指導実例インタビュー
高橋先生
指導実例インタビュー
高橋先生
合格実績(五十音順)
青山学院・麻布・大妻・海城・学習院・学習院女子・吉祥女子・共立女子・慶應中等部・香蘭・実践女子・巣鴨・成城・東京都市大学付属・東京都市等々力・東洋英和・豊島岡女子・広尾学園・雙葉・本郷・八雲学園・洗足学園・市川・浦和明の星・開智・埼玉栄・栄東・(区)九段中等 他多数
生徒の性格や苦手分野にあわせた指導で、都立桜修館中に見事合格!
指導を始める前の状況
家庭教師を検討する前は、お父さまが教えていたのですが、親子間では限界を感じたお母さまがプロ教師の指導を検討し、探されたという経緯でした。T君はとても真面目で机に向かうのも好きで、コンピュータなど文科系の趣味に没頭する一面もありました。一方で、学校では人間関係に悩んでおり、日々の学習に集中できていなかったことと、学習面では「頭の中が整理できず、やるべきことがわからない、すぐに忘れてしまう」といったことがネックとなっており、かけた時間ほどには成果が上がらず苦しんでいました。
志望校については親御さんの主導で決めていたようですが、T君自身の合格したいという思いもまた本物でした。ご家族のサポートとしては、「量」は十分すぎるほどでしたが、その方向性を模索していて、その時点ではT君に合っていないという印象を受けました。
指導内容
前述した学校での悩みから推察できるように、他人の気持ちを推し量るのが苦手ということから、小説の読解が壊滅的でした。また、「いろいろなことが一度に頭に浮かんできてしまう」「思い込みが激しい」というタイプでもあり、論理的文章も自己流に間違えて読み取ってしまう状態でした。そこで、心情を理解し、同時に頭の中を整理するために「漫画を読んであらすじを書かせる」というメソッドを取り入れました。漫画は絵がありますから、人の心情理解の助けになります。これを一か月ほど続けていると、次第に「人の行動」と「心情」の間の関係が理解できるようになってきました。同時に、あらすじを説明する力もついてきました。
ベースが整ったところで、論説文や小説の読解に移行したところ、格段に「流れを読み取る力」がついており、まずまずの正答率となりました。その後は、文章を図示化し要約するメソッドを取り入れることでブラッシュアップしていきました。この取り組みは、昨今増加傾向である適性検査型入試や、それに類似する問題に対応するために大変効果的と考えています。
また、オンライン指導そのものがプラスに働いた点もありました。T君の「他人が見ていると緊張して集中できず実力が発揮できない」という性格が、オンラインにすることで大きく軽減された点です。画面越しになることで、対面だと自然と発生してしまう「圧」のようなものから解放されるのではないかと思います。
算数については、最初はプライドが邪魔をしました。自分は理数が得意であるという意識が強かったため、実は基礎が理解できていないということを、なかなか認められなかったのです。また「人のやり方を観察して真似ることが苦手」であることも相まって、基礎に戻って理解しなおす&正しい考え方を身に着ける、ということに抵抗がありました。「自分で解く」ことにこだわりがあり、難問を数時間ひとりで考え込み、解説は絶対読まないというスタイルでした。これらを修正するのにはかなり時間がかかりましたが、最終的に修正できたのは、オンラインならではのメリット「講師のノートを正位置かつリアルタイムに『観戦』できる」という点が功を奏しました。講師が解説をしながら解いていくのを、普段自分がノートを見ているような視点で目の当たりにできることで、「他人のものを見ている」という感覚が薄れ、徐々にこだわりが消え、素直に「そうすればいいのか」と感じられたようです。いったんこだわりが消えると、もともとは勉強が大好きで苦にならない生徒でしたから、その後の吸収は早かったです。
このような対応を、時間をかけて行っていきたいという方針でしたので、ご家庭には、僭越ながら「家庭では教えずに見守ってください」とお願いをしました。
結果
私が担当する前は、どれだけ頑張ってもなぜか偏差値50を超えられないという状態でしたが、授業開始後2か月ほどで初めて50を超えました。それで基礎の大事さを体感的にも理解したようです。それまでは、基礎を「わかったつもり」で応用問題や難問を解きたがる傾向があったのですが、基礎重視で結果が出たことで、新しいやり方を心から信用する気になったようです。T君自信が基礎重視の気持ちに切り替わったことで、その後は50を切ることなく、着実に学力が伸びていきました。
T君の学力以外の不安感についても、できる限りサポートしました。他人の気持ちを上手く想像できない一方で、他人の目が気になって仕方がないこと。それゆえ余計に失敗してしまうことで苦労していましたが、そのような時は私自身の経験談を話したり、一緒に哲学的な文章を読んだりすることで「世界は怖くない」ことを伝えてきたつもりです。(副次的効果として、哲学的な文章の読解力もつきました。)
第一志望の都立桜修館入学後も継続して授業を担当していますが、今では人間的にも大きく成長したのを感じます。