大宮開成中学校 入試対策
2019年度「大宮開成中学校の算数」
攻略のための学習方法
[正答率の高さが問われる]
「基本より少し上の問題」を最低でも80%以上の正答率で解く。
これが大宮開成中学特待生選抜に合格するすべてである。
言っておくが、80%は最低ラインであり、出来ればそれ以上-90%程度が望ましい。
もちろん、満点に文句を言うことは出来ない。
難問を解ける力は必ずしも必要ないものの、正しい答えをしっかり出せるという解く側の安定性が最重要である。
[「基本より少し上」とは]
それでは、「基本より少し上」の問題とは具体的にどのようなものか。
2018年度の問題を例にとると、
【大問2】の(1)(3)(4)は基本問題である。これはどんなレベルのテストにおいても解けなくてはいけない。しかし(2)(5)はその基本レベルを少し超える、つまりここでいう「基本より少し上」の問題と言うことだ。
(2)が「倍数算」の問題というのは一目瞭然だが、「比をそろえる解き方」は通用せず、比例式を用いて関係をまとめるか、複雑な線分図に条件を書いた上で比の大きさをそろえなければならない。
(5)では「5で割ると3あまる」数と「7で割ると2あまる」数をそれぞれ書いていき、はじめに共通した数をもとにして公倍数を使う、という見た目よりも面倒な解き方を要する。
【大問3】ならば(1)の角度の問題。案外解けない生徒が多いのではないか。
さらに【大問6】の「速さと比」の問題。これは大問自体が「基本より少し上」といえる。
【大問7】の(2)も同様だろう。
また、平成28年度問題であれば【大問3】の(2)、【大問6】【大問7】など…
今挙げた問題がすんなり解けるのであれば合格に何の支障もない。おめでとう。逆にこれらの問いにひっかかっているようであれば、目の色を変えて同レベルの克服に燃えなければいけないだろう。
[正しい答えを出すという心構え]
また、この中学の入試問題は大問の数が7つと多めなので、分野に偏らず広範囲から問題が出されている。つまりは苦手な分野を作ってはいけないと言うこと。どの分野の問題が出されても、効率よく確実に正解する、という力が必要になる。
そのためには、「4科のまとめ」などにあるような典型題はすべて克服しておきたい。条件が細かい応用問題に対応する必要はない。とにかく頻出レベルの問題は解き方を正確に身につけること。
さらに、問題に接したとき、できるだけ1回で正答を出すという心構えが欲しい。やり直しがきく、と思うとどうしても適当にやってしまうことがある。6年生なら、常日頃から一発で正解する、という癖をつけたい。
もちろん、新傾向の問題が出たときは別であるが。
最後に、大宮開成中学の特待生選抜テストは年を追って問題の質が上がっているように感じる。来年度はもう少し骨のある問題となっていることも考えられるので、油断することなく「基本より少し上」の問題を一つでも多く解いて自力をつけ、本番に臨むことにしよう。
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2019年度「大宮開成中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
テスト時間は50分で大問は7問と少し多めで、設問数も20題となっている。時間と問題数のバランスはとても良く、問題も洗練されていて学力を見るにはぴったりだ。ただし、「特待生選抜」の合格点(合格ライン)は高いので、算数では80点を目指したい。前半は全問正解をめざし、後半の【大問】では少なくとも(1)は正解しておきたい。
Tクラス合格で良ければ、60点が目標となるだろう。
【大問1】計算問題
- 難度:易
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1)から(4)まで、計算の基本能力が試されている。この中では分配のきまりを使って解く。(2)と分数の逆算が入る(4)には注意したい。
(2)の途中にある「55.2×0.4」を「2.76」に着目して「55.2×0.4」→「5.52×4」→「2.76×8」とまとめられるかどうか…
【大問2】一行問題…つるかめ算・逆比・年齢算・仕事算・数列
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
どの問題も受験算数においては標準的なものばかりで、問題演習を多く積んできた成果の出しどころだ。
点数の差がつくとすれば(2)の「逆比」、(5)の「数列」だろう。(2)では逆比のあつかいがうまくなく、比の前項と後項を逆に書いてしまう生徒がいるがこちられは正解に近いようではるかかるに遠い間違いなので注意が必要だ。
(5)は規則性がわかりにくい。まずそれぞれの数の差をとって、さらにその差の差をとると規則が見えてくる。
(2)(5)とミスを誘いやすいところではあるがやはり全問正解を目指したい。
【大問3】角度・平面図形と比・回転体
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
