中学受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
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武蔵中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「武蔵中学校の理科」
攻略のための学習方法

男子御三家と呼ばれる中学の一つが、この武蔵中学だ。近年台頭する学校が増えたために以前ほどの合格難易度はないかもしれないが伝統的なアカデミックな校風は好感が持てるし、ユニークな出題として知られる入試問題は大人が解いても楽しいものになっている。もちろん、今でも十分に難関校であるが。

武蔵を受ける場合に限らず、男子進学校全般に言えることであるが、理数系の科目では難問への対応力が問われる。一問一答形式による知識の充実も必要であるが、やはり難しい問題へ立ち向かう学力、というよりパワーが欲しい。

そのためには、6年の前半まで、進学塾でいえば夏期講習くらいまでの時期は、思い切って難問に挑戦してほしい。武蔵の対策に欠くことができないのかどうかではなく、どんな問題が出てもまずは対応できるという土壌を養っておく必要があるからだ。

公開模試などで、武蔵中学の合格可能性ラインまでならば基本的な問題にくまなく答えていくだけでも到達できるだろう。基本的知識の暗記だけでもうれしくなるような合格可能性はもらえるかもしれないが、それでは6年後半の学校対策に入ったときに必ず壁にぶち当たる。

あまり要領は良くないかもしれないが、塾や家庭教師の先生と一緒に難問にトライしてもらいたい。正解できればそれに越したことはないが、できなくてもそういう挑戦したという体験が後になって生きてくる。

まずは挑戦体験と知識の十分な蓄え、これに時間を費やそう。

 6年秋以降は本格的な学校対策となる。
はじめて過去問に触れた時には通常解いている問題との違いに驚くかもしれない。「こんなこと習ってない」とか「問題文が長くて読むのがつらい」とか「記述の問題がある…」などだ。しかし普段の学習と入試問題との開きというのはつねに存在する。スポーツでいえば練習と試合の違いだ。練習だけでは力が分からないやみくもに試合ばかりしても力はつかないし伸びない。

ここで夏までの難問挑戦を生かそう。
過去問に付き合っているうちにこの学校の求めているもの、その水準がおのずと見えてくるはずだ。ここまで考えればよいのか、ここまで書けばよいのか、といった具合に。

ここから先はむやみに難問挑戦はせず、武蔵中学の問題で合格点を取る勉強にシフトしていこう。誰も解けそうもない問題には触れることはないのだ。ただ、そこまで難解な設問はほとんどないと思うが。

そして武蔵を志望するならば、この学校の問題傾向を好きになり、問いていて楽しいと思えるレベルまで自分を変えていこう。そうすれば、武蔵合格はおのずからついてくるはずである。

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2021年度「武蔵中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

試験時間40分で大問は3題,小問の数は与えられた時間に対しては多い方ではなく、時間は十分にかけられる。
本年度は【大問1】が計算問題をふくむ標準レベルの問題、【大問2】は総合問題ながら問われていることは難しくはなく、受験生たちにとっては手をつけやすかったことだろう。これならば、独特の【大問3】にも余裕を持って取り組めたに違いない。

【大問1】液体温度計

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

水と液体Aという、2種類の液体をそれぞれ使って液体温度計を作り、その実験結果から計算問題もはさみつついろいろと考察させる問題で良問である。記述の問題が大半を占めるが聞かれていることは常識の範囲内のことなので、しっかりと「相手に伝わる」言葉で自分の考えをまとめていこう。
問1は表の中から0℃と25℃の数値の差に目をつければよい。
問2は、表における「水」の温度と体積比に注目し、たとえば、0℃から10℃までは体積が変化していない、0℃より低い温度では氷になってしまい液体温度計として機能しない、など思い気づくことを2つ書けばよい。
問3からの「液体A」を使った方の実験が【大問1】の中心である。
(1)ガラス管の断面積が小さくなったことから同じ体積変化でも液体の高さは大きく変わることが理解できればよい。
(2)こちらは(1)をあとから説明する形になる。
(3)では、ガラスが薄くなることによってなにが変わるかを考えればよい。答えが普通すぎてかえって心配するかもしれないが…
(4)点数の差がつくとすればこの設問ではないだろうか。なぜなら、寒暖計などで大きな液だめがないものも存在するからだ。絶対にこうでなくてはいけない、というものではないので答えに迷いが生じるのではないかと思う。しかしここでは一般的に体積が大きくなれば変化する大きさも増え、それが目盛りに反映するから、と答えておけばよい。

