昭和学院秀英中学校 入試対策
2021年度「昭和学院秀英中学校の社会」
攻略のための学習方法
問題構成
大問6~7つが地理・歴史・政治経済におおむね2~3問ずつ振り分けられるパタ-ンが多いが、問題数や配点では歴史の比重が多くなっており、歴史重視の傾向がある。解答数は40問前後。
設問は最新年度では記号選択24問・適語記入9問・記述3問・といった割合になっている。近年、記述問題も出されるようになった。
地理分野
地形や気候・産業や貿易など、幅広い分野からいろいろな問題が出される。地形図の読み取りやある地域にポイントを絞って詳しく訊くような問題もある。地理分野のあらゆる形の出題があると思って良い。
なかでも、資料が多く用いられる点は特徴的である。地図・グラフ・統計資料が多用され、模式図・歴史史料・写真なども使われる。過去にも産業の都道県別ランキング・都道府県別昼夜人口比率・雨温図など、様々な資料が提示されている。
特に、あまり見慣れない資料が使われる点に注意が必要である。2017年度でもカロリーベースの食料自給率・人口増減率・地域の月別日照時間・海抜高度別の面積割合など、他校ではあまり見られないデータ・統計が用いられている。統計の上位1~3位まで覚えていれば答えられるような単純な問題ではない。いわゆる難問・奇問の類ではないのだが、なぜそのような数値になるのか、背景や理由をその場で考えなければならないので、思考力が求められる。
まずは基本レベルの問題を落とさないよう、地名・地形・気候・産業などの基礎知識を固める。基礎知識は難しい問題の手がかりを探す土台ともなる。その上で多くの統計資料・グラフの読み取りを練習し、なぜそのようなデータになるのか、そのデータから予想される結果は何かなど常に考える習慣をもち、基本事項と関連させて知識に厚みを持たせよう。
知らない統計などが出された時にヒントを得られる情報を、少しでも多く頭に入れておきたい。
歴史分野
地理分野の難易度が高い傾向にある本校であるが、年度により多少のばらつきはあるようで、歴史分野に難問が見られる年度もある。
各時代の法令などの一つのテーマに沿った出題や、ある範囲の時代の地名・人物名・貿易・時代順の並べ替えなどを広く尋ねる問題など、歴史に関するあらゆる種類・内容の問題が出されている。
だいたい基本レベルの問題が多いので、テキストを丁寧に学習することが第一である。年代を問う問題も多いので、時代や年号を正確に覚え、年表などで流れもすぐ思い出せるようにしておこう。
政治経済分野
他の2分野と比べて問題数は少なめである。憲法や政治の仕組みと合わせて時事問題も出題されている。テキストで基本事項を覚えたら、直近の1~2年の重大ニュースをチェック
して、ニュース・新聞で社会で起こる出来事にアンテナを張っておこう。
記述問題
ここ数年、出されるようになった。30~40字程度で出来事の理由・原因を答えるような問題が多い。用語を覚えるだけでなく、その物事の背景や理由・周辺事項も合わせて取り込むように学習しておこう。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2021年度「昭和学院秀英中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数は36問。1問に1分はかけられる計算だが、地理分野は資料を用いた問題が多くなっている。歴史分野はテンポ良く答えられる問題が多いので、例年通り地理の問題が重そうだったら歴史・政治経済などから手を付けると良いかもしれない。全く歯が立たないような問題で時間を取られては損である。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
世界地理や地図の読み取りなど。
問1 ① メルカトル図法では赤道付近を除くと方位は正しく読み取れない。
② 角度が正しく示されるので、航海図として船の航行で使われる。
問2 ① a地点では北西からの季節風は湿気を含んでいないので雪は降らない。
問4 自然災害は同じ地域で過去と同じ規模の被害が発生することが予測される。東日本大震災でも古くからある神社や仏閣などは過去の津波の到達点より高い位置に建てられていて被害を免れた事例が多く見られた。後世に被害の範囲を知らせる目印として石碑・モニュメントの地図記号が新しく設けられた。
問5 ① 通常水力発電は山間部のダムの水位の落差を利用して行われるものであるし、そもそも近くに川がない。
② 向町こそ直線道路ばかりである。
【大問2】地理分野
- 難度:やや難
- 時間配分:7分
