成蹊高等学校 入試対策
2021年度「成蹊高等学校の数学」
攻略のための学習方法
成蹊高校の数学は、難問、奇問や複雑な問題は出題されていないが、しっかりと計算させたり、相似や線分の比が、関数、図形などと融合されている問題が見受けられる。また、長い問題文は情報や条件を整理する必要がある。そこで、攻略のための学習法として次のことが考えられる。
①計算力の強化
数学において計算力は全ての基礎となる。重要な点は、自分の間違いの癖を把握して同じ間違いをしないように意識する、迅速で正確な計算方法を工夫する、の2点である。計算方法を工夫するのは独学では難しいので第三者に指導してもらうのが効果的であろう。ただやみくもに計算学習を増やすというよりは計算が速い人を真似るほうが効率が良いだろう。学習の無駄な時間を思考力の強化などに使おう。ケアレスミスを防ぐには、自分のミスの癖などを試験時にメモしてそれを見ながら解答するのも一つの方法である。
②基礎知識の学習
数学の基礎となる公式や定理、言葉の定義などは必ず習得しておくこと。公式の導き方や背景知識を学習することで定着するだろう。二次方程式の解の公式の証明や三平方の定理の証明などは積極的に学習しよう。数学的な試行は公式の証明などによって養われる。また、基礎知識と基礎知識の組み合わせで入試問題を解いていくことになる。図形と関数の融合問題などは何かの基礎知識がないと解答できないものがある。教科書の内容をしっかり習得することが重要である。
③数学の問題文の正確な処理
数学の問題文にある条件を1つ使用しないと正答できない問題がある。線分の長さ、平行線、二等辺三角形などが与えられた時に全て図に書き込んで漏らさないように処理できるように演習が必要である。問題文の条件を表にしたりグラフにしたりすることで正答につながることが多い。それに加えて、隠れた条件を利用する必要があるので上記の②の学習が必要である。解答できない、解答が進まない時は、問題文の条件を再度確認、隠れた条件を洗い出す、ことで正答できることが多い。意外と簡単なことを忘れていることが多い。
以上、①から③を意識して学習していくことで成蹊高校の数学は自信を持って受験できるはずである。受験勉強はできない問題をできるようにする、という塗り絵のようなものなので、教科書の問題にプラスして、演習ができる問題集と過去問演習によりしっかりと全てを習得していけば高得点につながるだろう。できなかった問題をできるようにする、これだけ単純なことに取り組むだけである。
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2021年度「成蹊高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
難問は見受けられないがしっかりと計算させる問題が出題されている。誘導に乗って解答していくことが重要である。また、長い文章問題や詳しい図によって構成されていて、それらをしっかりと整理して解いていくことが求められている。関数や図形はしっかりと完答することが合格点につながるため先に解いてもよいだろう。
【大問1】 小問集合
- 時間配分:10分
(1) 分母の有理化、平方根を含む式の展開、-に注意して計算。
(2)最初に展開すること。
(3)原点を含む変域に注意してグラフを描いて解く。
(4)円錐の体積-半球の体積。
(5)PQ:PA=1:2であり、△PBA=2△PBQとなる。△PBA∽△PDRより、面積比は1:4となり、△PDR=8△PBQとなる。
【大問2】 連立方程式の応用
- 時間配分:10分
(1)Aの中の赤個数は18/25だから、Aの玉の個数は36÷18/25=50個、よって14個
(2)(3)B、Cの中の白玉の個数の合計が157個、Bの赤玉の個数の1/7とCの白玉の個数の1/6の合計が18個である。ことで2式を立てる。
【大問3】確率-さいころ
- 時間配分:12分
(1)1の目が2つ、かつ、素数の目が出る場合を考える。2つが1の場合残りは2,3,5の3通りで、それが3通りずつあるので、9通り。
(2)積abcが2,3,5となるときは(1)より9通り、積abcが1となるときは1通り、積abcが4となるときは6通り、積abcが6となるときは9通り、積abcが8となるときは7通り、積abcが9となるときは3通りある。それぞれ、数え上げること。
【大問4】関数-二次関数と直線
- 時間配分:10分
(1)OP=6となり点Q(6,0)となる。直角三角形QSRの面積を求める。
(2)P(2t,0)、Q(2t,t2乗)、R( 2t, 2t-5)となる。
(3)点Sと点Qはy軸について対称であるからSQ=4tとなる。△QSRが直角二等辺三角形のとき、QR=SQだから、t2乗-2t+5=4tが成り立つ。
【大問5】平面図形
- 時間配分:12分
(1)中心角を10等分、円周角と中心角の関係、三角形と内角の和より求める。
(2)①(1)より∠AKB=36°だから、∠AOB=36°=∠AKBとなり、△BOKはOB=BKの二等辺三角形となり、BK=2となる。②∠AKB=∠ABK=36°となり、△ABKと△BOKは二等辺三角形となる。△BOKは二等辺三角形だから、△ABK∽△BOKとなる。AB:BO=BK:OKよりABを求める。
攻略のポイント
情報量が多い問題文や誘導されている設問に沿って素直に解答していくことになる。与えられた問題文の条件を全て利用できるようにしたい。数学の各分野の基礎知識を基に、問題文の条件や、正確な図やグラフを利用しないと解答できない問題が出題されている。したがって、問題文の条件と図を正確に読み取り、理解して誘導に乗って解いていくことと同時に、問題文にない定理や条件より解答していく必要がある問題を正解していくことが高得点につながる。