芝浦工業大学柏中学校 入試対策
2020年度「芝浦工業大学柏中学校の算数」
攻略のための学習方法
芝浦工業大学柏中学校、算数の満点は100点、合格者平均点を見ると、昨年よりはやや難化している。標準的な問題が多いが、ややレベルの高い問題も含まれる。試験時間は45分でやや短いが、慌てる必ことなく、落ち着いて取り組んで欲しい。各単元の出題傾向と学習法は次の通り。
<単元毎の傾向と学習法>
計算問題
例年1~2題出題される。工夫が必要な問題がよく出題されるので、日頃の計算練習の際には、少しでも簡単に計算するにはどうすればよいか?といった意識で取り組んで欲しい。また単位の計算問題が出題された年もあるので、面積や体積の単位変換についてはしっか覚えておきたい。
文章題
今年度は逆比を利用する割合と比の文章題、旅人算が出題された。ここ何年かの出題傾向を見ると、速さ(旅人算、時計算など)、食塩水の濃さ、売買損益算、年齢算などの出題が見られた。際立った難問は出題されないので、テキストや問題集での練習を行えば正答できる問題が中心である。速さに関する問題では、ダイヤグラム(進行グラフ)についての出題も見られるので、グラフの読み取り問題も練習しておきたい。
数に関する問題
場合の数、数表や数列に関する問題、数の性質など毎年出題が見られる。場合の数の出題がやや多いので、しっかり練習しておきたい。単に計算で求めるものだけでなく、場合分けや調べ上げといったタイプの問題の練習も行うこと。また、数列や数表、割り算のあまりに関する問題等もしっかり練習して欲しい。
平面図形
今年度は多角形とおうぎ形に関する出題であった。ここ数年の問題を見ると、30度-60度-90度の直角三角形、図形の移動、影に関する問題等、趣向を凝らした問題も見られる。
この分野の対策としては、まずは相似や高さの等しい三角形など、比を用いて解く問題の練習をしっかり行うこと。また、図形の移動についても出題の可能性が高いので、力を入れて学習して欲しい。日頃から、等積変形・円周率の計算はできる限りまとめて1回だけ行う、といった工夫を考えて問題に取り組んで欲しい。
立体図形
今回は小問で立体の切り口に関する問題、大問では、円すいをくり抜き、さらにそれを積み上げた立体の求積が出題された。ここ数年では、図形の切断、回転体の求積等が出題されており、回転体の求積は出題頻度が高い。
この分野の学習法としては、立体の切断や回転体の求積については特に力を入れて欲しい。水の深さの変化についても今後の出題が予想されるので、問題練習を行って欲しい。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して欲しい。
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2020年度「芝浦工業大学柏中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
独立小問が2題、大問が6題で100点満点、試験時間は45分であった。合格者平均は例年5~6割程度であるが、今年度は昨年度に比べてやや難化している。すべての小問数は17で多くはないが、記述問題や思考力を必要とする問題も含まれており、時間的ゆとりはあまりない。できる問題から解答欄を埋めるよう心がけて欲しい。
【大問1】小問集合
- 難度:標準
- 時間配分:4分
- (1)計算問題
整数・小数・分数の混合四則演算。落ち着いて計算して欲しい。
- (2)立体図形
球を中に固定した直方体を切断した時の切り口に関する選択肢問題。かなり迷う可能性のある一題。
計算問題・立体図形の小問2題。(1)は確実に正答したい。(2)はかなり迷う可能性あり。図に切断面を描き入れてしっかり観察すること。
【大問2】割合と比の文章題 逆比の利用
- 難度:易
- 時間配分:5分
- ★必答問題
(1)2人が水に浸かっている部分の長さが等しいことに注目して逆比を用いると、2人の身長の比は7:6。
(2)2人の身長を⑦、⑥とすると①が25cmにあたる。水の深さは⑤に相当する。
割合と比の文章題で、逆比を用いる入試頻出問題。確実に正答したい。ここで得点できない場合は、逆比を用いる問題を中心に問題演習をしっかり行って欲しい。
【大問3】規則性に関する問題 群数列
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
- (1)分母が3の分数2個を第1グループ、分母が4の分数3個を第2グループ・・・・と考える。分母10は第8グループ。
