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淑徳与野中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「淑徳与野中学校の国語」
攻略のための学習方法

〇[問題構成]

大問4つに小説の読解・論説文の読解・漢字の書き取り・記述問題が割り当てられるのが定型となっている。素材文は計7000~9000字程度で総解答数は20~25問ほど。記号選択・書き抜きと計6問ほどの記述問題が出される。記述問題は「説明しなさい」という自分で考えて書くタイプで、特に最後に出される記述問題は示された材料からわかることを読み取り、それに対する自分の意見や解決策を答えるという小論文形式になっている。記述問題に対する対策を怠りなくしておきたい。

 

〇[小説の読解]

4000~5000字ほどの文量で、大人が主人公の設定が多い。その分、内容も一般社会を舞台にした話が多く、生徒・学生があまり知らない分野・職業が出てくる。難しい小説でなくてよいので、一般向けの小説も読み慣れておいた方がよさそうである。

選択肢の問題は紛らわしい文章ではなく、選びやすい。記述問題も、傍線部の周辺を読めば書くことが見つかるようになっている。ただ「説明しなさい」という指示なのでそのまま書き抜いてはいけない。自分なりにかみ砕いて、表現を変えるなり短くまとめるなりのちょっとした工夫が求められる。過去問で慣れておこう。

場面分け・登場人物の整理・心情把握といった読解の基本の技を磨き、類似問題で記述問題も多くこなしておこう。

 

〇[論説文の読解]

3000~4000字くらいで、ここ数年は自然科学的な内容の文章が多く使われている。理科の好きな人は楽しく読めそうな内容である。こちらの選択肢の問題も無理に迷わせるような意地悪なものではない。記述問題は、論理的文章なので文中の適切な部分をまとめれば答えになる場合が多い。要点・要旨を見つけて目立つようにしておけば、スムーズに解答できる。

形式段落と意味段落の整理・要点と細部の区別・要旨と要約のまとめといった読解の基本を身に着け、大事な部分を短くまとめるなどして記述問題の練習もしておこう

 

〇[小論文的記述問題]

試験の最後に置かれている記述問題の対策が必要である。

2021年度では映像配信授業についての話し合いを題材にして、問題点や自分の意見を述べるという内容だった。過去には新聞の投書を題材とした問題なども出されている。与えられた材料を分析し、さらに自分の考えを述べるという2点を訊かれる小論文のような記述問題になっている。普段から自分でも同様の文章を書き慣れていないとうまくまとめられないだろう。

小説であれば、主人公の心情を書き出してみる。それに対して自分だったらどう感じるだろうかと想像し、文にしてみる。論説文であれば、要旨をまとめてみる。それに対する自分なりの意見や対処法を考え、文にしてみる。大事なのは頭で考えるだけでなく、実際に書いてみることである。求められる字数は50~80字程度でそれほど長くない。同じような字数で、読んだものに対して自分の意見を書いてみるのである。読解の練習にも、記述の練習にもなるので実行してみてほしい。

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2021年度「淑徳与野中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

計8500字ほどの素材文で総解答数は25問。記述問題は短いものも合わせて計6問、そのうち2問は小論文形式で難しい。

その他の選択肢問題や書き抜き問題はさほど時間はかからない。時間は60分あるので、読解問題と漢字を早めに済ませ、最後の記述問題に10~13分くらいは残したい

【大問1】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:26分
  • ★必答問題

新が朔のブラインドマラソンの伴走をする自信を無くしていると、朔はある少女からもらった点字が添えられた絵を新に見せた。

 

問一 B. 「厄介になる」は、いろいろとお世話になる・生活の面倒を見てもらうという意味。

 

問二 頼んだのは本気だったがいざとなると胸がざわついた、とある。弟として兄の伴走を続けたいという気持ちがまだあるのだろう。

 

問三 「やっぱり朔は朔だ」に注目。どうせレースに出るのなら入賞したいという、どんな状況でもあきらめない兄の性格と、伴走を投げ出そうとしている自分との比較が、多少の自嘲もこもった笑いになってしまったのだと思われる。

 

問五 少し先の会話の内容をみる。転んだのはその日が初めてで、それまでは新がいつも神経を張って伴走してくれていたおかげで安全に練習できたと朔は思っている。

 

