巻き起こす出来事をまとめた物語。
大問6は同音異義語に関する問題<3分>。同じ発音でつづりが異なる単語を解答する問題。日頃からしっかりと単語力を身につけておくこと。
大問7は文法問題<3分>。与えられた2つの英文内容を把握し、文意が同じになるように品詞の置き換えなどを考える。
大問8は整序問題<5分>。基本的文法事項、構文の知識は完璧にしておくこと。
大問9はテーマ自由英作問題<7分>。次に旅行へ行きたい場所についての自由英作問題である。場所は国内、国外どちらでもよい。
【大問4】長文読解総合問題(エッセー)
- 時間配分:14分
コンピュータ科学に13歳で出会った少年のその人生とコンピュータとのかかわりに関するエッセーである。
(問1)語句解釈問題<1分>。
本文では直後に「何時間もプログラミングした」と記載されている。ウ excited が適切であろう。
(問2)英文解釈問題<2分>。
基本的なイディオムの知識や構文の知識を使い下線部訳を考えること。「プログラミングとデザイン」のいずれかを専攻する、という意味になる。エが適切であるが、選択肢中に用いられている‘the rest of ~’は「残りの~」という重要イディオムである。
(問3)整序問題<2分>。
整序問題では、本文に即してどのような英文にするか、次にイディオムなどの知識を使い部分的につなげたユニットを最終的にまとめ上げる作業になる。
(問4)語句解釈問題<1分>。
本文の‘blow’は‘blow+人+away’で「人を感激させる」という意味を持っている。
(問5)英問英答問題<2分>。
本文の内容から「コンピュータ科学は言語の数を主に扱うから」とある。また‘since’には「理由」と完了形の中の「継続」という2つの意味がある。「継続」の場合は完了形の形があるのが見分けの基準になろう。
(問6)英問英答問題<2分>。
英問の意味は「なぜ教師たちは共有サイトを使うのか」という趣旨である。理由は「生徒たちが自分の進捗を理解するため」である。
(問7)適語選択問題<1分>。
‘play a role’は「役割を果たす」という基本イディオムである。
(問8)英文解釈<1分>。
‘crack’は「裂け目」という意味の単語である。本文中の‘fall through the crack’は慣用表現で「無視される」という意味である。イの「誰も置き去りにされない」という選択肢が最適である。
(問9)内容把握選択問題<2分>
本文内容から判断すると空欄に入る内容は、「コンピュータ科学で学ぶことができること」が入る。
【大問5】長文読解総合問題(物語)
- 時間配分:14分
ピートという1匹の飼い犬とその家族との交流を描いた物語。庭を掘るのが習慣であったピートは庭を掘り進めるうちにとんでもないものを掘り当てることになったのである。
(問1)英問英答問題<6分>
各英問の意味は以下の通りである。
1.ピートが好んでやっていなかったことは何か。
2.庭をたくさん掘った理由は何か。
3.もし…ならば、ピートが郵便配達人に渡されてしまう。(…を解答する)
4.子どもたちはなぜなにを言っても無駄だ、と考えたのか。
5.その夜、彼らの枕はどれだけ濡れていただろうということは…を意味する。(…を解答する)
6.ピートが大きな骨と考えたのは、実は…だった。(…を解答する)
7.なぜ庭に宝石があったのか。
8.結局…となった。(…を解答する)
(問2)適語補充問題<8分>
Aには「しようとした」、Bには「に従わなかった」となる。特に、Bの直後にはtoがあるのでAにはtry、Bにはlistenが入る。どちらも、時制の関係(現在、過去。未来)をよく考えること。
【大問6】適語補充による同音異義語問題
- 時間配分:3分
1.「合格する」という動詞(過去形)と「過去」を表す名詞を考える。
2.「週」を表す名詞と「弱い」という形容詞を考える。
3.「私」を表す名詞と「目」を表す名詞を考える。
【大問7】文法問題
- 時間配分:3分
1.比較級で書かれた最上級の内容を表わす英文を直接的に最上級の英文で書き換える。
2.「正しい」と「右」を考える。どちらも‘right’。
【大問8】整序問題
- 時間配分:5分
1.「~してあげたらどうかな」という表現は‘How about ~ing’である。また、現在分詞の形容詞的用法を使用して文章を完成させる。
2.‘so~that…’の構文は入試英語の最重要構文でもある。しっかり練習をしておこう。
3.「私に教えてくれませんか」という英語表現は‘Could you ~?’となる。ここを手掛かりに文章を組み立てていこう。
【大問9】テーマ英作問題
- 時間配分:7分
与えられた英語の質問は「次に旅行に行くとしたら、外国又は国内のどこに行きたいか」という内容である。それに答える英文を書かせる問題。ただし、その理由は2つ盛り込まなければならず、字数も40~50字と指定されている。
攻略のポイント
全体的に見れば、標準的な問題であろう。長文もそれほど難解ではないが、初見の英単語も相当数散見される(これらの単語には本文後に『注釈』が付けられてはいるが)ので、単語力は最低でも英検準2級レベルは必要である。
その他の設問についても、整序問題、適語補充問題など標準的設問が多い。事前準備としては、標準的問題集を何度も演習することが大事であろう。
また、長文に関しては、500~700単語の英文総合問題を月に20題のペースで取り組んで欲しい。英語の最大の得点源は長文であるので、長文を読めないと英語における安定的な得点は望めないであろう。また、そのような長文読解を通じて、習得している文法事項が適切かつ迅速に知識の引出しから取り出せるようになる訓練にもなることは間違いない。
そのような長文読解を経て、英語を目で追う速度で読み進めることが可能になってくるのである。1分間で90単語程度読めればベストであろう。