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巣鴨中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「巣鴨中学校の国語」
攻略のための学習方法

問題構成

3つの大問に漢字と長文読解2問が割り当てられるという構成が定形となっている。
読解問題の素材文は論説文や随筆文(説明的内容)が多く物語などはほぼ見られないという、説明的文章に重点を置いた試験となっている。ここ数年は論説文・説明的随筆文・文学的随筆文のうちから2種類が出題されるパターンになっているようである。

文量は2問合わせて6000字程度。同じレベルの学校で8000~9000字ほどの問題も多い中、比較的少なめである。その分、記号選択問題は少なく、記述や書き抜きなどの言葉で書く問題が多くなっている。

知識問題では、読解問題と合わせて接続詞・品詞・語句の意味などが出題されている。

長文読解

毎年2題出題されるが、論説文と説明文が頻出である。随筆文も出されるが、社会や文化に関する説明的な内容のものが多い。算数の力を重視する方針にも関係しているのか、国語も論理的思考力を測る試験となっている。

そうした特徴を考えると、説明的文章読解の対策が主となるだろう。

・段落の整理                                            形式段落→意味段落へのまとめ。意味段落の内容を短くタイトルにしてつけてしまえば、段落のつながりや論理の流れがわかりやすくなる。

・要点
各段落の最初と最後に特に注意しながら、要点をチェック。自分のやりやすい方法で良いので、傍線を引くなどしてすぐ探せるようにしておくことはやはり有効である。別の言葉で言い換えた部分と線で結んでおくなどするのも良い。

・要旨                                               要点をまとめれば全体の要旨がわかる。特に記述問題は要点・要旨から字数に合わせて抽出し、まとめて答えとなる場合が多い。説明的文章の読解は結局は要旨の把握が求められている。

以上のような、説明的文章の読解問題を説く際の基本的な作業をしつこく練習しておく。

また、本校の特徴として書き抜きや記述など、言葉で書く問題が多いことが挙げられる。すべて字数指定があるので、答えを探す目安の一つにはなる。

記述問題も、「文中の言葉を用いて」という指定が多く、全て自分の言葉で考えるような重い記述問題ではない。必ず文中に適切な部分があるので、そこから抜き出して答えをまとめられる。ここでも、前述のようなキーワード・要点・別の言葉で言い換えた部分などをすぐに探せるような工夫が生きてくるわけである。

選択肢問題は4択だが、やはり最後に2つ選択に迷うものが残りやすい。要点や要旨に合致するか反しているか、文中に有ることか無いことか、一語や細部も見落とさない注意深さが必要とされる。

 漢字・その他

漢字の書き取りが毎年10問出題されている。標準レベルの漢字が多いので、中級程度の漢字教材をしっかり仕上げれば不安はないだろう。

言語事項などは長文読解に合わせて、接続詞・品詞・語句の意味などの問題が出されており、特に接続詞はよく出題されているので注意しておくこと。

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2020年度「巣鴨中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

今年度は説明的随筆文と論説的随筆文の2題で計5000字ほど、総解答数は42問であった。
読解に関連する選択肢問題は17問で残りは書き抜き・記述など言葉で書く問題だが、問題数がやや増えたので時間配分には注意を。文中からヒントや答えを特定するスピードを養って、一通りすべての問題に答えられれば理想的である。

【大問一】漢字の書き取り

  • 難度:標準
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

 慣習――ある社会で古くから受け継がれている習わし。
 門戸――他と交流し、受け入れるための入り口。
 一律――同じ基準で同等に扱うこと。
 銭湯――代金を払って利用する公衆浴場。
 周遊――各地を旅行してまわること。
<時間配分目安:3分>