- ★必答問題
資源やエネルギーについて。
問1 1973年の石油危機以降、エネルギー資源の輸入が中東地域にばかり集中するのは危険なため輸入先を分散するようになった。また、天然ガスは燃焼した際に発生する温室効果ガスが石油よりもはるかに少なく、環境保護の観点からも近年多く使われるようになってきた。
問2 bは発電量が多いが火力か原子力を利用していると思われるので神奈川県。cはダムが多い北陸地方の富山県。aは澄川や上の岱などの地熱発電所がある秋田県。
問3 アは石油化学工業の多さや総額から千葉県。イは食糧品・鉄鋼業で考えて北海道。ウが製紙・パルプの多さから愛媛県、エが長崎県となる。
問4 航空機での輸送は一度に多くは運べず輸送費も高額であることから、半導体や貴金属などの小さくて高額な製品を運ぶのに適している。
【大問3】歴史分野
- 難度:やや難
- 時間配分:14分
- ★必答問題
各都道府県での歴史について訊かれている。
問1 資料1は静岡県。弥生時代には稲作が広まり支配するものとされるものの差が生じ、土地や水を求めて争いなども起こるようになった。
問2 アは銀閣、イは平等院鳳凰堂、ウは金閣である。
問3 資料2は滋賀県。イは曹洞宗(道元)、ウは時宗(一遍上人)、エは日蓮宗(日蓮)のことである。
問4 イは元寇のようす、ウは東海道五十三次の一枚、エは笠懸の様子である。
問5 資料3は富山県。北前船は大坂と北海道を日本海側の航路で結んだ商船。北海道からはニシンや昆布などが運ばれた。
問6 第一次世界大戦はヨーロッパが主戦場であったため、日本やアメリカは直接の戦争被害を受けず物資などの注文が増え好景気となった。
問7 資料4は和歌山県。アは松平定信の寛政の改革、イは徳川綱吉、ウは水野忠邦の天保の改革のことである。
問8 1886年のノルマントン号事件のこと。西南戦争(1877年)と大日本帝国憲法発布(1889年)の間に入る。
問9 資料5は岩手県。二毛作が広まりや土倉・酒屋などが増えたのは室町時代である。
問10 アは宮沢賢治、イは森鴎外、エは与謝野晶子の作品である。
問11 資料6は山口県。イは安土桃山時代、ウとエは鎌倉時代のことである。
問12 ア. 日露戦争は桂太郎内閣のとき。
問14 鹿児島県(薩摩藩)と山口県(長州藩)の出身ばかりで、倒幕で主導的な役割を果たした薩摩・長州による藩閥政治となっていることがわかる。
【大問4】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:5分
いろいろな時代の人物について。
問2 前島密は郵便制度を確立した人物。「郵便」「切手」という語も前島の発案である。
問5 埴輪は作られた時代や形・使用法が異なるので、土偶としっかり区別しよう。
【大問5】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
持続可能な開発目標(SDGs)を題材とした問題。
問2 国際連盟では日本は常任理事国であった。評決が全会一致制であったため、意見が割れると組織として十分に機能しなかった。国際連合では国連軍が組織されている。
問3 ア. 弾劾裁判所は国会内に設置される。
イ. 日本は現在も死刑制度が存続しており、条約は批准していない。
ウ. 違憲立法審査権はすべての裁判所が有する。
問4 ア. その分野を専門とする研究者などが大臣に任命されることもある。
ウ. 閣議は全閣僚一致で表決をする。主催者も総理大臣である。
エ. 内閣総理大臣は必ず国会議員の中から選ばれる。
問5 B. 国庫支出金は国により使い路が指定されている。
D. 最高裁判所が指名した名簿により内閣が任命する。
問6 アは南アフリカ共和国、イはインド、ウはメキシコ、エはドイツ、オは韓国のことである。
攻略のポイント
今年度も地理分野で資料について考察する問題が見られた。たとえ見慣れない資料でも、基本事項を土台に考えたり、最近の世の中の動きを考えたりすることで正解を導き出せる。統計やグラフの読み取りをしっかり練習して、思考力を養おう。そのためにも地理分野は特に念入りに学習して抜けが無いように。
記述対策として、物事の理由や背景までよく考える訓練も積んでおこう。その他の分野も、難しい問題以外は確実に得点できるよう、テキストレベルの実力を着実につけておきたい。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
昭和学院秀英中学校の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。