- (2)2+3+4+・・・・・+13=90より、101番目の分数は第13グループの11番目。
数列の中でも入試で頻繁に取り上げられる群数列に関する出題。グループに分けて考えることがポイント。苦手な方は、同様の問題の練習をテキストや問題集を使ってしっかり行うこと。
【大問4】平面図形 多角形とおうぎ形
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
- (1)九角形の内角の和は、180×(9-2)より1260度。したがって正九角形の1つの内角は1260÷9より、140度。
別解 多角形の外角の和は360度なので、正九角形の1つの外角は360÷9より40度。したがって1つの内角は、180-40より140度。
(2)中心角40度、半径は1cm~9cm、9つのおうぎ形の弧の長さの和になる。
多角形に関する公式が使えることと、弧の長さの計算が正確にできるかがポイント。確実に正解したい一題。
【大問5】速さに関する問題 旅人算
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- (1)状況図またはダイヤグラムを描いて考えること。2人が2回目に出会うまでに、2人合わせて900m進むことがわかる。2人の速さの比は5:4なので、花子が進んだ距離は400m。したがって、400-300よりA地点から100m。
- (2)出発から1回目までに2人が進む距離の和は300m、その後は、次に出会うまでに600m進むことが続く。
- (3)2回目に出会う場所、6回目に出会う場所、10回目に出会う場所は同じ地点になる。
図を描いて考えることと、旅人算や比を使った速さの処理が正確にできるかがポイント。速さの出題は例年出題されているので、しっかり学習して欲しい。
【大問6】場合の数・割合の計算・数の性質
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
(1)10%の消費税を含めて1600円以内にするためには、1600÷1.1を計算し、ボール代の一の位が0になることから、金額の合計を1450円以内にすればよい。例えば、A12個、B1個、C1個1450円にすることが可能。
(2)ボールC7個の代金は910円なので、A、B、Dで540円以内にすればよい。その中で最も高いDの個数を3個、2個、1個、0個と変えながら、買い方が何通りあるか調べること。
(3)記述問題。1450円は十の位が奇数。A、B、C、Dの定価の中で十の位が奇数のものはCだけなので、Cの個数は奇数個にする必要がある。
場合の数・割合の計算・数の性質といろいろな要素を含んでいる出題。思考力も要求され、やや難しい内容になっている。
【大問7】立体図形 円すいの複合図形
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
(1)円すいの側面積は母線×底面の半径×円周率でもとめることができる。円すいAの側面積、円すいBの側面積、円すいAの底面積-円すいBの底面積の合計がすべての表面積になる。
(2)(3)円すいAから円すいBをくり抜いた形を1個積み重ねるごとに増える面積について考えると、(円すいAの側面積-円すいBの側面積)+(円すいAの底面積-円すいBの底面積)ずつ増えていくことがわかる。
円すいの表面積の計算ができることが絶対に必要。その上で、与えられた立体を積み重ねた時の表面積の変化について、図を見ながら考えること。なお、この大問は考え方や式の記述が指定されている。
攻略のポイント
【大問1】は計算問題と立体図形2問の小問集合で、その後大問が6題の構成になっている。
大問のテーマは、割合と比の文章題、数列、平面図形、速さに関する問題、場合の数、立体図形等であった。【大問7】は式や考え方の記述が指定されている。また、【大問6】の中にも記述門問題が含まれている。
本校攻略のポイントとしてはまず、正確な計算力を身につけ、苦手単元を作ることなく、すべての単元の基本をしっかり身につけることが大切である。その上で、速さ、数に関する問題(場合の数、規則性、数の性質)、立体図形については、ややレベルの高い問題についてもしっかり演習を積み重ねておきたい。
記述問題について特別な意識は必要ないが、日頃から式や図をしっかり残す習慣が大切である。
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