【大問2】総合(川のはたらき・水の三態・星座・カモの生態)

  • 難度:標準
  • 時間配分:15分
  • ★必答問題

前の大問以上に答えやすい問題なので、ここは得点源としておきたい。
問1は増水の変化の仕方を見分ける問題で、「あ」と「い」を選ぶ受験生はまずいないだろうから「う」か「え」の勝負となる。この2つのグラフの大きな違いは川を見る前にもとの水の高さを下回った時期があったとするのが「う」で、徐々にもと高さにもどりつつも未だ水の高さは増水の影響を受けているとするのが「え」だ。もちろん答えは「え」で、川の最上流にあたりから流れ込んだ水がまだ残っていると考えるのが妥当だ。
問2は「小4」クラスの問題ではあるものの「この図から分かること」に注意して選択肢を選びたい。
問3は「水の三態」についての基本的な問題で、「靄(もや)」の出来かたについて、現象・消えていた理由を選択肢から選ぶという問題だ。「もや」に近い現象は「霧(きり)」で、空気中の水蒸気が冷やされて細かい水てきになってそのあたりを漂うというものだ。「霧(きり)」が上空高く上がると「雲」と呼ばれることになる。このことからどちらの答えも選べるだろう。
問4はオリオン座の見える方向・見え方に関する問題で一瞬ヒヤッとさせられるものの、本当に基本的な設問で助かった。
問5からは川を泳いでいたカモに参加していただいて質問を少々。問5では「う」~「お」のどれかというところで少し迷うが「一定の速さで泳ぎ続けた」とあるので素直に「う」でよかろう。
問6は絵を見ながら判断するしかない難しい問題。というのは、カモ(水鳥)の泳ぎ方について考えたことなど普通ないからだ。知っていれば平易な問いなのだろうが意表を突いた設問になっている。
問7のほうは案外一般的な設問になっている。えさをとるため・えさが流れてくるため・川と同じ速さでがんばっているため、などが次々と浮かんでくることと思う。

【大問3】模様の見え方について

  • 難度:やや難
  • 時間配分:15分

最後は十八番、武蔵と言えば「これ」と思われるような、伝統と格式を誇る大問。
武蔵対策を経てきた生徒たちにとってはここぞ力を振るう場所、と毎年書いてはいるわけだが、本年度の大問は袋の中から紙とシートを取りだし、それらを指示にそって配置し、気がついたことをまとめる問題になっている。ただし、12に関しては、図を書いての説明は出来ない。あくまで言葉によって図形の変化を説明しなければならない。問われていることは難しくはないので解答欄以外のところでは図示しながらうまく説明していこう。ただ、模範解答にあるような完答となると難しいかも知れない。【大問1】【大問2】で点数を重ねてきた生徒はあくまでも合格点の上乗せのつもりで出来る範囲でよいから自分の観察について採点者に伝えていくこと。

攻略のポイント

テスト時間は40分で60点満点。

受験者平均点は32.8点、合格者平均は37.1点で、昨年度の平均点とは0.1点ほどしか変わらない、ほぼ同じ数値である。合格するために必要な得点は36点(60%)くらいだろう。ただし本年度の問題ならばら40点以上はとれるよう勉強を続けたい。

ここ数年の傾向として、前半の【大問1】【大問2】は基本的な知識を問う問題になっており、しっかり受験勉強を積んできた生徒であればかなりの確率で正解を答えられたはずだ。だから、合格点だけを考えれると、最初の大問2つだけでもかなり接近できるあるいは超えることが出来るだろう。ただし、【大問3】もそうだが記述問題が多数存在していて、正しい言葉を選び採点者を納得させることが出来る答案を作成できなくてはならない
したがって、記述問題対策は当然必要であり、授業などで一方的に○×△をもらうのではなく、国語の記述問題のように、良い点・悪い点を指摘してもらいながらマンツーマンで添削指導を受けることを薦める。基本的な知識を問う問題だけでは差がつくとは思えないので、記述の完成度が合否を争うポイントになるのは絶対だからだ。

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