城北埼玉中学校 入試対策
2021年度「城北埼玉中学校の社会」
攻略のための学習方法
〇問題構成
2017年度では大問3つに地理・歴史・政治経済分野がそれぞれ割り当てられていたが、2018年度以降ではひとつのリード文で一問一答形式の総合問題になった。各分野の問題量はほぼ均等で偏りはない。
総解答数は35~40問ほど。形式は適語記入と選択肢が主で、2019年度では短文記述が1問だけ出題された。
統計・グラフや写真・図版などの資料がよく用いられている。ここ数年では名前ではなく写真で人物を特定する問題や、家系図を埋める問題などが好んで出題された。
オリンピック(2021年)や税について(2020年度)など、一つのテーマをもったリード文が毎年出されているが、問題文・リード文の総計が3000字ほどにもなり、すべて目を通すと時間を取られる。下線部だけ読んで答えられる問題も多いので、30分という時間を見計らって、適宜対応されたい。
〇地理分野
地理全般について広く訊かれている。地名や気候、産業などすべての範囲から出題がある。中部地方について(2017年度)など、範囲が限定される場合もあるし、日本全体からランダムに出題される場合もある。統計や図版なども用いられ、県章が出された年度(2017年度)もあった。
まずはテキストの基本事項を丁寧に学習する。地形・地名を正確に覚え、各県の産業や人口統計なども資料集でしっかり確認する。街道や鉄道路線などもよく頭に入れておこう。特別な難問は出ていないので、「抜け」を作らないような偏りのない勉強で対応したい。
〇歴史分野
歴史全般について幅広く訊かれている。各時代の人物・出来事や政治・文化・地名などについて、地図・写真・図版などの資料も用いて万遍なく出題されている。
時代順の並べ替えの問題、政治家・権力者の写真や家系図を用いた問題などがここ数年よく出されている。資料集などを活用し、テキストにプラスして知識に厚みを持たせるようにしたい。極端な難問は出されていないが、あいまいな知識では正解できない問題が多いので、細かな部分まで手を抜かずにしっかり身につけたい。
〇政治経済・現代社会分野
地理・歴史重視の学校も多いが、本校は政治経済分野もしっかり出されるので、油断せずに取り組んでおきたい。憲法や政治の仕組み、国際関係など分野に偏りなく出題されている。現代社会の問題など、過去1~2年の直近の出来事や人物についてもよく訊かれているので、時事問題集はもとよりニュース・新聞にも注目して新しい情報をチェックしておこう。
〇[注意点]
選択肢の問題は細部まで見落としの無いよう確認しないと、ミスする可能性がある。答えを組み合わせて1問の正解となる問題もあり、広く正確な知識が必要となる。難問こそ見られないが、細部まで正確な知識が求められる試験であり、30分という時間もけっして余裕のある時間ではないので、迷わず正解を選べる実力を養いたい。
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2021年度「城北埼玉中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
3000字ほどのリード文で解答数は35問。一問一答でてきぱき答えていく形である。下線部だけ見れば答えられる問題も多いので、時間が足りないようなら下線部周辺だけ読んで済ますのも手である。
複雑な統計を読み取るような時間のかかる問題ではないので、わかる問題をどんどん解いてゆこう。
【大問】総合問題
- 難度:標準
- 時間配分:30分
- ★必答問題
オリンピックを話題とした総合問題。
問1 (1) 2021年6月現在、政府は開催の意向を示しているが7月の現実はどうであろうか。その経緯が試験で訊かれることが予想されるので注視しておこう。
(3) 通常「クーベルタン男爵」とだけ覚えられているだろう。クーベルタンは男爵家に生まれ教育学者になった人物。オリンピックを通じてスポーツによる教育改革を目指し世界平和に貢献するという理念に基づき、近代オリンピックの創設に中心的な役割を果たした。
(4)・(6) 近代オリンピックの第一回開催地はギリシャのアテネ。聖火はオリンピアにある神殿で太陽光を集めて点火される。
(5) 第一次世界大戦の勃発が1914年であった。
(6)・(7) ドイツ・ベルリン大会は、ナチス・ヒトラーの政権下で行われた。その人種差別主義に反発して参加ボイコットの運動が広まったが、大会を政治的なイデオロギーに利用しないことを約束して開催にこぎつけた。
(8) ソビエト社会主義共和国連邦。3字以上なので「ソ連」は不可。
問2 南米ではブラジル、アジアでは日本での開催がある。アメリカはセントルイス・ロサンゼルス・アトランタと3回開催されている。
問3 日本における古代は主に奈良時代~平安時代を指し、大和政権時代を含むとする考えもある。中世は鎌倉時代~室町時代まで。
問4 (2) 日本では縄文時代に当たる。イ・ウは弥生時代、エは旧石器時代。
問5 (1) アはブラジル、イはアメリカ、ウはスペインの国旗である。
(2) ギリシャはイタリアとトルコに挟まれて地中海に面している。左右にはイオニア海とエーゲ海がある。
問6 アはメキシコの遺跡チチェン・イッツァ、ウはペルーのマチュ・ピチュ、エはエジプトのアブ・シンベル神殿。
問7 太陰暦は月の満ち欠けを基に作られた暦。イスラム歴は現在も太陰暦である。
問8 (1)・(2) 前文には「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」と不戦の誓いが立てられている。第9条では戦争放棄・戦力の不保持・交戦権の否認が明確に規定されている。特に第9条は条文そのものが問題になることが多いので、丸暗記してしまおう。
問9 イタリアが属する地中海性気候は「温暖夏季少雨気候」とも呼ばれ、日本より高緯度だが温暖少雨で雪もほとんど降らない。
問10 イ. 1549年の間違い。
エ. 唐の時代にはすでにキリスト教の寺院が建てられていた。
問11 アの法隆寺は607年、ウ・エはともに古墳時代にできたものである。
問12 治外法権の撤廃(1894年7月16日)→日清戦争(同年7月25日~)→下関条約(1895年4月17日)→日英同盟(1902年)
問13 アはベルギー、イはフィンランド、ウはスペインのこと。
問14 ILOは国際労働機関、WOCは日本の看護認定看護師の組織、JOCは日本オリンピック委員会のことである。
問15 関東大震災は1923年、大逆事件は1910年、原敬内閣成立は1918の出来事。
問16 (2) 「持続可能な開発目標」はSDGsと略され、17の項目がイメージシンボルで表されている。
問17 アはシンガポール国旗、イは国際連合旗、ウは国連の前身・国際連盟の旗である。
問19 第二次世界大戦後で初となるロンドン大会では敗戦国であるドイツと日本の参加は不承認となった。イタリアは大戦中に政権が交代したため参加が認められた。
問21 ソ連のアフガニスタン侵攻を非難して、モスクワ大会では西側諸国・イスラム教諸国など50か国近くがボイコットした。
問22 森元首相から橋本聖子氏に代わったのは大会組織委員会の会長なので間違わないように。
問23 アは山梨県の説明、イは信濃川の流れが逆、エは東からではなく西からの順番になっている。
攻略のポイント
年度により問題の構成に変化がみられるが、内容や難易度に大きな変更はない。適語記入と選択肢の問題が多いので、類似問題で慣れておきたい。
資料が多く、長いリード文もあるのでうまく読み進めないと30分で足りなくなる恐れもある。下線部を見てわかる問題はどんどん書き進めて、必要な部分だけ詳しく目を通すようにしよう。
人物の写真や家系図など特徴的な問題が続く場合があるので、できるだけ多くの過去問で数年間の傾向を見ておこう。
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