吉祥女子中学校 入試対策
2020年度「吉祥女子中学校の算数」
攻略のための学習方法
前半問題の対策
本校の前半の問題は、標準的な問題が中心である。前半だけで50点程度の配点があるので、この部分をしっかり得点しておくことが必要である。算数に対して苦手意識の強い受験生は、薄い問題集で構わないので、典型的な問題をチェックしておくとよいだろう。得意な受験生の場合は、やや苦手に感じる分野の再チェックで十分であろう。
後半問題の対策
後半は、大型問題が2題という形式になっている。
独創的でやや難しめの問題が少なくないが、本質的な部分が理解できていれば解くことができる問題であり、無理のある問題は出題されていない。
出題分野に関係なくいえることは、一つの大問に対する設問数が多く、誘導形式の問題になっていることである。誘導形式の問題では、問題文をよく読み、設問の流れを意識して取り組むことが重要である。
前の設問が、後の設問のヒントになっていることが少なくない。また、出題者の立場になって、「なぜ、この設問があるのだろう」と考えてみることも、問題解決につながるだろう。
塾のカリキュラムに合わせた学習をしているだけでは、このような問題に触れる機会が不足してしまう。本校の過去問には多めに取り組んで、誘導問題に慣れるようにしておきたい。もちろん、他校の誘導問題に触れることも有効な学習方法である。
普段の学習では、単純に問題を解いて終わりにするのではなく、解き方・考え方をきちんと説明できるようにすることが大切である。それが、本校の後半問題への対策として、きわめて有効である。
算数が苦手な受験生向け
本校の入試では、前半でなるべく点数を稼ぎ、後半は解きやすい問題を見つけて解くことが重要になる。
まずは、標準的な問題をしっかり練習しておくことが最優先の学習である。入試では、前半での大量失点は致命傷になるので、それだけは最低限避けなければならない。
後半の誘導問題も、最初の設問は易しいことが多い。問題文が長く、難しそうに思えてしまうことが少なくないが、問題文をよく読み、最初の設問を解こうと努力する必要がある。
算数が得意な受験生向け
後半の問題は、実力を発揮しやすい問題が比較的多く、大きく差をつけることも可能である。標準~やや難レベルの問題を中心に、多くの問題に取り組むとよい。別解を考えるのも実力養成には効果的である。
高得点をねらう受験生は、時間配分に気をつけたい。後半の大問2題で、片方に時間を使いすぎて、もう一方の問題を考える時間が少なくなり過ぎないように気をつけたい。後半2題では、完璧に解くことよりも、30点以上を確保することを心がけるとよいだろう。
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2020年度「吉祥女子中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
前半は典型的な問題が中心、後半は典型的でない問題も含む大問という例年通りの形式になっている。
今年度は昨年度に引き続き、平均点は高めである。解きにくい問題は少ないが、解き方次第で答えを求めるまでの処理量の差が生じやすい。遠回りになる解法が多いと、終盤で時間が足りなくなる可能性があるだろう。
【大問1】計算問題・一行問題
- 難度:易
- 時間配分:13分
いずれも基本的な問題である。
(1)(2)は計算問題。
(3)は割合に関する問題。
(4)は等差数列の問題。
(5)は速さと比の問題。
(6)はつるかめ算。
(7)は通算算。2つのトンネルの長さの差に注目すればよい。
【大問2】立体図形
- 難度:標準
- 時間配分:5分
- ★必答問題
円すいを横に倒して転がす問題。
(1)では、円すいの側面積と転がしたときの回転数を求める。基本的な問題である。
(2)では円すい台を同様に転がす。円すいを転がした場合におきかえて考え
【大問3】条件整理の問題
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
小数点以下を切り捨ててできる整数について考える問題。
(1)は問題文の内容を理解していれば、直ちに答えが分かる。
(2)(3)では、条件を満たすような数Aの範囲について考える。悩むような問題ではないだろう。
【大問4】立体図形
- 難度:やや難
- 時間配分:18分
容器に水を入れる問題である。
(1)は易しい問題である。
(2)は水位が2cm、4cm、満水になるまでの時間を求める。無駄な計算を避けて、なるべく楽に求めたいところ。
(3)~(5)では、容器内に四角柱の鉄を入れることになる。四角柱は直方体ではないところが、この問題の大きな特徴である。
(3)は四角柱の長さに関する問題で、途中式や考え方も記述することが要求される。落ち着いて考えれば難しくない。
(4)(5)では、水位が1cm上昇するのにかかる時間を求める。解きにくく感じた受験生もかなりいたかもしれない。(1)の結果を利用すると、楽に求めることができる。
【大問5】平面図形
- 難度:標準
- 時間配分:8分
等積移動に関する問題。
(1)~(5)は、等積移動の定番問題である。
(6)も等積移動の問題だが、ひねりが加えられている。(3)と(5)から本質を見抜き、それを応用させる必要がある。良問ではあるが、類題の経験の有無が影響しやすい問題でもある。
攻略のポイント
【大問1】~【大問3】で得点を稼ぐことは、本校の算数の鉄則である。今年度も【大問3】までに解きにくい問題はないので、しっかり得点していきたい。ただし、【大問3】までに時間をかけすぎると、終盤で時間的に厳しくなる可能性があるので注意したい。
【大問4】は、前の設問とのつながりを意識して、楽に求めることがポイント。解法次第で、時間をかなり節約できる。終盤の設問はやや解きにくい問題なので、手が止まってしまった場合は、早めに【大問5】に移った方が無難である。
【大問5】は(6)以外は定石通りの問題。この定石を忘れてしまっていると、かなり手痛い失点になってしまう。(6)は正解できなくても、それほど影響はないだろう。
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