ここでのポイントは(3)で、あとは問題なく解けただろう(と思う…)。
(1)のような角度の問題になると、やたらと図の中に角度という角度を書き込んでいく生徒が少なくないが(とても多いと言うこと)、それは解き方として美しくない。折り返してできた2つの角度にはそれぞれ○と×を、あとは直角二等辺三角形の角45度を一つ書き込むだけで十分である。角度の問題では、等しい角や等しい辺を見つけること(二等辺三角形)が解くカギとなる。図をあまり汚さずにそれらを発見してから必要最小限に角度を書き込むこと。内角の和から角度が求まるのは4年生のうちだけだ。
(2)は典型的基礎問題。
(3)では、回転させてできた図形、つまり円柱の体積を求めることになるのはすぐわかるわけで、底面の半径が求められれば正解に到達できる。半径のわからない円の面積は「半径×半径」を見つけられるようにする、のは中級のテクニックである。今まで何度か解いてきたことがある内容だろう。ここでその真価が発揮できるように。
【大問4】食塩水
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
昨年度の食塩水の問題よりもやさしくなっており、ここも正解は至上命令だ。
(1)は濃さの異なる2つの食塩水を混ぜてその濃さを求めるだけ。
(2)は食塩水全体の重さがわからないので面積図またはてんびんにたよろう。これは初級のテクニックと言えよう。面積図はまだおぼつかない生徒は1日も早く使いこなせるようがんばること。
【大問5】場合の数
- 難度:標準
- 時間配分:8分
「オセロ」というゲームのルールを知っている、またはやったことがある生徒には「しめた!」と思える問題である。もちろん「オセロ」を知らない・やったことがない生徒でも解けるようにルールを説明しているが、ルール③の理解はやはり経験があった方がわかりやすい。
(1)では、A君がPに黒石を置いたところで、黒と黒にはさまれた白は黒に変わってしまう点を見落としてしまうともはやアウト。そのことがクリアできていればあとは白の位置を探すのは難しいことではない。
(2)はできたとしても少し時間がかかる。A君が1回目に黒石を置くことができる位置を確認したて上でそれぞれについてB君が置ける位置をさがし、さらにそれを2回目に置ける位置につなげていく…ここまでの設問では急激に難度がアップした。失点も免れないかもしれない。
【大問6】速さ(ダイヤグラム)
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
設問ごとに難度を見ると(1)が「標準」、(2)が「やや難」といえる。
(1)では、A・Bの分速をそれぞれグラフから求め、「旅人算」として問題を解くというやり方と、グラフを三角形に見立てて、「相似形」の問題として解くというやり方がある。(1)だけ求めればいいのなら「相似形」解法の方が手順も少なく計算も楽ですぐ求まるのだが(2)の設問では結局分速などを求めなければならず、どちらが得と言うこともないようだ。
(2)は分速などそれぞれ求めたとして解説する。
A君が家に着くのは20分後、60分後、100分後、140分後…と規則的であり、B君がはじめて家に着くのはなにもなければ110分後となるので、これを140分後に合わせた場合、B君は(140-110=)30分で往復できる地点で忘れ物に気づいたことになる。だから、駅から歩き初めて15分の位置で忘れ物に気づいたわけだ。あとは設問に合わせて答えを出していこう。
(1)は少なくてもあててほしい。
【大問7】図形の移動
- 難度:難
- 時間配分:10分
設問ごとに難度を見ると(1)が「易」、(2)が「難」で同じ問題とは思えないほどだ。
(1)は円Pの中心Aが13cm動いたところなので迷いようがない。
このまま(2)でも「7回目に重なる部分が最大になる」時間だったら、速さがどんどん早くなっても「やや難」どまりなのだが「円Pと円Qが接する」概念が小学生には難しく、この時点でお手上げになってしまうのは仕方がない。このテスト唯一の「捨て問」である。
(1)だけ解いて見直しを始めよう。
攻略のポイント
テスト時間は50分で100点満点。
合格者平均点は65.7点なので、特待生合格を目指すなら80点以上、Tクラス合格ならば60点を目標点としておきたい。
大問の内容について言えば全般としてきわめてオーソドックスで取り組みやすい問題が並んでいる。難問と言えるのは【大問5】【大問6】【大問7】のそれぞれ(2)だけなので他の標準的な問題をしっかり正解していければ目標に手が届くだろう。
そのためには、まとめテキストなどで典型的な解き方をする問題をしっかりと身につけるのが一番の早道だ。ただ、後半の大問に難易度の高い設問が増えてきているのも事実なので本命校が2月にある生徒はその水準の問題にも慣れておくと大宮開成の問題が難化したときにもついていけることだろう。
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