法政大学中学校 入試対策
2021年度「法政大学中学校の社会」
攻略のための学習方法
[問題構成]
大問3つに、地理・歴史・政治経済の各分野が割り当てられる形式が続いている。
問題数は地理・歴史が各12~15問ほど、政治経済が5問ほどと地理・歴史が多めの配分になっている。
設問は記号選択・適語記入を中心に、各分野で計4~6問の記述問題が出されている。地図や統計・グラフなどの資料もよく用いられている。
[地理分野]
地図や統計などの資料が示され、それをもとに日本各地の地形・地名や産業・貿易、気候などについて訊かれている。この分野の記述問題は、示された資料から読み取れることをもとに考えさせるものが多い。貿易摩擦と海外進出(2020年度)や小麦などの生産と貿易(2021年)などの出題があった。いずれも統計やグラフなどの資料を読み取って答える問題になっている。
各種資料の多用と記述問題の特徴を考慮して、資料の読み取りに習熟しておくことが重要であるといえよう。単に数字を暗記するだけでなく、そうなる理由やその後の影響なども考えるようにしよう。
[歴史分野]
リード文や資料文を読んで、下線部や関連する事項について答えていく形である。縄文時代~弥生時代の外交について(2020年度)や明治時代の外交(2021年)など、ある一定の範囲の時代について訊く問題が多くなっている。出来事・人物などについての質問が多い。ここ数年は文化についてや、時代順の並べかえなどの問題は出されていない。
この分野の記述問題も、示された資料をもとに考えられることを説明するようになっている。自分が覚えた事柄についてその仕組みや原因などを1~2行で説明できるくらいの知識は持っておこう。
[政治経済分野]
一般的な日本国憲法や政治の仕組みについての問題はここ数年出されていない。消費税率の引き上げ(2020年度)や二酸化炭素排出量とエネルギー問題(2021年)など、国際社会や現代社会での問題点などを中心に訊かれる場合が多いようである。だからといって憲法や政治のしくみを無視するわけにはいかない。あくまで社会科学習の基本として、覚えておく必要はある。そのうえで、本校の試験の特徴を踏まえて、現代社会・国際関係について、特に近年起こった重要な出来事については時事問題集・重大ニュース集などで詳しくなっておかなければならない。
ここでも資料を読み取って答える記述問題が出されているので、地理・歴史分野ともども、「資料から考える」練習を積んでおこう。
[まとめ]
問題の難易度としては基本事項の問題が多いので、テキストの丁寧な学習がまず第一である。合格者平均点も7割5分~8割近くにもなり、高止まりの傾向である。基本事項の問題には確実に答えていくこと、さらに記述問題で得点を積み増すことで、合格点到達を狙いたい。
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2021年度「法政大学中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
総解答数35問で、地理分野12問・歴史分野14問・政治経済分野9問という内訳になっている。1~2行ほどの記述問題が計7問出題されている。問題量はさほど多くはないが、資料が多いので読み取りに手間取らないよう、手早く見られるように練習しておこう。
【大問1】地理分野
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
小麦などの生産と貿易についての問題。
(1) 豆腐は大豆、タピオカはキャッサバから取るでんぷんが原料である。
(2) Aは米、Bは家畜の飼料にもなるとうもろこし。
(3) 輸入量が増えるにつれて生産量が減っている。外国から品質がよく価格も安い小麦
が輸入されるようになったからである。
(4) ① 食生活の変化により、米を主食としていた食卓でパン・麺類や肉類など、米以外の食物が多く摂られるようになり、米離れが進んだ。
② 稲の作付け面積を減らす減反政策が行われた。
(5) 小麦の生産量1位は北海道。
(6) 76.5÷(76.5+565)×100=11.92…で、小麦の自給率は約12%である。
(7) 小麦の輸入量はアメリカ・カナダ・オーストラリアの順で多い
(8) 小麦を輸出できる国が一部の国に限られるので、その国で天候不順や戦争などが発生した場合、小麦の生産が減少し価格が高騰する恐れがある。
【大問2】歴史分野
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
明治時代の外交についての問題。
(1) A. 朝鮮に地理的にも近い対馬藩。
BとC. 岩倉具視らが欧米視察に派遣される中、西郷隆盛は政府の留守をあずかる形で日本に残っていた。
DとE. 甲午農民戦争は東学党の乱とも呼ばれる。
F. 台湾の領有も認められた。
(2) 武力で韓国を開国させようとする考えは「征韓論」と呼ばれた。
(3) 征韓論に反対され政府を去った西郷隆盛は、不満を持つ士族らを率いて西南戦争を起こしたが、政府軍に敗れた。
(4) 日朝修好条規は、日本側に領事裁判権や無関税特権が認められた不平等条約であった。
(5) 一部は八幡製鉄所などの産業振興に使われたが、大部分は軍事費に充てられた。
(6) ドイツとフランスはそれぞれロシアとの対立を避けたい思惑があり、三国干渉でロシアの提案に従った。当時のロシアは南下政策を進めており、一年中利用できる不凍港を確保する目的も含め遼東半島や満州へ進出したいと考えていた。そのために日本の遼東半島の権利を放棄させたかったのである。こうした対立が、やがて両国を日露戦争へと向かわせることとなる。
【大問3】政治経済分野
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
二酸化炭素排出量とエネルギー問題について。
(1) 化石燃料は石炭・石油・天然ガスなど、燃焼させてエネルギーを得るもので、その際二酸化炭素を排出する。一方、太陽光・風力・地熱などを利用するのが再生可能エネルギーで空気や水を汚さないクリーンなエネルギーとされる。
(2) 国連の環境に関する会議については、「かけがえのない地球」というスローガンや「地球サミット」という別称など、開催年度や開催地とともに覚えておこう。1997年の気候変動枠組条約の第3回締約国会議は日本の京都で開催された。
(3) 近年とくに排出割合が増えているAは経済成長著しい中国。同様に、伸びが大きいCは発展しているインドと考えられる。1990年に割合が最大だったBがアメリカ、残るDがロシアである。
(4) 化石燃料は埋蔵量が有限なので、いずれは枯渇することが予想される。
攻略のポイント
統計・グラフの読み取りに習熟しておくこと。地理分野で特に多く使われる各種資料を素早く正確に読めれば有利である。内容はある1範囲について訊くパターンが多いので、どの範囲・項目を出されても困らないように、抜けが無いように学習しておこう。
記述問題でも資料やデータが用いられるが、そこから読み取れることを素直に答えればよい問題なので、構えずに取り組んでもらいたい。字数もそれほど多くないので、負担に感じる必要はない。
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