服装を題材にして各時代の人物や出来事について訊かれている。

問１　稲の栽培自体は石器時代に始まっているが原始的な方式であり、縄文時代に本格的な稲作が中国から伝わり、それが東北地方まで広く分布したのは弥生時代であった。
問２　漢字で書くと「埴輪」であるが、漢字でという指定がないのでひらがなでも正解である。
問３　史料は十二単(じゅうにひとえ)を着た公家の女性の姿である。平安時代中期～後期に完成した女房装束で、重さにすると20㎏もあった。
問４　藤原道長は娘を天皇に嫁がせてその子を天皇に据え、自らは摂政・関白として権力を振るった(摂関政治)。
問５　時代は７世紀後半で、遣唐使が派遣されていたころである。
問６　織田信長の時代には、来日したポルトガル人やスペイン人との間で貿易が行われた。これを南蛮貿易と言い、長崎・平戸などで取引が行われた。
問７　「風潮」であるから、文明開化と答えればよい。政府の政策を訊かれたのなら「欧化政策」となるだろう。
問８　保元の乱ではともに天皇側について戦った同士であった平清盛と源義朝であったが、戦の後の処遇に不満を持った義朝側が戦いを起こし、清盛に敗れたのが平治の乱である。
問９　この生地は絹のことで、庶民は着ることができなかった。絹の素材として日本の輸出の主力となったのが生糸である。
問10　冠位十二階なども、服飾の色で身分や地位がわかるようになっていた。
問11　イギリスで起こった産業革命で機械生産が本格化し、日本にもそうした機械が輸入され大量生産が出来るようになった。
問12　写真の服装は「もんぺ」といういわば労働着で、女性が農作業や工場で弾丸などの物資の製造に従事するときに着用していたものである。また、空襲などで避難する際にスカートなどより動きやすいという利点もあった。

東京都・岩手県・山梨県・北海道を中心とした地理の問題。

問１　かつては盛んだった遠洋漁業だが、1970年代前半の石油危機や200カイリ漁業専管水域(排他的経済水域)の設定などの影響でその後は漁獲高が大きく減った。
問２　リアス海岸の典型的な地形が見られる三陸海岸。
問３　地震の一次災害は揺れそのものによる建物の倒壊・地崩れなどである。二次災害としては火災・ライフラインの寸断・津波による被害などが考えられる。
問４　甲府市があり葡萄の生産が盛んな山梨県。
問５　電子書籍をスマホやタブレットで購読することができるようになった。
問６　(１)・(２)　扇状地の水はけのよい地質が果樹栽培に適している。
問７　酪農であるから、家畜の体調を数値で計測しコンピューターで管理すること、厩舎の環境をAIで自動調整することなどが考えられる。
問８　(１)　同じ作物を作り続けると起こりやすい連作障害を防ぐために、作る作物を変えていく「輪作」が行われている。
　　　(２)　作物は「てんさい」のことで、砂糖の原料となる。
問９　日本最大の湖、琵琶湖のことである。
問10　粘土や砂を材料として熱を加える・溶かす・練るなどの工程を経て製品を作る工業を窯業(ようぎょう)という。

世界や日本における差別・人権問題を話題として、憲法や政治のしくみなどについて訊かれている。

問１　第３回国際連合総会で採択された世界人権宣言には、その後の人権に関する条約の基礎となっている理念が示されている。
問２　1951年のサンフランシスコ平和条約締結により日本と他の国々との戦争状態は正式に終結したが、国際連合への加盟は日ソ共同宣言が出された1956年であった。
問３　ア・カは自由権、イは請求権、ウは参政権に分類される。
問４・問５　アメリカの黒人・有色人種への差別や日本でのアイヌ民族への差別などに関して、人種差別をなくすために法整備が進められてきた。
問６　エ. 憲法改正の発議は両議院の総議員の３分の２の賛成で成立するので、どちらの議院の権限が強いということはない。
問７　思想・意見・感情などを表現・発表する権利を表現の自由といい、近代憲法で保障されている権利であるが、近年ではSNSでの偏った過激な発言などで被害が発生する恐れもあり、ある程度の規制は必要ではないかという意見も増えている。
問８　日本の企業のベトナムへの進出も増え、近年つながりが強くなっている。
問９　授業中であれば、黒板や使われる資料などが見えない・一般的な教科書が使えないなどが問題点となるだろう。黒板や資料は音声で内容を伝えられるシステムを使う・点字が添えられた教科書や音声で確認できる本を使うなどの対策が考えられる。