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法政大学中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「法政大学中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題の構成

大問2つに文学的文章と説明的文章が割り当てられる形式が続いている。漢字やことばの知識も合わせて出題される。
素材文の文量は9000字弱、総解答数は30~35問ほどとなっている。
設問は選択肢・書き抜きを中心に、記述問題も4~5問出題されている。記述は40~50字、あるいは字数指定のないものがある。

文学的文章の読解

小説や随筆文が用いられている。4000~5000字ほどだが、内容は小学6年生にも読みやすいものが多い。
記述問題は人物の心情やその理由を問うものが多い。文中の手掛かりをもとにまとめられる場合が多いので、読解がしっかりできていれば困らないだろう。
文学的文章の読解のポイントをつかんでおこう。

人物の整理――人数・名前・それぞれの関係などを確認する。だいたいの性格も見ておこう。性格が違えばその言動の意味するところも違ってくる。

場面の変化――時間・場所・人物の入出などで場面の変わり目を見つける。場面の変わり目を訊かれる問題もある。

心情の把握――人物の言動・表情や情景などから、気持ちを読み取る。最も問題にされる部分である。多くの文章を読んで様々な人間の考えに触れておくことがなによりの経験になる。

主題の理解――作者が描きたかったことは何か。人間の成長や葛藤・挫折、戦争の悲惨さなど、よく描かれるテーマがある。読書を通じて多くのテーマを見ておくことで、テーマをとらえる力もより付くことだろう。

説明的文章の読解

人文科学・社会科学分野の文章が多い。字数は4000~5000字程度。その分野の専門的な話が多いので、自分が知らない分野だと難しく感じるかもしれない。
論理的文章の読解なので、理由や原因を訊かれることが多い。記述問題も同様なので、傍線部の内容について理由・原因を探しながら読むようにしよう。
説明的文章の読解のこつをつかんでおこう。

段落の整理――形式段落を意味段落にまとめる。意味段落の内容を小見出しのように書いてしまうとわかりやすい。

要点と細部――段落の中で最も重要な1文を見つける。傍線などで目立つようにしておこう。説明や言い換えなどは細部にあることが多い。

要約と要旨――要点をつなげて要約ができる。要約のなかで筆者の最も言いたいことが要旨である。つまるところ、要旨を読み取るのが一番の目的である。

ことばの知識

問題数はわずかだが、表現技法や文のつくり・品詞などの問題も出されている。説明的文章の読解では接続詞の問題が毎回見られる。漢字と合わせて一通りは頭に入れておこう。

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2020年度「法政大学中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

総解答数35問で、60~70字ほどの記述問題が計2問出されている。素材文は10000字以上あり、読むスピードも必要となる。
記述問題以外はそれほど時間を取られないので、他の問題を手早くこなして記述問題に十分時間を残して、しっかり得点したい。

【大問一】小説の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:28分
  • ★必答問題

「すごく大きな人」であることで周囲からの驚嘆の視線を浴び続けて辟易していた主人公は、電車内で「すごく小さな人」と隣り合わせになってしまい、一緒に降りてあとをつけることになる。
問一 「図らずも」は「思いもかけず・意外にも」という意味。「思いがけず面白いものを見つけたような」があるので、ここを抜き出す。
問二 すごく大きな人の隣ですごく小さな人が「おおきいなぁ」などと言ったら、ただでさえ注目を集めやすい二人にさらに注意が引かれてぶしつけな視線を受けてしまう。
問三 「すごく大きい」「すごく小さい」ことで周囲から「驚嘆の視線」を浴び、「我々にしかわからない悩み(羞恥心や疲労感)」を二人は味わってきたであろう、その苦労を「濃厚な共感」と表現している。
問四 原本では「ぶしつけな驚嘆の視線」と10字になっている。試験では驚嘆にかぎかっこがつけられていて、「12字」になっていたと思われる。
問五 段落冒頭に「つまり」とあるように、前の段落で詳しく説明されている。 
問六 話しかける勇気が出なかったのは、すごく大きい自分が話しかけると相手を怖がらせてしまうという過去の経験のせいであると語られているので、選択肢アが合う。
問七 「~歩いているようだった」と比喩であることをはっきり示しているので、直喩である。
問八 イ. すごく小さな人は主人公を見て「大きいなぁ」と言っていたのではない。
   ウ. 新宿は先ほど通り過ぎたので「向かう途中」はおかしい。
   エ. 「軽蔑して偉そうにふるまった」ようすは描かれていない。
問十 イ. もうとう――否定の語とともに用いて、強い否定を表す。
   エ. ぞんがい――予想と異なること。

【大問二】論説文の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:22分

「すべての本」に行きつかなくても、「納得できる何冊かの本とほどほどに出会う」ことができれば幸福であると筆者は考えている。
問一 「挙句」は「~した最後に・~の結果」という意味がある。最後の方の段落にあるので探す。
問二 「すべての何か」を引き受けてその「本の持つ磁力」に負けてしまう、と書かれているので、両者は同じものを指している。
問三 エ. これは「ここ10年」より前の状況の説明であるから、×。
問四 「未来像」であるから、まだ実現していないグーグル・ブックスの説明をしている段落のことである。
問五 第13段落にすべてのキーワードが出現しているので、この段落の重要点を解答欄に収まるくらいにまとめる。
問六 古い時代の「おおざっぱに本と出会う」という状況が「果たして致命的と言えるほど貧しいことだろうか」と疑問を呈している。
問七 第9段落にある「本が好きな人にとっては夢のような話」の状況である。書店の端末やインターネット通販、さらには過去の書物のデジタル化などで、すべての本に自由にアクセスできるようになることを指している。
問八 人は「すべての本」を見ることなどできないし、そこから「最適な」一冊を選びとることなどできはしない。納得できる「何冊か」の本とほどほどに出会えればよい、と筆者は述べている。
問十 a. 複製品――オリジナルではないコピー・写し。

攻略のポイント

読解がしっかりできていれば答えられる。実力が素直に測られる試験である。
文量は多めなので速読は得意になっておくべき。選択肢や書き抜きの問題を素早く済ませ、配点の高い記述問題をしっかり書いて得点を積み増ししたい。
字数指定の無い記述は書き過ぎないように注意。だいたいの行数を数えて計算できるので過去問で練習しておこう。
数問あることばの知識も地味に得点差がつく部分なので、文法も一通りでよいので頭に入れておくこと。

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