問六 続く会話にヒントがある。その日転んだのは新の走るペースが速すぎて朔がついていけなかったからだが、朔は「知らない世界に足を突っ込んだような高揚感」を感じた、とある。ただガイドをしてもらうだけでなく、ともに走る高揚感を感じたいと朔は思っているのである。

 

問七 自分のせいで朔がけがをして失明したと思ってしまった女の子は、失語するくらいのショックを受けながらも朔に思いを伝えたくて点字を練習して絵に添えてくれた。一方自分は、事故後に意欲を失い「逃げるよう」に過ごす日々で視覚障がい者に必要な点字の勉強もサボっている。そんな自分の情けなさに気づかされたのである。

 

問八 女の子にもらった絵がきっかけとなり、「できなかったことができるようになること」「知らない世界を知ること」で「見えるもの」があると気づいた。新とともに走るマラソンもそうだと、最後の発言で述べている。

【大問2】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:22分
  • ★必答問題

科学・技術の成果や使い方の二面性について論じている。

 

問一 「凌ぐ」には、困難に耐えてなんとか切り抜けるという意味がある。

 

問二 「ピカソの絵やモーツァルトなどの芸術作品」は「科学」ではないので、うっかり選ばないように。

 

問三 選んだ結果で社会の様相が変わるという事実を述べただけで、どちらを選ぶべきとか優劣をつけているわけではない。

 

問四 それ(物質世界の変革)によって精神世界の豊かさ(人類の生き方についての思想や哲学の変革)がもたらされたということで、「新しいものの考え方」とある選択肢アが良い。

 

問五 「あれもこれもとすべきことを詰め込む」「はやくしなさいと急かされる」などからあるはずの余裕がなくなっている状況が考えられる。

 

問六 「科学・技術の成果を追いかけるのに時間が潰されている」ことについて、スマホのアプリが例に挙げられている。スマホのゲームに課金してアイテム(単なるデジタルなご褒美)を取得してもゲームの配信が終了してしまえば何も残らないというように、本当に楽しいのかどうかもよくわからずにのめり込んでいるような実例を考えればわかりやすいだろう。

 

問七 コンピューターで複雑な計算や多量のデータ処理が高速にできたりワープロ機能を使えるようになったりする一方で、暗算や筆算ができなくなったり漢字が思い出せなくなったりという例が挙げられている。科学や技術が人間の持つ能力を拡大した(プラスの面)反面、「人間が持つ固有の能力を奪う弊害」(マイナスの面)が生じていることが「二面性」と言える。

【大問3】漢字の書き取り

  • 難度:標準
  • 時間配分:2分

 感傷――物事に感じやすい心の傾向・その気持ち。

 責務――果たさなければならない務め。責任と義務。

 風潮――時代によって変わる、その傾向や流れ。

【大問4】記述問題

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

問一 ①は良い点・②~⑤は悪い点と話題に沿っているが、は「眠くなる」につられてコーヒーへと話題がずれている。

 

問二 ②・④・⑤は一人で長時間映像だけを見続けたための頭脳的・気分的な問題である。見ているだけでなく、チャットなど双方向のやり取りで質疑応答をしたり、見ている側に手を使った作業をさせたりなどの解決策が考えられる。は肉体的な疲労であるから、休憩時間を設ける・視線を画面以外に向ける課題をさせるなどの方法がよさそうである。全体として単調にならないような工夫が必要ということであろう。

 

問三 現在のコロナ禍であれば通勤・通学の際や多人数で集まることによる感染の危険を減らせる、また録画であれば視聴時間を選べる形にして各自のスケジュールに合わせられる、などの利点があるだろう。

攻略のポイント

選択肢問題でしっかり得点できるよう、記述問題でうまくまとめられるよう、過去問を中心にしっかり場数を踏んで十分に練習しておこう

そのうえで、最後の小論文的記述文に対応できるよう、50~80字程度で物語の主題や自分の意見を簡潔にまとめてみる。あるいは同様の記述問題が出される学校の過去問で練習してみるなど、こちらも経験値を上げておきたい。面倒くさがらずに実際に書いてみることが重要である。また、内容も大事だが、文章としておかしくないか・誤字脱字はないかも見られているので、丁寧に書くことも意識していただきたい

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