【大問二】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:30分
  • ★必答問題

「機能性」「ストーリー性」「装飾性」という魅力が、万年筆の世界に広がりや面白みを与えていると解説している。
問1 大同小異――小さな違いはあるが、だいたいは同じであること。
問2 ユーザーが魅力を感じるような(=心くすぐる)特徴。
問3 付加価値とは「たとえば」××さんが年々もかけて開発したということ。「つまり」〇〇というストーリーがつくことで付加価値がつく。
問4 「書き味」「持ち味」に関して「似たり寄ったりのもの」になってしまう、とあるので、当たり障りのない仕上がりという意味の選択肢イが合う。選択肢エは「とても使いやすい」が特別な高評価である点が合わない。
問5 (1) パイロットは「ストレスなくインクが出てくる」で「書き味」、プラチナも「少ないインク量で速書き」なので「書き味」、セーラーは「手に荷重がかかりにくい」で「持ち味」を重視している。
   (2) 各社それぞれ「どのようなユーザー向けか」「そのユーザーにあった機能を細かく追求する」など、目指す万年筆の良さが異なっているのである。
問6 前段落の内容をまとめる。「機能性ばかりを追求すると面白みがない」「書くという機能以外でも心くすぐる特徴があったほうがスター性が出て愛着も増す」とある。
問7 「その万年筆があることで、会話が始まったり、会話が弾んだりするようなタイプのもの」を「ストーリー性のある万年筆」と言っている。
問8 ストーリーの例として「有名メーカのブランド力」と「長期間の開発」を挙げているが、これらはありふれていて数も多くストーリー性が弱いので、もっと強いトピックが必要となるのである。
問9 「機能性がない」点をAで指摘し、持ち歩くこともないため「ストーリー性」も必要ではないことをBと表し、Cとしての価値が最重要視される、という文脈である。Aは「アインシュタイン」に関しての記述、Bは「ストーリー性のある万年筆」に関しての記述の部分で探せる。
問10 「装飾であっても、どこかしら機能性によって裏打ちされたものでないと、ちぐはぐなものとなる」と書かれているので、「機能性」と「装飾性」が両立していなければならないということである。
問11 イ. 「科学者が作り上げた」はずがないので、×。
    エ. 「やはり万年筆と見るべきかと思います」と述べているので、×。
問12 ア. 「各社が定めることになった」わけではない。
          イ. 「どれが一番かという議論」など生み出されていない。
          エ. 3つの要素を「最もバランスよくなるように」という主張はない。
<時間配分目安:30分>

【大問三】論説的随筆文の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:17分

孤独とは会話する人がいないことであり、会話がない家庭の崩壊が社会の崩壊にもつながると警告している。
問1 白菜についての思い出に関連して「具体的に」という条件なので、食事の際に手間をかけて食べやすいように準備してくれたことを挙げればよい。
問2 母の愛情を感じられる「最高のおふくろの味」とあるので、エがよい。
問3 その季節・時期が訪れたことを「~の声を聞く」などと表現する。
問4 「受け身」の「れる・られる」。アは「浮かれる」で一語の動詞、ウは「自発」、エは「尊敬」である。
問5 A. 商家では長子は後継ぎとして当然大事にされるので「もちろん」。
         B. 長子のうちでも長男は「殊に」家事の手伝いはさせられなかった。
         C. 長男は「もっぱら」商売の仕方を教わった。
問6 小豆の選別・毛糸の巻取り・コンブ切りなどの家事の手伝いということで、ウが選べる。
問7 次段落にある。家族の小さな仕事を通して「お互いを思いやる心」を身につけたのである。
問8 「組織は内側から崩壊していく」のであるから、社会の最も小さい単位である家族の崩壊はやがて社会の崩壊へとつながるのである。
問9・問10 「孤独」とは「(誰とも)会話する相手がいない」ことであると定義している。会話のない家族は複数孤独であり、「家族が住んでいる空き家」だと表現している。
問11 放送局に勤めている身として「テレビが家族の会話を奪っているので食事時はテレビを消してください」などと主張したら、「内外から猛烈な批判」を受けることは予想できることである。
<時間配分目安:17分>

攻略のポイント

素材文に論説文・説明的随筆文・文学的随筆文のうち2つが用いられる形がここ数年のパターンとなっている。この3パターンの文章の類似問題を多くこなしておこう。
論理的な文章の読解力を重視している本校の試験だが、ここ数年は文学寄りの随筆文が出されている。今後の傾向を示している可能性もあるので、このタイプの随筆にも慣れておく必要がある。
字数指定のある書き抜き・記述問題が多いという特徴も意識して、過去問・類似問題でまとめ方の訓練を。

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