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広尾学園高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「広尾学園高等学校の国語」
攻略のための学習方法

現代文の読解

例年、論説文が2つ出されている。文学的文章の出題はない。字数は総計7000~9000字前後。高校生レベルの文章で受験生にとってはやや難しい。

設問形式は計26問中、言語事項などを除いて、選択式11問・書き抜き2問・記述3問(2019年度)。記述はいずれも70~100字ほどの長文記述になっていて難しい。

記述問題

字数が多いので、かなり練習を積んでおかないと試験本番で混乱し、うまくまとめられない事態が懸念される。本校の長文読解は論説文だけなので、論理的文章を指定された字数で要約する訓練が必要ということになる。

おおよそは20~30字でひとつの事柄がまとまり、50~60で大きなまとまりを形成すると考えれば、使う部分を整理しやすいだろう。20~30字ほどで重要点を抜き出しておき、設問の指定にそって組み合わせて答えとするのである。

まずは長文読解の基本どおりに問題をこなしていこう。形式段落→意味段落の整理(その際、意味段落の内容をタイトルとしてつけてしまうとわかりやすい)・段落ごとのつながり・各段落の最初と最後に特に注意しながら要点と細部の区別・それらをまとめて要旨・要約へといたる。

記述問題はまとめる内容が整理できていないと何回も書き直して時間切れになる恐れがある。素材文を読みながら印・傍線で重要点を目立つようにしておき、関連する事柄は線で結んでおくなどすれば解答の際に役立つだろう。同程度の文量の問題を多くこなし、60字や120字くらいで要約する練習を繰り返して十分に慣れておきたい。

選択肢問題

素材文が難しめなので選択肢の文も難しくなってしまうが、内容自体は迷わせるような微妙なものは少なく、選びやすくはなっている。本文をしっかり理解できていれば得点源にできるだろう。

古文

600~800字ほどの素材文で例年4~5問の出題となっている。配点は2割ほどあるので無視はできない。

現代語訳はつかないが、難しい単語の注はついている。内容も古文の中では比較的やさしい、現代人にもわかりやすい文が使われている場合も多く、難易度は配慮されている。

とはいえ、学校でさっとなぞっただけの古文の学習では足りない。最重要単語や基本文法を頭にいれ、高校生初級レベルの古文の教材で勉強しておこう。古文に頭を慣らしておくだけでも、得点につながるはずである。

漢字

言語事項などの知識問題はあまり出題されない。漢字の読み4問・書き6問という形でほぼ定着している。読み書きともに難しい漢字も出されているので、中級程度の漢字をマスターし、できれば上級レベルまで手を伸ばしておきたい。

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2020年度「広尾学園高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

2問の論説文読解で約7800字・古文580字ほどで計8400字ほどの文量で、総解答数は26問。

3問の長文記述は難易度も高く計12~13分ほどは取られそうである。どうしても時間が足りなければ1問は諦めるのも作戦であろう。

漢字10問は3分程度でさっさと済ませ、選択肢の問題を全てこなしてから、記述問題に時間いっぱい取り組む。

【大問一】漢字の読み書き

  • 時間配分:3分

問一 ① こくめい――注意深く、細かいところまで配慮が行き届いていること。

         ② じゅんたく――ものが豊富にあること。

    あんのん――心静かに落ち着いていること。

    (取り)つくろう――不都合などを隠そうとうわべを飾る。

問二 ① 遂行――やりとげること。

         ② 果敢――思い切りがあり、大胆に物事を行うさま。

    諮問――有識者などに意見を求めること。

    隻語――ちょっとした言葉。

    権謀(術数)――巧みに人を欺く策略。

    飽食――あきるほど腹いっぱい食べること。食物に不自由しないこと。

【大問二】論説文の読解

  • 時間配分:19分

時代や文化を超えた絶対的な道徳などは無く、現代は誰もが互いに自由な存在であることを認め、互いの考えや行動が相互承認可能であるかどうかを問い合って、違いを超えて共存することを目指す「ルール社会」であると述べている。

問一 さまざまな家庭環境や文化的背景の子どもが通う現代の学校で、「限定的な習俗の価値」である道徳を教えることは「異なる価値との争いを生み出す、とあるので選択肢が合う。選択肢は「学校教育」の語の意味が広すぎて合わない。

問二 設問の「近代社会はどのようなあり方を目指す」の文言に注目。本文第四連の「わたしたちが暮らす社会は、多様なモラルの持ち主たちが、その違いを超えて共存することを目指す」とある部分が、質問に合う。

問三 一見、立派に見えるが実は単なる独善に過ぎないという本質を強調するためにかぎかっこで目立たせていると考えられる。

問四 必ず認めなければならないのは「誰もが対等に自由な存在同士であるというルール」である。その際、他者の自由を侵害しているのかしていないのかを判断するには、「それぞれの考えや行動が相互承認可能であるかどうか、互いに問い合う必要」があり、そのことを傍線部では「吟味」と表現している。

問五 「黄金律」は「あくまでその人自身の個人的な欲望」であり、「自由の相互認証」は互いの存在を認め合う社会の「普遍的・根本のルール」であるという違いがある。

問六 ア. 「市民全体に自覚があるから」とは述べられていない。

   ウ. 「宗教の代わりとして」ルールを規定したわけではない。

   エ. 「互いの主張を全面的に認める」ものではない。

【大問三】論説文の読解

  • 時間配分:19分

日本の医療において患者が主体的に自己決定をする障害となる特殊性があることを指摘し、医師の側にも具体的な場面・事物の多義性・相互行為に対応する知恵が必要であると説いている。

問一 ウ. 周囲に広がる無意識と混ざり合ってしまうのは、意識的な自我(エゴ)ではなく、自己(セルフ)なので、×。

問二 イ. 「十分に理性的な自己意識を有したうえで」が合わない。そうでないから、違和感や抵抗を感じるのである。

問三 筆者が「わが意を得た」と言っている菅邦夫氏の意見が答えとなる。「医学用語をもう一度患者にわかるような日本語にして説明」し、それによって「関係を外的なものから内的なものに変え、医者と患者の意思疎通を成り立たせる工夫と努力」が求められるのである。

問四 患者が示す「マスコミから得た情報」に乗って医師が「先入観」を持ってしまうと、医学体系に照らして下した判断に狂いが生じる恐れがある、ということであろう。プロの判断が素人の意見で変わってしまっては危険である。「先入観」が影響を与えるのは「医師の判断」であって、「医学体系」に変わりはないので選択肢ウは合わない。

問五・問六 本来目指すべき「進んで学ぶこと・積極的に能力を身に付けること」が「ただ教えられること・ただ進級すること(形だけ)」にとどまるという惰性的形骸化=価値の制度化が起きている。これを防ぐには医学・医療が「厳密科学・精密科学の面を持つこと」だけでなく、それにもまして「具体的な場面・事物の多義性・相互行為に対する『知恵に満ちた技芸』であること」だという観点が必要だと述べられている。

【大問四】古文の鑑賞

  • 時間配分:9分

死に瀕した娘が鬼神の情けで助けられた話と、内容理解の助けになる随筆が示されている。

問一 和泉式部が「かたはらにそいて額をおさへて泣きける」と小式部内侍が「目をわづかに見開けて「母」の「顔をつくづくと見て」歌を詠んだ。

問二 1. 一つの言葉に二つ以上の意味をもたせる技法は「掛詞」。

   2. 「いくべき方」に「生くべき方(生きる方法)」と「行くべき方(親より先に死ぬという親不幸についてどうしたらよいのか)」という二つの意味が込められている。

問三 傍線は「熱が下がり、快方に向かった」という意味で、娘が助かったということである。[A]の「あな、あはれ」の声は、[B]の「目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ」から考えて鬼神の声だったと思われる。鬼神が娘の詠んだ歌を憐れんで娘を助けてくれた、歌にはそのような力があるという話である。

攻略のポイント

長文読解と記述対策が焦点であろう。

論説文の読解なので、論理の流れを把握して要約する力をつけることが目標となる。

記述は100字超の問題も出されるので、同程度の字数の問題を多くこなし、字数の感覚を得ておく。自然科学・人文科学などの論理的文章を読みながら要点に印をつけるなど、普段の読書も練習に組み込むことをお薦めする。

古文はやはり頭を慣らしておくことが大事なので、中学の教科書だけでなく、高校の教材を使って少しでも多くの古典に触れておくと良いだろう。

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